キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

携帯世代と如何に付き合うか

2010年01月26日 | Weblog
先日「下流社会」の三浦展さんの新著「情報病」を興味深く読ませていただきましたが、この著書の若き共同執筆者が原田曜平さんでした。そのお名前を光文社新書「近頃の若者はなぜダメなのか」の著者にお見かけし早々に買い求め、試飲会の旅の間、これまた興味深く読ませていただきました。

最近、小幡積さんの著書を読ませていただき、私の年代より上の経済学者、例えば佐和隆光さんなどが、現状を分かりやすく書いていただいているのですが、資本主義の右上がりの経済発展の行き着く先は何処なんだろうとの疑問がどうも解けませんでした。小幡積さんの著書によって、実体経済で右上がりの条件が満たされなくなった時は、金融商品の中で右上がりを実現して行こうとするものであり、右上がりイコール資本主義経済でありますから、最終的には虚構の世界の中でもいいからそれを追い求めるものなんだと了解されました。

そしてこの原田曜平さんです。携帯世代と新村社会との副題が付いている、この「近頃の若者はなぜダメなのか」で携帯を中学生の頃から持っている世代が、その前の世代と劇的に異なる価値観と行動パターンを持っていることを明らかにしてくれました。30年前に山本七平の「空気の研究」が出ていますが、なぜ今またKYなのか、そこの辺りから論は進んで行くのですが、詳細は本書に当たっていただくとして、ワイン業者として気に掛かる、“若者がお酒を飲まないのはなぜか”についてです。収入が不安定で減ることもあり、将来の不安に対して消費を控えている。接待経費が減ったこと。粘着質な会社風土が消え会社帰りに飲む機会が減った。縦社会が弱まり、先輩や上司からの飲みの強勢が少なくなった。という側面に加え、携帯世代の若者が持つ巨大ネットワークの存在が大きく影響していると指摘されています。

そうです「近頃の若者はなぜダメなのか」は反語的な表現で、携帯世代が持っている巨大ネットワークは、そのマイナス部分を差し引いてももの凄いもので、今後の人間関係はこの新しい巨大化されたネットワークによって、大きく良い方向に変わる可能性も秘めているのです。元々携帯世代研究は博報堂に勤務する原田さんの、この世代へのマーケッティング研究ですから、面白くて興味深いだけじゃなく、このワインを飲まない買わない世代に如何にワインをプレゼンしてゆくかの力強い参考書にもなっているのです。再読再々読が必要です。

我がイナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 駅上空中酒場 | トップ | 沖縄の夜 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事