キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

トランプは切り札か

2017年01月17日 | Weblog
ここのところ田中角栄に関する本を読んでいたので、今朝出がけに本棚の横になって長い間置いてあった小室直樹の「田中角栄の遺言」を手に取り、埃をはたいて持って出た。

車中少し読んだが、昨夜はテレビで歌を聴きながら飲みすぎて、睡眠不足になり、大船を過ぎた辺りで白河夜船となった。
だが、前書きと最初の数ページで重要なことが書かれていて、多分15年位前に読んだことを思い出した。
民主主義で一番大切なことは、政治家が議論して国を動かしてゆくことで、官僚が国を動かしだしたら破綻する。
戦前の軍人が政治を行った帰結を見よ。
その意味で、議員立法26本に係り、官僚を使った田中角栄こそ有能な政治家である。
民主主義には金が掛かり、小市民の常識で金権政治と非難することは当らない。

民主主義の欠陥はポピュリズムにあり、それは多数決の問題とパラレルである。
先週も書いたが、エマニュエル・ドットは、トランプはポピュリズムではなく民主主義が機能した結果だと発言している。
日本のリベラルは、大卒で上場企業に勤め、年収800万から1,400万の人達に重なり、その層は庶民を代表する層ではなく、その下の層の人達の暮らしを良くする政策に反する既得権益を持った人達である。

トランプがプアホワイトの救済を考えるなら、そこの収入の人達に対する政策を行うことになり、そこに人種の差別が入り込む余地があるのだろうか。
メキシコからの移民に対しても不法滞在、就労に対するNOを言っているだけで、アメリカ国籍あるいはグリーンカードを取得したメキシコ人に対して敵対しているわけでは無いように感じるが、その層は救済されるのではないか。

具体的にアメリカに住んで実情を把握しているわけではないので、ハッキリとは断定できないが、批判はもう少し見守ってからにすべきだろう。
マスコミやジャーナリズムに対する敵対も、日本のマスコミを思い描いて考えるしかないのだが、日本ではマスメディアが権力になっていて、世論の誘導も行っている、そういった部分をポピュリズムというのではないか。


湘南は朝から日が出て、日が当っている所はぽかぽかしているが、陰に回るとひじょうに寒い。
昼、とても鮨を喰う気にならなかったが、先週、駒に行かなかったので行くことにした。
店に入ってしまえば、空調が入っていて、更に足元にファンヒーターがあってぽかぽかと暖かい。
しかも、お茶、味噌汁、茶碗蒸しと温かいものが3点もあるから、寒々とした食事にはならない。
チラシは、鮪、帆立、烏賊、赤貝、カスゴ、味噌汁は海老の頭の出汁であった。

芳林堂まであまり期待しないで行くが、新書に買うべきものがあった。
池澤夏樹「知の仕事術」 集英社インターナショナル新書 740円、伏木亨「だしの神秘」朝日新書 821円を購入する。

「知の仕事術」は、今更って感じもあるが、これだけ知が身に付かないと、気がつかない欠陥があるやも知れず、勉強の仕方を点検してみるつもりである。
小室直樹は研究生活で貧乏をしていた頃、本をほとんど持っておらず、本屋で速読をしたということである。
積読は読んだ気になってしまうから、本来は小室流読書法が金が掛からないし、一番身についていいんだよね。

「だしの神秘」は、必読書だけど、既にこの手の本は何冊か読んでいるのでそれほど新しいことは無いかもしれない。
しかし、日本というのは旨味を引き出す技術にかけては世界一なのかもしれないが、それは旨味を感じる高い能力があるってことだと思う。
味に関してはその内世界を席巻してしまうだろう。
 
コメント
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