【愛知縣立大學 2007 第1パラグラフ つづき】
1.7 Unfortunately for MARIE, however, she has one trait that makes it hard for Japanese patients to accept her: she is a flesh-and-blood human being – a non-Japanese nurse.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
1.7 makes it hard のかたちは第五文型(SVOC)と同類です。SVOCでは、Oの説明であるCが後に置かれてゐます。いはばO=Cなんですが、動詞が make ですから、O=Cの状態に「する」のだとわかります。
it は形式目的語と呼ばれます。 とりあへず假に it と置いておいて、その内容はあとから述べます。ここでは for Japanese patients to accept her がその内容といふことになります。for Japanese patientsは、不定詞の意味上の主語となりますので、「日本人の患者が彼女を受け容れること」と解します。
1.7 unfortunately は文全體を修飾する副詞です。
1.7 flesh-and-blood ハイフンで3語をつないで形容詞的に用ゐてゐます。
1.7 non-Japanese は「日本人ではない」の意味(ここでは形容詞のはたらき)。日本に來て仕事をし、日本語もある程度使へるといつた事情に鑑み、foreign を避けたのでせう。
[意味]
1.7 しかしながら、MARIE にとつて不運なことに、彼女は日本の患者が受け容れがたい一つの特質をもつてゐる:つまり彼女は血の通つた人間-外國人看護師なのである。
1.8 If only she were a robot instead.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
1.8 If only と were に着目します。假定法過去の型のひとつであり、<I wish 假定法過去>と同樣に「現實とは異る事態を願望する」文體です。<If only 假定法過去>は「~でありさへすればいいのに」といつたつよい表現で、しばしば!(exclamation mark)を伴つて使はれます。<I wish 假定法過去>よりやや強い表現といへませう。
[意味]
1.8 ( non-Japaneseではなく)代はりにロボットでありさへすれば。