英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

假定法の讀み方 (4) 「if・假定法過去」つづき

2011-05-25 | 英文法ミニ解説

【假定法の讀み方 (3)のつづき】

1.5  

[例文]  いくつか出現パターンを示します。

The weather is cold today, but if it weren't, I would go swimming.

けふは寒いが、寒くなければ泳ぎに行くのになあ。

I'd play football with you if I were younger.

もつと若ければ君たちとフットボールをするのだが。

If your feet were smaller, you could borrow my shoes.

あなたの足がもつと小さければ私の靴を借りることができるのに。

If he took his doctor's advice, he might soon be well again.

醫師の忠告に從ふなら、彼はほどなく囘復するであらうに。

The town has changed a lotyou wouldn't recognize it now.

 

その町は隨分變はりました-今では訪ねてもその町だとわからないでせう。

 

 

[用例]

(BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  I can’t make up my mind what to have.

   何を食べるか決められないよ。

2  What would you get if you were me?

   君が僕だつたら何を食べるだらう?

3  I don’t know…Let’s find out.

   わかりませんね…見つけませうや。

4  Some of your delicious chili, please, and a side order of fries.

  ここの美味しいチリ(メキシコ料理の一種)をください、それに揚げ物を添へてね。

 

【ユーモア】

  背景ですが、この lunch counter の主人は顧客相手に結構おしつけがましいメニュー選擇を迫ることがあります。面倒な料理を注文されるといやがつたり、切らしてゐるときには、とぼけて他の料理や飮み物をすすめたりもします。ここでは、ちやつかりと供したい料理を擧げ、併せて自分の料理の自慢・宣傳をしてゐるのでせう。わざわざ服を交換してゐるところもクスリと笑はせます。

 

 


假定法の讀み方 (3) 「if・假定法過去」

2011-05-25 | 英文法ミニ解説

假定法の讀み方 (3) 「if假定法過去」 

 

  if・假定法過去」型: ≪if 過去時制, would* 原形.≫

 

【諳誦例文】

S.1  If I had a lot of nerve, I would tell you the truth.

もし私に十分な勇氣があれば、あなたに眞實を話すのですが。

     ※勇氣がもてず眞實が語れない状況で述べてゐます

 

1.1  * would のほか could / might / should が使はれることがあります。

    could: = would be able to (できるのだが)

    might: = would perhaps / would possibly (かもしれないのだが)

    should: 主にイギリス英語で、主語が I ,we のとき、would と同意で。

 

1.2  このかたちで表はされる内容は以下のやうに説明されます。

  unreal situations – things that will probably not happen, situations that are untrue or imaginary, and similar ideas (現實でない状況、つまり起こりさうにないことや、眞實ではない状況或ひは想像上の状況、同樣の考へ)

 

1.3  なぜ過去時制を使ふのかについて、Michael Swan Practical English Usage には次のやうな説明があります。

  we use past tenses and would to ‘distance’ our language from reality. (ことばを現實から「遠くに離れてゐるやうに見せる」ために過去時制や would を用ゐます。)

  動詞の時制を過去形にすると、現在の事實から視線を過去に移すことになり、その結果、假定の氣持を表現できる、といふわけなんでせう。過去の事實からさらに遠ざけるために過去完了時制を使ふのが假定法過去完了といふことになります。このあたりの感覺は、日本人にはなかなかわかりづらいところがあります。

 

1.4  if 節で假定法過去のbe 動詞を使ふ際には、 were を使ふのが一般的だとされます。一人稱、三人稱單數の主語で was が使はれることもありますが、 formal な文體では were のはうが more correct とされるやうです。

 

 

 

【假定法の讀み方 (4)につづく】


假定法の讀み方 (2) 直説法と假定法

2011-05-25 | 英文法ミニ解説

  英語では、ある事柄を事實として述べるか(直説法 Indicative Mood)、命令として述べるか(命令法 Imperative Mood)、話者が心の中で考へた假定として述べるか(假定法 Subjunctive Mood)によつて動詞のかたちが變はります。

  ここでは接續詞 if を使ふ例文を概觀して、直説法と假定法のちがひについて確認したいと思ひます。例文は、下記の書物から引用したものです。

 

(a) If it is fine tomorrow, we’ll go fishing.

 

(b) If it should be fine tomorrow, we would ( will ) go fishing.

 

(c) If it were fine today, we would go fishing.

 

(d) If it had been fine yesterday, we would have gone fishing.

 

(堀口俊一・吉田劭, 英語表現文法, [聖文社, 1984], p. 287 から)

 

(a) は、假定法ではなく直説法の文です。天氣の見込みについては觸れてゐません。晴れれば行くでせうし、雨が降つたらやめるかもしれません。

 

(b) は、明日天氣がよくなる可能性が少ない状況で述べる文です。未來のことを述べるから、「假定法未來」と名づけられてゐますが、should が使はれるため假定法過去に分類する人もゐます。

 

(c) は、今日天氣がよくなくて釣りに行けない現實の状況で述べる文です。「晴れてゐれば行くのになあ」と殘念がつてゐるのでせう。「假定法過去」と名づけられてゐます。動詞、助動詞の過去形を使ふからですが、述べることがらは現在です。

 

(d) は、昨日天氣がよくなくて釣りに行けなかつたことを殘念に思ふ氣持で述べてゐます。過去完了時制を使ふため「假定法過去完了」と名づけられ、過去のことについて語るときに使はれます。

 

  さて、これから假定法が使はれるさまざまな文體を眺めてゆきます。文のかたちと表はす意味とで分類してゆきますが、それぞれのグループについて代表的な例文を暗記すると、わかりやすくなるのではないかと思ひます。