今から30年前の昨日となる1994年7月2日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBAジュニアフェザー級戦(現スーパーバンタム級):
王者ウィルフレド バスケス(プエルトリコ)TKO2回1分46秒 挑戦者崔 在元(韓国)
*この年の3月に、東京のリングで葛西 裕一(帝拳)の挑戦を一蹴しているバスケス。今回は指名挑戦者崔をボクシングの聖地ラスベガスに迎え、7度目の防衛戦に臨みました。
「機を見るに敏」というのは、まさにバスケスのような選手の事を言うのでしょう。普段は少々スローな動きで、敵の出方を伺っているバスケス。しかしパンチが当たりだすと、体全体の動きが俊敏になり、その強打を対戦相手にビシバシと当てていきます。葛西もこのボクシングに一蹴をつかれ、あっという間に3度のダウンを奪われ散ってしまいました。
葛西戦と同じように、緩やかながらも左右の強打でアジアの刺客に迫るバスケス。2回に、右一発で崔をキャンバスに送ってしまいました。カウント内に立ち上がった崔に容赦なく襲い掛かるバスケス。2度目のダウンを喫した崔は、カウント内に立ち上がるも足元が定まらず。レフィリーは試合継続を許さず、バスケスはあっという間に勝利を収めてしまいました。
(崔に襲い掛かるバスケス)/ Photo: El Nuevo Dia
崔は決して弱い選手ではなく、18戦全勝(8KO)という戦績を築いてWBAの指名挑戦者まで登り詰めました。また、後にバスケスを破り世界王者となるアントニオ セルメニョ(ベネズエラ)にも勝利を収めています。早い話がこの時期のバスケスが、脂の乗りが異常すぎるほどよかった、まさに絶頂期だったからでしょう。
(バスケスに一蹴されてしまった崔)/ Photo: Youtube
一時は「過去の選手」と思われていたバスケス。キャリアを積み重ねる事により、異常なまでに勝負強さを増し、安定王者として長期政権を築くまでに至っています。
この日のラスベガスは、屋外は何と43.3度を記録し、屋内でも38度近くと猛暑を超える暑さに見舞われました。気候変動が騒がれている今日この頃ですが、この時期は30年前も暑かったんですね。