DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

ナバレッテ、2階級制覇達成(WBOフェザー級戦)

2020年10月21日 08時50分59秒 | 世界ボクシング

今月9日、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
WBOフェザー級王座決定級戦:
エマヌエル ナバレッテ(メキシコ)判定3対0(115-111、114-112x2)ルーベン ビラ(米)

*2月の防衛戦を最後に、それまで保持してたスーパーバンタム級の王座を返上し、フェザー級に進出してきたナバレッテ。同級転向2戦目で、世界戦出場の機会を得ました。

初回、4回とダウンを奪ったメキシカン。順当な立ち上がりを見せましたが、ビラの中盤戦以降必死に抵抗。結局は最終回にポイントを奪ったナバレッテが逃げ切る形に。判定は競ったものとなりましたが、ナバレッテが明白な勝利を収め世界王座の2階級制覇に成功しています。

6月にフェザー級転向第1戦を行っているナバレッテですが、その戦いはコロナウィルスの影響下のメキシコシティで行われており、ナバレッテがTKO勝利を収めたにも関わらず、現在の所は無効試合という結果が出されています。

 

戦う王者ナバレッテが殴り込んできたフェザー級戦線の、2020年10月21日現在の王者たちの顔ぶれをまとめてみました。

WBA:徐 燦(シュ チャン/中国/防衛回数2)
WBC:ゲリー ラッセル(米/5)
IBF:ジョシュ ワーリントン(英/3)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):清水 聡(大橋/5)
WBOアジア太平洋:森 武蔵(薬師寺/3)
日本:佐川 遼 (三迫/2)


3度目の正直!クラスニキが王座奪取に成功(WBAライトヘビー級:暫定王座)

2020年10月20日 00時02分32秒 | 世界ボクシング

今月10日、ドイツで行われた試合結果です。
WBAライトヘビー級戦(暫定王座):
挑戦者ロビン クラスニキ KO3回2分25秒 王者ドミニク ボーセル(共に独)

*今回が4年ぶり、3度目の世界挑戦となったクラスニキ。KO率が33.3パーセントと、この階級ではかなり低いものとなりますが、この試合に関していえば、見事な右のワンパンチでライバルをKO。プロデビューから15年、57戦目にして暫定ながらも世界王座奪取に成功しました。

世界戦としては、この試合が2020年初のライトヘビー級戦となりました。

 

クラスニキが世界の一角に食い込んだライトヘビー級戦線。2020年10月20日現在の、同級の世界王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):ドミトリー ビボル(キルギスタン/防衛回数8)
WBA(レギュラー):ジャン パスカル(カナダ/1)
WBA(暫定):ロビン クラスニキ(独/0)
WBC:アルツロ ベテルビエフ(露/0)
IBF:アルツロ ベテルビエフ(露/3)
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):レーガン デサイクス(豪/0)
WBOアジア太平洋:ガサン ガサノフ(露/0)


ロマチェンコ、敗れる‼(ライト級王座統一戦)

2020年10月19日 00時03分10秒 | 世界ボクシング

現地時間の約半日前(17日・土曜日)、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
3団体ライト級王座統一戦:
IBF王者テオフィモ ロペス(米)判定3対0(119-109、117-111、116-112)WBAスーパー/WBO王者ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)

*この試合後のロペスの戦績は16戦全勝(12KO)。戦績の示す通り素晴らしい選手ではあるのですが、まさかロマチェンコを食ってしまうとは。

スコアカードを見てみると、3人のジャッジが揃って最初の7ラウンドをすべてロペスの有利を支持していました。ロマチェンコがロペスの強打を警戒し過ぎていたのか、それとも最近言われ始めていた急激な衰えのためか。そればかりは何とも言えません。試合が終わったばかりのため、現段階では何も言えませんが、この結果にはただただ驚くしかありません。

 

*追記となります。この試合を11月3日にようやく見る機会がありました。私(Corleone)の採点は115対113でロペス。いくらなんでも119対109、117対111でロペスというのはないでしょう。私には最初の6回と、最終回がロペス有利で、7回から11回はロマチェンコが有利と見えました。

最初の6ラウンド、ロマチェンコは一体、何で手を出さなかったのでしょうかね?フットワーク自体は普段通りスムーズでしたが。前半戦に相手の様子を見過ぎたため、ポイントはもとより、相手にペースを与えすぎてしまいました。決してロペスの勝利を非難するつもりはありませんが、ロマチェンコが敗れるレベルの選手ではないですよ、このロペスは。


「この階級、この選手」のおさらい(フェザー級編)

2020年10月18日 00時01分42秒 | ボクシングネタ、その他雑談

「1990年代初頭からこれまでの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を各階級3人ずつ挙げていっています。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。個人的に思い入れのある選手、または印象に残った選手が中心となります。」

上記の見出しで始まった「この階級、この選手」。2014年7月24日から今年の5月25日まで、全17階級の自分の記憶に残った選手たちを掲載してきました。フェザー級で選出した3名の選手は、メキシコ国内で非常に評価が高かった元WBC王者グレゴリオ バルガス(メキシコ/2016年2月28日付け)、バルガスを破り世界王座を獲得したケビン ケリー(米/2016年3月11日)。そしてあのマニー パッキャオ(比)と4度戦い、一度は完全にKO勝利を収めたファン マヌエル マルケス(メキシコ/2016年3月21日付け)となりました。

1990年代以降、越本 隆志(Fukuoka)や、粟生 隆寛(帝拳)、そして長谷川 穂積(真正)など日本からも素晴らしい世界王者たちが誕生しました。しかしどの選手も短命に終わってしまい、同級史はおろか、印象に残るかというとかなり疑問符が付いてしまいますね。

2020年10月の段階で落ち着いて振り返って見ると、この30年間、フェザー級には印象の残る好選手が次々に誕生しました。自分(Corleone)がボクシングに興味を持ち始めたとき、すでにWBA王者に君臨していた朴 永均(韓国)。そのタフネスと手数で8連続防衛に成功すると共に、日本人挑戦者の前に立ちはだかりました。朴同様に、日本人選手の前に立ちはだかり、上記のマルケスにも判定勝利を収めた技巧派クリス ジョン(インドネシア)。WBA王座を何と18度も守っています。

  

(日本人選手の壁となった朴とジョン)  

 

朴、ジョンは安定したボクシングを展開し、長期政権を築きました。しかしプロキャリアが20年以上に渡ったマヌエル メディナ(メキシコ)に至っては、84戦の戦績の内、敗れた数は16度。しかし5度も同級の世界のベルトを獲得することに成功しています。一時期、ジョー小泉氏のマネージメントを受けたいたルイシト エスピノサ(比)は同級ではWBC王座を獲得。ツボにはまった時の強さは想像を絶するものがありました。

(同級ではWBC王座を獲得したルイシト(左)。メディナ(右)からWBC王座を奪取)

 

しかし何といっても奇想天外なボクシングを展開したナジーム ハメド(英)は、実力的にもフェザー級史に残る名選手でした。バルガス、ケリー、マルケスも悪くなかったんですが、今振り返って見ると、強くて、しかも印象に残った選手はたくさんいるものですね、このフェザー級には。僅か30年ですが、こうして見てみると、フェザー級は本当に層の厚いクラスなんですね。

(1990年代の後半、フェザー級のみならず、世界ボクシングの中心だったハメド)

 

そういえば、ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)はプロ僅か3戦目で世界フェザー級王座を獲得しています。これからも実力選手たちを量産し続けるんでしょうね、このフェザー級は。


今週末の試合予定

2020年10月17日 18時48分58秒 | 世界ボクシング

2020年10月第三週末の主な試合予定です。

17日 土曜日
米国・ネバダ州
3団体ライト級王座統一戦:
WBAスーパー/WBO王者ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)対 IBF王者テオフィモ ロペス(米)

18日 日曜日
岡山県浅口市天草公園体育館
日本フライ級戦:
王者ユーリ 阿久井 政悟(倉敷守安)対 挑戦者藤北 誠也(三迫)

23日 金曜日
メキシコ
WBAスーパーフライ級戦(スーパー王座):
王者ローマン ゴンザレス(ニカラグア/帝拳)対 挑戦者イスラエル ゴンザレス(メキシコ)

WBCスーパーフライ級戦:
王者ファン フランシスコ エストラーダ 対 挑戦者カルロス クアドラス(共にメキシコ)

WBCフライ級戦:
王者フリオ セサール マルティネス 対 挑戦者マクシミノ フローレス(共にメキシコ)


密着、ライト級戦線!(色々:10‐16‐20)

2020年10月16日 00時02分58秒 | 世界ボクシング

最近(2020年10月16日ごろ)のニュースです。

今週末から年末までの間に、ライト級でいくつもの好試合が予定されています。それらの戦いを時系列で追っていきましょう。

1)まずは今週末17日、米国ネバダ州ラスベガスでライト級頂上決戦が行われます。ここで対戦するのは、WBAスーパー王座とWBOの2つのベルトを保持しているワシル ロマチェンコ(ウクライナ)と、IBFタイトル・ホルダーのテオフィモ ロペス(米)。試合前の掛け率では、4対1でウクライナ人がリードしています。

2)2週間後の31日には、WBAレギュラー王者ジェルボンテ デービス(米)が、WBAスーパーフェザー級スーパー王者レオ サンタ クルス(メキシコ)とお互いの王座を賭け対戦します。この試合は米国テキサス州で開催されます。

3)続いて11月7日には、自身の怪我で戦線を離れていたWBC王者デビン ハニー(米)が米国カリフォルニア州のリングに登場。元3階級制覇王ユリオルキス ガンボア(キューバ)の挑戦を受けます。

4)師走の5日には、WBCライト級暫定王座決定戦が米国内で行われます。その試合に出場するのは、ルーク キャンベル(英)とライアン ガルシア(米)。

5)世界戦ではありませんが、今月31日にIBF挑戦者決定戦が英国で行われます。その試合に出場するのはリー セルビー(英)とジョージ カンボソス(豪)。セルビーはWBOの1位にもランキングされています。

6)そしてそれらの世界戦、世界王座挑戦者決定戦前のライト級王者たちの顔ぶれを見ておきましょう。(2020年10月16日付け)

WBA(スーパー):ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/防衛回数3)
WBA(レギュラー):ジェルボンテ デービス(米/0)
WBA(暫定):ローランド ロメロ(米/0)
WBC:デビン ハニー(米/1)
IBF:テオフィモ ロペス(米/0)
WBO:ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/2)
OPBF(東洋太平洋):吉野 修一郎(三迫/1)
WBOアジア太平洋:吉野 修一郎(三迫/1)
日本:吉野 修一郎(三迫/6)

*年末の段階で、どれだけの顔ぶれが生き残り、また変わっているのでしょうか!?


勅使河原、圧勝防衛(OPBFスーパーバンタム級)

2020年10月15日 03時21分42秒 | 世界ボクシング

今月8日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
OPBF(東洋太平洋)スーパーバンタム級戦:
王者勅使河原 弘晶(三迫)対 挑戦者河村 真吾(ミツキ)

*今年に入り輪島スポーツジムから大手の三迫ジムに移籍した勅使河原。新天地で心機一転、世界初挑戦に向け盤石なスタートを切りました。

コロナウィルスの影響で10ヵ月ぶりの防衛戦/実戦となってしまった勅使河原。ここ5戦で2敗(2KO負け)3引き分けの勝って当然の河村に何もさせずに中盤ストップ勝利。防衛記録を4に伸ばすと共に、連続KO/TKO記録を6に伸ばしています。

一戦ごとに強さと安定感を増している勅使河原。先日WBC王座に就いたルイス ネリ(メキシコ)への挑戦を熱望しています。ただその前に、OPBF王者ながら日本人選手のみとの防衛戦が続いているだけに、可能なら国外の強豪とのサバイバル戦を行って貰いたいですね。

 

一昨日もお届けしましたが、スーパーバンタム級の王者たちの顔ぶれを見てみましょう(2020年10月15日付け)。

WBA(スーパー):ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/防衛回数0)
WBA(レギュラー):ブランドン フィゲロア(米/3)
WBC(休養):レイ バルガス(メキシコ/5)
WBC:ルイス ネリ(メキシコ/0)
IBF:ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/0)
IBF(暫定):岩佐 亮佑(セレス/0)
WBO:アンジェロ レオ(米/0)
OPBF(東洋太平洋):勅使河原 弘晶(三迫/4)
WBOアジア太平洋:ジュンリエル ラモナル(比/0)
日本:久我 勇作(ワタナベ/1)


後楽園ホールで番狂わせ‼(色々:10‐14‐20)

2020年10月14日 09時35分41秒 | 世界ボクシング

最近(2020年10月14日ごろ)のニュースです。

1)今年1月に、自身2度目のOPBF(東洋太平洋)ミドル級王座から陥落していた細川チャーリー忍(金子)。先日9日に後楽園ホールで、プロデビュー僅か4戦目の中島 玲(寝屋川石田)と8回戦で対戦。予想外の0対3(75-77x2、74-78)の判定負けを喫してしまい、再起に失敗。思わぬ2連敗を喫してしまいました。

2)8月末に、元IBFクルーザー級王者ヨアン パブロ エルナンデス(キューバ)を相手に予想外のKO勝利を収めた元世界ヘビー級王座挑戦者のケビン ジョンソン(米)。今月末31日にロシアのリングで元IBF/WBAクルーザー級王者ムラト ガシエフ(露)と対戦。現在空位のWBAヘビー級インターナショナル王座を争います。

3)同日、WBAスーパーライト級レギュラー王者のマリオ バリオス(米)がライアン カール(米)を相手に、昨年9月に獲得した王座の初防衛戦を行います。

4)本来なら4月に行われる予定だった英国期待のヘビー級同士の対戦、ダニエル デュボアとジョー ジョイス。来月28日に対戦することが正式に発表されています。この試合には英国、英連邦、そして欧州の3つのベルトが争われることになります。

5)同日、米国・コネチカット州のリングにクリス コルバート(米)が登場。ハイメ アルボレダ(パナマ)を相手に、今年1月に獲得しているWBAスーパーフェザー級暫定王座の初防衛戦を行います。

6)注目のWBCライト級暫定王座決定戦、ライアン ガルシア(米)対ルーク キャンベル(英)戦が12月5日、米国・カリフォルニア州で行われることが発表されています。


ネリ、2階級制覇達成(WBCスーパーバンタム級ほか)

2020年10月13日 10時18分32秒 | 世界ボクシング

先月26日、米国・コネチカット州で行われた試合結果です。
WBCスーパーバンタム級王座決定戦:
ルイス ネリ 判定3対0(118-110、116-112、115-113)アーロン アラメダ(共にメキシコ)

*体重超過、ドーピング検査に引っかかるなど、プロボクサーとしては失格の振る舞いを続けてきたネリ。しかし不思議なことに、ネリの母国に本拠地を置くWBCには恩恵を受けているようです。

正規王者であるレイ バルガス(メキシコ)が、自身の負傷のために長期戦線離脱。そのために行われて今回の王座決定戦。ネリが同胞のアラメダに明白な判定勝利を収め王座獲得に成功。同時に2階級制覇達成を果たしています。

WBCスーパーバンタム級挑戦者決定戦:
ダニエル ローマン(米)判定3対0(116-112x3)ファン カルロス パヤノ(ドミニカ)

*ネリへの挑戦権を賭けて行われた一戦。今年1月にWBAとIBFの統一王座から陥落しているローマンが、元バンタム級王者パヤノに辛勝。王座返り咲きへのチャンスを手に入れています。

 

ネリ、ローマン、バルガスと日本でもお馴染みの世界王者たちが顔を並べている現在のスーパーバンタム級戦線。IBFには暫定ながらも岩佐が王者として君臨中です。そのスーパーバンタム級の2020年10月13日現在の王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/防衛回数0)
WBA(レギュラー):ブランドン フィゲロア(米/3)
WBC(休養):レイ バルガス(メキシコ/5)
WBC:ルイス ネリ(メキシコ/0)
IBF:ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/0)
IBF(暫定):岩佐 亮佑(セレス/0)
WBO:アンジェロ レオ(米/0)
OPBF(東洋太平洋):勅使河原 弘晶(三迫/3)
WBOアジア太平洋:ジュンリエル ラモナル(比/0)
日本:久我 勇作(ワタナベ/1)


松永、指名挑戦者を退ける(日本スーパーウェルター級)

2020年10月12日 16時20分12秒 | 日本ボクシング

今月3日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本スーパーウェルター級戦:
王者松永 宏信(横浜光)TKO7回2分40秒 挑戦者清水 優人(木更津グリーンベイ)

*本来ならチャンピオンカーニバルの一環として3月に行われる予定だったこの試合。しかしコロナウィルスの影響で、この日まで延期なっていました。

白熱した試合展開も、馬力で上回る松永が徐々にペースを把握。最後は王者がパンチをまとめ、レフィリーが清水を救う形で試合終了。松永が2度目の防衛に成功すると共に、6連続KO/TKO勝利を収める事に成功しています。

 

2020年10月12日現在のスーパーウェルター級王者たちを見てみましょう。

WBA(スーパー):ジャーメル チャーロ(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エリスランディー ララ(キューバ/1)
WBC:ジャーメル チャーロ(米/1)
IBF:ジャーメル チャーロ(米/0)
WBO:パトリック テシェイラ(ブラジル/0)
OPBF(東洋太平洋):渡部 あきのり(角海老宝石/1)
WBOアジア太平洋:井上 岳志(ワールドスポーツ/1)
日本:松永 宏信(横浜光/2)

*やはりこの階級になると、世界と日本の実力差が顕著になりますね。