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あの試合から30年(WBCライト級:1994年3月29日)

2024年03月29日 05時47分42秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年3月29日、フランスで行われた試合結果です。
WBCライト級戦:
王者ミゲル アンヘル ゴンザレス(メキシコ)TKO5回2分40秒 挑戦者ジャン バプティスト メンディ(仏)

*1992年8月に世界王座を獲得したゴンザレス。それ以前に、協栄ジムと短期契約を結び、5度日本で試合を行いました。「東京 三太」の愛称でリングに登場したハンサムなメキシカンは、アジア圏の中堅どころに全5試合でKO/TKO勝利を収め、「三太は将来世界王者間違いなし!」という太鼓判を推されていました。

日本、そして母国メキシコでは高い評価を得ていた三太は、その期待通りに世界王者となりました。しかし世界王座を獲得したウィルフレド ロチャ(コロンビア)戦では、ダウンを喫するなど、打たれ脆さを暴露。防衛回数を順当に伸ばしてはいましたが、それらの戦いでは苦戦とはいきませんが、スター選手には不似合いなパッとしない内容の試合を続けていました。

この試合の前年となる1993年11月に、宿敵ロチャを返り討ちにし、4度目の防衛に成功したゴンザレス。今回、キャリア31戦目にしてその雄姿をはじめて欧州で見せる事になりました。三太(ゴンザレスのことです)が拳を合わせる事になったメンディは、欧州同級タイトル保持者で、45勝4敗2引き分けという豊富なキャリアを持つ強豪。その実績から、今回が世界初挑戦というのが不思議なぐらいです。

(三太に挑戦したフランスの実力者メンディ)/ Photo: Wikipedia

実力拮抗者同士の一戦は、それに違わぬ試合展開となりました。先手を取ったのは、意外にも177センチとライト級では長身のサウスポー(左構え)メンディ。左右の連打をメキシカンの上下に打ち分け試合をリードしていきます。ゴンザレスも果敢に攻め返しますが、主導権争いではどうしても後れを取っている印象は拭えません。

回を追うごとに攻勢を強めるメンディ。被弾をもろともせず攻め続けます。三太(ゴンザレスの本名です)も必死に抵抗しますが、フランス人のパンチを貰うことも多く、ロープやコーナーを背にした苦しい戦いを強いられ続けます。

激しい攻防が続く中、試合は一気にフィナーレを迎えます。ゴンザレスの反撃が功を奏してか、コンビネーション・ブローを貰ったメンディはあえなくダウン。試合再開後、メキシカンの追撃を受けた挑戦者は、再びキャンバスに送られます。立ち上がり、試合継続の意向を示したメンディでしたが、メンディ陣営が試合の中止を要請。すでにベテランの域に入っていた世界初挑戦の挑戦者の夢は、約15分で潰えてしまいました。

王者のパンチによるダメージというより、飛ばしすぎのためガス欠に陥った感も強かった挑戦者。しかし理由はともあれ、三太が敵地で強豪を破り王座の防衛に成功した事実に変わりはありません。そしてゴンザレスは、この試合あたりから世界王者としての風格が増していくことになりました。


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