英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・東北大學 2012 (8) 7パラ

2012-11-19 | 出題英文讀解

     “I’d bet that there isn’t a single highly successful person who hasn’t depended on grit,” says Angela Duckworth, a psychologist at the University of Pennsylvania who helped pioneer the study of grit.  “Nobody is ( ① )( ② ) not to ( ③ ) to ( ④ ) hard, and that’s ( ⑤ ) grit ( ⑥ ) you to do.”

(※設問として、( ① )~( ⑥ )に下の語群から適切なものを選び、文を完成するやう求めてゐます: what / have / work / enough / talented / allows )

 

 

7.1  “I’d bet that there isn’t a single highly successful person who hasn’t depended on grit,” says Angela Duckworth, a psychologist at the University of Pennsylvania who helped pioneer the study of grit.

 

[意味把握チェック]  7.1 「グリットをあてにすることなく大成功を收めた人なんてきつと一人もゐませんよ」と、グリット研究立上げに助力したペンシルヴェニア大學の心理學者 Angela Duckworth は述べる。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・假定法由來の婉曲表現(I’d bet): I(’ll) bet (that) S V(~) は會話表現で「きつと~だ」と確信を傳へます。ここでは willwould としてやや控へ目な表現にしてゐます。(※ I wouldI’d と縮約形になつてゐます)

・強い否定(not a single): nota single を一緒に用ゐると「ひとつだつて無い」「まつたく無い」など強い否定を表はします。

 

[語句]

7.1

 

depend on

~をあてにする / ~にかかつてゐる

 

7.2  “Nobody is talented enough not to have to work hard, and that’s what grit allows you to do.”

 

[意味把握チェック]  7.2 「頑張らなくてもいいほど才能のある人なんてゐませんし、それ(頑張ること)が、グリットが可能にしてくれることなんです/頑張れるのはグリットによつて、なんです」

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・不定詞の否定: 不定詞を否定する notnever は直前に置きます。不定詞の意味上の主語がある場合は<不定詞の意味上の主語+否定語+不定詞>の順番になります。  →[用例研究]參照

that が何を指すかがわかりにくいのですが、前半の言明に續いて、(「だから誰もが努力しなくてはならない」)と補ひ、後半の「グリットのはたらき」につなげると良いでせう。

 

【解き方のヒント】

  讀解できない文を、自分で書くことは難しいでせう。この問題を解くには文の構造や語法についての基礎知識が必要です。必要な知識や例文を擧げてみますと、

1. <形容詞+enough to-不定詞>のかたち

    The problem is easy enough for me to solve. (その問題は私が解けるほど易しい)

2. 不定詞の否定のかたち  →【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】參照

3. 關係代名詞 what

    He’s ill. At any rate, that’s what his wife told me. (彼は病氣だ。とにかく彼の奧さんがさう言つたのだ)

  be動詞に續くかたちは2012530に紹介した “One Boy” の歌詞にもありました。

    One day you’ll find out this is what life is all about.  (ある日あなたは氣づくでせう、人生はかういふものなんだつてことに)

4. allow の語法(直前の6.3、直後の8.1にも同じかたちで出てきます)

  ①には talented が、④には work が入りさうだと見當がつきます。逆に入りさうにない語の見當もつくかもしれません。これらは多少のヒントにはなるでせうが、それだけで正答に到るのは難しいでせう。

  この部分の意味内容の豫想まではなかなか難しいと思ひますが、趣旨に明らかに矛楯する文を作つては正答になりませんから、おほよそでも文の趣旨や流れを把握しておく必要はあります。

 

[語句]

7.2

 

allowto-不定詞(…)

~が…させてくれる/~が…するのを許す

 

 

[用例研究]  not + to-不定詞

 

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  Did you get what you wanted for Christmas, Mr. Bumstead?

  ・what は先行詞を含む關係代名詞です。4 コマめも同樣です。

  「クリスマスに欲しかつたものをもらつたの、Bumstead さん」

 

1  I sure did, Elmo. 

  ・sure は副詞で、強意語として使はれてゐます。3 コマめも同樣です。

  「ああ、(確かに)もらつたよ、Elmo

 

2  My whole family promised not to disturb me while I nap.

  ・not が不定詞を修飾し「~しないやうに約束した」ことになります。

  「家族みんなが、晝寢中は邪魔をしないと約束してくれたんだ」

 

3  That was sure nice of them.

  「それホントに親切だ(/思ひやりがあ)つたね」

 

4  But it’s not what I’m giving you.

  「でもぼくがあげようとしてゐるものはそれとはちがふよ」

 

【ユーモア】

・晝寢の邪魔をしないでほしくて咄嗟に口にしたせりふかもしれませんが、Elmo はプレゼントを用意してゐました。Bumstead の驚きと感激が目に見えるやうです。