DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

圧巻、ロマチェンコ!(WBOスーパーフェザー級)

2016年12月01日 00時06分21秒 | 世界ボクシング
先週末11月26日、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
WBOスーパーフェザー級戦:
王者ワシル ロマチェンコ(ウクライナ)TKO7回終了 挑戦者ニコライ ウォータース(ジャマイカ)

*元フェザー級王者同士の対戦。試合前の掛け率では王者が有利と出ていましたが、ウォータースの強打を考慮すると、かなりの接戦も予想ができました。しかしロマチェンコの能力の高さには、まったくもって脱帽させられました。

   
(右ジャブを中心とした攻撃でウォータースをコントロールするロマチェンコ)

ウォータースといえばWBAフェザー級時代に、その強打でノニト ドネア(比)とビック ダルチニアン(豪)の軽量級の実力者コンビを立て続けに粉砕した実力者として知られています。その実力者を子供扱いにしてしまうのですから、ロマチェンコの実力はそれほど抜きんでているということですね。

その技術に関して非常に高く評価されるロマチェンコですが、その技術はもちろんの事、スピードも抜きんでています。今回の防衛戦では、ウォータースはその持ち前の強打はもちろん、両者のスピード差(パンチのスピードと体全体のスピード)がありすぎるため、ほとんどパンチを放つことが出来ませんでした。ジャマイカ人がパンチを放てば、そこにウクライナ人がカウンターを叩き込む。火を見るよりも明らかな事です。


(時折反撃を試みるウォータースですが...)

技術、スピードに加え、体のバランスも卓越したものを持つロマチェンコ。放つパンチは常にコンビネーション。それに加えてパンチを放ったら必ず体の位置を動かします。この試合に関していえば、常にウォータースの左外側に体を持っていきました。それほど動きが忙しいにも関わらず、ロマチェンコがバランスを崩す場面はゼロ。それに対しこの試合の後半戦、ウォータースは体が流れてしまう事が何度もありました。

試合の解説者も、ロマチェンコを元4階級制覇王のパーネル ウィテカー(米)と比較するという正に名誉的な表現を使われていました。解説者たち(その一人はロイ ジョーンズ)曰く、「ロマチェンコはウィテカーより攻撃重視で忙しい選手。ウィテカーは極端な防御思考の高い選手だった。」との事。

また、両者ともフェザー級上がりの選手で、数字ではほぼ同じ身長です。しかし実際にリングに上がってみると、ロマチェンコ(168センチ)の方がウォータース(170センチ)より一回り大きく見えました。

実力者相手にほとんど何もさせなかったロマチェンコ。新年2017年には大きな舞台が用意されているようですが、さらなる飛躍が期待できそうです。しかしこの試合、見ていてウォータースが可哀想でした。これもロマチェンコの実力の証明ということなんでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする