ノイマイヤー、恐るべし!

  たった今(現在午前10時半)、フェアリーにオンライン注文したジョン・ノイマイヤー振付『椿姫』のDVD(マリシア・ハイデ、イヴァン・リスカ主演)が届きました。

  このDVDは会場でも売っていたのだけど、結局『椿姫』を2回も観てしまった後ろめたさ(当初は1回だけ観る予定だったのが、衝動的に当日券で2回目を観たため)で、会場では我慢して買わなかったのです。

  ところが、フェアリーのサイトにあるサンプル映像を観たら耐えられなくなり、つい注文してしまった、というわけっす。

  私が買ったのは新書館発行のもの(フェアリーだから当たり前ですが)です。価格は6,090円。検索してみたら、同じ映像のDVDはアメリカかどっかでも販売されていまして、それはNTSCでオール・リージョンだということでした。価格は4,000円弱だったと思います。

  こっちの安いほうを買おうかな~、とも思いました。でも、オール・リージョンと表記してあっても、DVDプレイヤーによっては再生できない場合もあるので、安全策をとって完全に日本市場向けの新書館のほうを買いました(注:私は別に新書館の回し者ではありません)。

  今にして思い返してみると、当日券でバレエを観たなんて初めての経験です。私は観る予定のバレエのチケットは、公演のはるか以前(先行予約か発売初日)に買っておくタチで、いったん買ったら追加購入はほとんどしません。

  去年のシュトゥットガルト・バレエの『オネーギン』は、会場で「リピーター券」を買いました。あれは私にとっては「衝動買い」ですが、買うに至った理由は、割引券で且つ良い席だったからであって、もしそうでなかったら絶対に買わなかったろうと思います。

  それが今回の『椿姫』の場合は、はるばる横浜まで出かけていって、当日券窓口に並んでチケットを買うという、私にとってはこの上なく面倒くさいことをやったのだから、自分で自分に驚いています。

  更に不思議なのが、私は別に『椿姫』を観て号泣したとか、熱狂的な興奮や昂ぶる感動を覚えたとか、そういうわけではないのです。もちろん心にしみいるような、静かな感動は覚えましたが、でも一方で「ちょっと時代(制作年代の古さや当時の振付者の若さ)を感じるな」とも思いました。

  でも、1回目の公演を観た帰りの電車の中で、ショパンの音楽が耳について離れず、形容しがたい何かの感情がじわじわと出てきたのです。帰宅してもテレビをつける気になれず、音楽を聴いたり読書をしたりする気にもならず、甚だしくはゴハンさえ食べたくないし、眠る気にもなれない(眠ったら消えてしまうような気がして)。でもゴハンはしっかり食べたしちゃんと眠ったけど。

  そして、そのノリで当日券買いで2回目鑑賞という行動に走ったわけですが、2回目を観たら、満足するどころか「形容しがたい何かの感情」がいよいよひどくなり、いっそのこと『椿姫』が上演される兵庫、広島、福岡に行こうかというファンタジーに一瞬駆られたほどです。

  この「形容しがたい何かの感情」は何なのかをあえて具体的に表現するなら、「ワタシにもまだオトメな部分があったのね~」という悪ふざけはおいといて、「静かな心地よさ」というのが最も近いでしょうか。私は古城の廃墟に行ってぼんやり過ごすのが好きなのですが、そのときの気分によく似ています。

  まさかバレエでこんな気分になるとは思ってもみませんでした。ジョン・ノイマイヤー、恐るべし!です。

  さて、今日の午後は仕事に行きます。人よりサボったら、そのぶん働かないとね~。帰ったら『椿姫』のDVDを観るのを楽しみに・・・・・・。
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よく見りゃ似てるこの二人

  オクサーナ・シェスタコワ(レニングラード国立バレエ)とシルヴィア・アッツォーニ(ハンブルク・バレエ)。

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