作品紹介・あらすじ
2019年7月11日発売。大阪の下町に生まれ育ち、小説家を目指し上京した夏子。38歳になる彼女には、ひそやかな願いが芽生えつつあった。「自分の子どもに会いたい」――でも、相手もおらんのに、どうやって?
周囲のさまざまな人々が、夏子に心をうちあける。身体の変化へのとまどい、性別役割をめぐる違和感、世界への居場所のなさ、そして子どもをもつか、もたないか。悲喜こもごもの語りは、この世界へ生み、生まれることの意味を投げかける。
パートナーなしの出産を目指す夏子は、「精子提供」で生まれ、本当の父を探す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言う。 「どうしてこんな暴力的なことを、みんな笑顔でつづけることができるんだろう」 苦痛に満ちた切実な問いかけに、夏子の心は揺らぐ。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうか――。
芥川賞受賞作「乳と卵」の登場人物たちがあらたに織りなす物語は、生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と泣き笑いの極上の筆致で描き切る。
読書備忘録
当たり前だけれど、生まれ方、生まれ先は選べないのよね。
生まれる意味なんて、そんなこと考えて生まれてくるわけないし・・・
旦那はいらないけれど子供は欲しいって話は聞くことあるけれど、経済的なことを思うと、大丈夫?な人だっているわけで・・・
いろんなことを思った。
のっけに・・・「生きている人間はみんな、意識的にせよ無意識にせよ、自分にとっての、何かしらの幸せを求めている。どうしようもなく死にたい人でさえ、死という幸せを求めている、自分というものを中断したいという幸せを求めている・・・」に、なんか壮大な物語が始まりそうな気がしてのめり込んだ。
私、夫に腎臓あげられますよ。親にはあげないけれど、夫と子供にはあげられますよ。
仙川さん!残念でした。
夏子の揺らぐ心に、なんで?・・・この年になってもよくわからないのは、育った環境のせいかもしれない。ただ、理解できればいいのにな!とは、あまり深いことを考えたこともなく生きて来た私は、このままアッパラパーと死んじゃうんだろうなーと思った。
逢沢さんのでね・・・幸せになってね。
「乳と卵」未読
先日朝の情報番組のコーナー「古市憲寿の1パーセントの社会学」で、ボランティアで精子提供をするということをしている人の事を取材していた。
気になったのが、素材 と言っていたこと・・・
どうしても親をしているから、子供の事を考えてしまう。
★★★★★