DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

「俺はまだ現役」

2011年04月20日 04時21分39秒 | 強いぞジョーさん
WBCバンタム級王座に輝くこと3度。1990年代の日本ボクシング界を牽引した辰吉丈一郎に対し、先日神戸で行われたWBC3大世界戦の際にWBCから殿堂入りの打診があったそうです。

しかし辰吉は「4本目のWBCの緑のベルトを獲得するまで現役」とし、今回の殿堂入りは断ったそうです。

来月41歳を迎える浪速のジョー。どんような道を歩もうが、ファンであることには変わりはありません。事故だけには気をつけてくださいね。

3大世界戦の時の写真をいくつか見ました。年齢を重ねた表情でしたが、いまだに現役選手の顔をしていました。

ステイグリッツ、反則勝ちでV4

2011年04月19日 04時10分26秒 | 世界ボクシング
今月9日 ドイツで行われた試合結果です。
WBOスーパーミドル級戦:
王者ロベルト ステイグリッツ 反則10回2分45秒 挑戦者コーレン ゲボア(共に独)

*本来ならこの日、WBA王者ディミトリ サルティソン(カザフスタン)との王座統一戦に臨む予定だったステイグリッツ。サルティソンの負傷のため、昨年7月にそのサルティソンに中差判定負けを喫しているゲボアと対戦。反則勝利を収め、保持する王座の4連続防衛に成功しています。

試合は王者のペースで進んでいました。基本に忠実なオーソドックス・スタイルからコツコツとポイントを重ねていき、変則的な挑戦者のボクシングに惑わされる事もありませんでした。目立った武器を持たないステイグリッツですが、バランスの良さ、精神面での落ち着きが4連続防衛の源ではないでしょうか。

右(王者)対 左(ゲボア)の対戦の場合、故意でなくても頭が当たってしまうのは自然な流れ。中盤以降それが我慢できなくなった挑戦者は、自らの行為で反則負けを宣告されています。

9回、王者を投げ飛ばした挑戦者は、倒れている王者に一発見舞うという不始末。続く10回。王者の後ろに回りこんでパンチを放ったために減点1を科された挑戦者。そして最後は再開後、レスリング行為で王者を投げ飛ばし王者が負傷(右目上)。ドクターチェックの間に挑戦者の反則負けが決定しました。

反則負けに大いに不満のゲボア。レフリーに殴りかかるというやってはならない愚行を犯しています。この行為に対し、後日謝罪を表明し、6ヶ月の試合出場停止を言い渡された挑戦者。6ヶ月では甘すぎます。

周りがどれだけ騒ごうと常に冷静さを失わなかった王者ステイグリッツ。意外に防衛記録を伸ばしていくかもしれません。

激戦、マイダナ対モラレス

2011年04月18日 04時08分01秒 | 世界ボクシング
先週末9日土曜日、米国ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
WBAスーパーライト級暫定王座決定戦:
マルコス マイダナ(亜)判定2対0(116-112x2、114-114)エリック モラレス(メキシコ)

*引き分けはあってもマイダナの敗北はない、というのが試合後の私(Corleone)の率直な感想です。私の採点は115対113でマイダナ。

とにかく凄い一戦でした。何といってもモラレスには驚かされました。試合全般を通じ、マイダナに押される場面が多々ありました。しかしその中でもしっかりと打ち返し、同階級でもトップレベルの突進力を誇るマイダナを後退させるのですから。しかも中盤以降、打ち勝っていたのはマイダナではなくスーパーバンタム級上がりのモラレスです。色々な記事で「敗者モラレスが株を上げた試合」と目にしました。まさにその通りのエル・テリブレでした。

この試合では、どうしてもモラレスに注目がいってしまいました。スーパーライト級でも十分通じるタフネスもそうですが、スーパーバンタム級時代とまったく同じボクシングを上の階級で行っている事も凄まじいと思いました。

有効だったパンチがモラレスの左ジャブ。その威力と的確さはこの階級でも十分に通じていました。逆に有効でなかったパンチ。それはマイダナの変則的な右ロングです。アミア カーン(英)ですら苦しんだこのパンチ。なぜだかモラレスはスイスイとかわしていました。不思議なものです。

両雄による再戦もありそうですが、モラレスには頑張って一つ下のライト級での王座獲得を目指してもらいたいです。


WBA+WBOライト級暫定王座決定戦:
ロバート ゲレロ(米)判定3対0(118-106、118-107、117-108)マイケル カツディス(豪)

*昨年11月に行われたファン マヌエル マルケス(メキシコ)対カツディス戦。その試合にはマルケスの保持するWBAのスーパー王座の防衛戦と、両雄のWBO王座統一戦という名目でした。ここにきてついにWBOもWBAの愚行を追行する形になりました。実力者同士の注目カードに変わりはないのですが、せめてマルケスへの挑戦者決定戦に止めるべき、だったのではないでしょうか。

試合自体は「マイダナ対モラレス」戦同様、白熱したものになりました。実力者同士の対決。しかし判定も試合内容も予想外のワンサイドマッチとなっています。

私の採点は118対107でゲレロ。ゲレロの大差判定勝利は文句のないところでしょう。ただこの試合、カツディスにとりかなり不公平なレフリングが見られました。

まずは2回、カツディスが連打でゲレロのグローブをフロアにつけさせています。もちろんこれは明らかなダウン。しかしレフリーはダウンにとりませんでした。本来なら10対8でカツディスに与えられたラウンドでした。しかしこの回、ゲレロが10対9でとっています。

8回に低打のために2度の減点(それぞれマイナス1)を科されたカツディス。それまで低打による注意もなく、減点を受けたパンチもベルトラインギリギリのところへのパンチでした。この採点はかなり厳しいように思いました。2点を失った事以上に、ボディー攻撃でゲレロを追い込みつつあっただけに、試合を中断されたのはカツディスにとりもっと痛かったでしょう。

ちなみにゲレロも9回、低打のために減点1を科されています。

この試合でのカツディス、昨年11月のマルケス戦からのダメージが残っていたのではないでしょうか。普段よりエンジンがかかるの遅く、試合序盤にゲレロにペースを奪われた感がします。

決してゲレロの勝利を貶める訳ではないのですが、この試合は少々カツディスにとりハンディがあったように感じました。

色々(04‐17‐11)

2011年04月17日 07時41分59秒 | 世界ボクシング
最近(2011年4月17日ごろ)のニュースです。

1)ヘビー級第4の男トーマス アダメク(ポーランド)が今月9日、主戦場にしている米国ニュージャージー州のリングに登場。あのマイク タイソン(米)に引導を渡したケビン マクブライド(アイルランド)を大差の判定(3対0:120-107、119-108x2)で破り、保持するIBFインターナショナル、NABOヘビー級王座の防衛に成功しています。

2)アダメクのヘビー級挑戦試合、対WBC王者ビタリ クリチコ(ウクライナ)戦が9月10日、ポーランドで行われることが内定しています。

3)先月19日、2度目の世界挑戦を目論むデビット ツア(ニュージーランド)が地元のリングに登場しています。ツアは格下のデメトリス キング(米)に大差の判定(3対0:100-90、100-91x2)を収め、約1年ぶりの白星を飾っています。

4)IBOクルーザー級王者ダニー グリーン(豪)がアントニオ ターバー(米)の挑戦を受けるという注目の試合が決定しています。この試合は7月20日、豪州のシドニーで行われます。

5)今月1日、元WBAフライ級王者、WBOバンタム級暫定王者エリック モーレル(プエルトリコ)が米国カリフォルニア州のリングに登場。3度の世界挑戦経験を持つルイス マルドナド(メキシコ)を4回TKOで退け勝利を収めています。

6)昨年師走、当時のWBAフライ級王者亀田 大毅(亀田)を大いに苦しめたシルビオ オルティーヌ(ルーマニア)。今月2日にメキシコのリングでそのしぶとさを見せています。WBCフライ級シルバー王座を保持するウィルベルト ウィカブ(メキシコ)に挑戦したオルティーヌ。今回は0対2の判定負けを喫しています。

7)IBFスーパーフェザー級王者ムゾンケ ファナ(南ア)が6月11日、昨年返り咲いた王座の初防衛戦に臨みます。今回ファナが迎えるのはドミニカ人アルヘニス メンデスになります。

今週末の試合予定

2011年04月16日 00時34分00秒 | 世界ボクシング
2011年4月第3週末の試合予定です。

16日 土曜日
英国
WBAスーパーライト級戦:
王者アミア カーン 対 挑戦者ポール マクロスキー(共に英)

プエルトリコ
WBOフェザー級戦:
王者ファン マヌエル ロペス(プエルトリコ)対 挑戦者オーランド ソリド(メキシコ)

米国コネチカット州
WBCウェルター級戦:
王者アンドレ バート 対 挑戦者ビクトル オルティス(共に米)


17日 日曜日
WBAフェザー級戦:
王者クリス ジョン 対 挑戦者ダウド ヨルダン(共にインドネシア)


20日 水曜日
後楽園ホール
OPBF(東洋太平洋)スーパーライト級戦:
王者佐々木 基樹(帝拳)対 挑戦者金 判洙(韓国)

レミュー、敗れる

2011年04月15日 04時22分48秒 | 世界ボクシング
先週8日金曜日、カナダで行われた試合結果です。
WBCミドル級挑戦者決定戦:
マルコ アントニオ ルビオ(メキシコ)TKO7回2分36秒 デビット レミュー(カナダ)

*この試合前までの戦績が25戦全勝。KO勝利できなかったのは僅か一試合だった期待の星レミュー。世界初挑戦を前に、思わぬ初黒星を喫してしまいました。

まずは両者の体格。データではレミューが179センチとルビオを1センチ上回っています。しかしリング上ではルビオの方が全体的に一回り大きく見えました。

体格で劣っているとはいえ、試合終了時までのレミューは決して悪くはありませんでした。持ち前の爆発力を随時見せ、キビキビした動きも衰えることはありませんでした。これまでのほとんどの試合が序盤戦で終わっています。しかしこの選手にスタミナ難はないでしょう。

ディフェンスに対する意識も高く、ガードはいつも固め。常に上体を振り、膝も柔軟に動かしていました。ちょうどグレグ リチャードソン(米)戦の辰吉 丈一郎(元WBCバンタム級王者)にディフェンス力が加わった感じのボクシングです。

ただ欠点は、すべてのパンチを強振するため、パンチを貰ったときに大きなダメージを負うということ。この試合で被弾は余りありませんでしたが、パンチを貰った時はアルッロ ガッティー(元IBFスーパーフェザー、WBCスーパーライト級王者)状態でした。そして元々、あまり打たれ強い選手ではないと思います。

6回終了時までの採点は、大差の3対0(59-55x3)でレミュー。私(Corleone)は58対56でレミューを支持しています。

7回にダウンを奪われ、その後、後手に回っている時にレミューのセコンドがストップを要請。そこで試合が終わっています。6回終了時のインターバルで顎が腫れていたため、その点も考慮されてのストップだったのでしょう。

レミューにとり実力的には十分勝てる試合だったこの試合。悔しいでしょう。今後の巻き返しに期待しています。

敵地で番狂わせを演じたベテラン ルビオ。セバスチャン ズビック(独)対 フリオ セサール チャべス(メキシコ)戦の勝者への挑戦権を獲得しています。

渡部、清田

2011年04月14日 04時18分52秒 | 日本ボクシング
先日11日月曜日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
OPBF(東洋太平洋)+日本ウェルター級戦:
挑戦者渡部 あきのり(協栄)KO2回1分22秒 王者井上 庸(ヤマグチ土浦)

*2007年師走以来の王座挑戦となった渡部。5分弱の間に井上から5度のダウンを奪う圧勝。プロ26戦目での初戴冠。同時に2つのベルトを手に入れています。

注目を浴びるのが早かった渡部ですがまだ25歳です。今後防衛記録を伸ばしながら上を目指すと思います。すり足気味のフットワーク、ガードをあげる癖、一つ一つのパンチをしっかりと当てるなどなど改善点はたくさんあります。それらを克服していけば世界的にも面白い存在になるのではないでしょうか。


スーパーミドル級10回戦:
王者清田 祐三(フラッシュ赤羽)TKO5回1分47秒 ヤシール シアジアン(インドネシア)

*当初保持するOPBF王座の防衛戦を予定していた清田。挑戦者が被災地の日本行きを拒否したため、急遽無冠戦を行っています。無冠戦への変更の後遺症か、調子がいまいちだった清田ですが、最後はしっかりとTKO勝利。自身にとり約13ヶ月ぶりの勝利を収めています。

佐藤、瀬藤

2011年04月14日 01時24分16秒 | 日本ボクシング
先週末9日土曜日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本スーパーフライ級戦:
王者佐藤 洋太(協栄)判定3対0(97-93x2、96-93)挑戦者河野 公平(ワタナベ)

*試合毎に評価を上げている佐藤。今回の挑戦者はこれまでに2度の世界挑戦、2度のOPBF(東洋太平洋)王座、そして1度の日本王座獲得をしてきた実力者河野。その河野を相手に明白な判定勝利を収め、3連続防衛に成功するとともに、世界挑戦に向け大きく前進しています。


日本スーパーバンタム級暫定王座決定戦:
瀬藤 幹人(協栄)判定3対0(97-93、96-94、96-95)玉越 強平(千里馬神戸)

*日本スーパーバンタム級のベテラン対決を制したのは王座初挑戦の瀬藤。瀬藤にとりこの試合が何とプロ41戦目(31勝8敗2引き分け)になります。これまでに勝利の中には、現WBA王者下田 昭文(帝拳)を破った試合も含まれています。

瀬藤は、今回が3度目の王座挑戦となった玉越に競り勝ち、暫定ながらも念願の王座獲得を果たしています。

西岡、安定した勝利

2011年04月13日 03時49分17秒 | 日本ボクシング
先週8日金曜日、神戸ワールド記念ホールで行われた試合結果です。
WBCスーパーバンタム級戦:
王者西岡 利晃(帝拳)KO9回3分7秒 挑戦者マウリシオ ムニョス(アルゼンチン)

*粟生、長谷川と同じリングに登場した西岡。南米からの刺客を安定したボクシングで退け、6連続防衛に成功すると共に、現在の日本ボクシング界の第一人者であることを強烈にアピールしています。

この試合、とにかく西岡の安定感が光りました。常に余裕を持ちながら、非常に丁寧なボクシングを披露。個人的に目を引いたのが西岡の防御技術です。右足を軸にしながら、固くていいガード、すり足気味のフットワーク、時折ダッキングを入れながら挑戦者の攻撃を翻弄し続けました。

マイナス点は少々ジャブが少なかった事。

8回終了時までの採点も、大差の3対0(78-75、78-74x2)で西岡を支持しています。振り分けが難しいラウンドもありましたが、私(Corleone)はフルマークで西岡を支持しています。

しかし挑戦者、対戦者にとり軌道を読むのが難しいパンチを振り前進を続けました。精神力と肉体的強さも見せています。西岡だからこそこうも見事に勝利を収めることが出来たのでしょう。

粟生同様、関東地区での防衛戦が厳しい現状の西岡。海外でどこまで防衛記録を伸ばしていけるのか。個人的には14連続防衛を目指して貰いたいです。

粟生、余裕の初防衛

2011年04月12日 04時23分48秒 | 日本ボクシング
先週8日金曜日、神戸ワールド記念ホールで行われた試合結果です。
WBCスーパーフェザー級戦:
王者粟生 隆寛(帝拳)KO4回1分6秒 挑戦者ウンベルト グチェレス(メキシコ)

*長谷川と同じリングに登場した粟生。昨年11月の試合に続き、終始余裕の試合運びを見せつけ勝利。見事な右ボディー・パンチで、元暫定王者を退け初防衛に成功しています。

前日軽量に苦しんだグチェレスですが、とにかく粟生のいい面が目立ちました。体格(リーチと身長)で劣る王者でしたが、スピード(パンチ、動き全般)で挑戦者を上回っていました。粟生にとりプロ24戦目で初めて対戦したサウスポーの選手でしたが、まったく苦にすることはありませんでした。

震災のため、関東地区での防衛戦が難しい現状の粟生。今後は海外でその雄姿、活躍が見られそうです。