ひと休み

  それにしても毎日暑いですね。

  ところで、「ビリーズブートキャンプ」にザセツした人のことを、「高木ブートキャンプ」と呼ぶんだそうです。

  またところで、私は今日(12日)、去年に引き続いて「アクロバティック『白鳥の湖』」を観に行ってきました。会場はオーチャード・ホール、午後1時開演でした。

  日曜日のお昼の渋谷ですから、さぞ人でごった返しているだろう、ただでさえ暑いのにヤだなあ、と思っていましたが、ハチ公口から出て文化村通りを歩いていたら、人がそんなに歩いていないことに気づきました。すいすい前に進めちゃうのです。

  折しもお盆、さてはふだん渋谷にたむろっている若人の大多数は地方出身者でであったか、と気づきました。おそらく今は帰省中なのでしょう。

  そういえば電車もすいていたし、東京は今、人口が一時的に減少しているようです。

  「アクロバティック『白鳥の湖』」はとても楽しかったです。でも、すでに一度観ちゃったからでしょう、去年ほどの興奮はありませんでした。とはいえ、さすがにウー・ジェンダンとウェイ・バオホアによる、「王子の肩や頭の上にオデットが爪先立ちでアラベスクとアティチュード」には、やっぱり呆然として見とれてしまいました。

  去年よりも舞台装置や衣装が豪華になっていました。これは確実です。あとこれは私の気のせいかもしれませんが、出演者の中にバレエをバック・グラウンドとする人(特に女性)が多くなっているように思いました。「中国雑技とバレエとの融合」をより推し進めるために、そうした人を集めたのかもしれません。

  一緒に行った友人は「アクロバティック『白鳥の湖』」を観たことがなくって、それでも笑いのツボが私と同じだったので安心しました。たとえば、ロットバルトがオデットをさらって白鳥にしてしまう冒頭の場面で、公園の池に浮かんでいるボートそっくりの、巨大なカワイイ白鳥の装置が出てきたときには、ふたりして大爆笑してしまいました。

  その友人が「デーモン小暮閣下」と形容したロットバルト(黒鷹王)を王子が矢で射て殺す場面でも、デーモン閣下がしゅるるる、と天井に上がっていったかと思うと、手品みたいに紙吹雪がぽん、と飛び散るところでも爆笑しました。

  またやはり一番の笑いどころは、オデットを探してエジプトにやって来た王子が、ラクダに乗ってスフィンクスの前を通り過ぎていくシーンでしょう。その前でインド風の衣装を着た人々が雑技を披露しているのも笑えます。「どこからツッコんでいいのか分からないほどの舞台でしたね」とは、友人の弁。

  また、プログラムも笑えました。紹介文やインタビュー記事などはかなりマトモで読み応えがあるのですが、舞台写真がコラージュしまくりで、しかもコラージュというより「切り貼り」じゃねーか、と言いたいくらい雑なのです。

  切り抜いた人物の周りに、切り抜き損ねた黒い輪郭がはっきりと出ていて、パソでコラージュしたんじゃなくって、ハサミで切り抜いて貼り付けたんじゃないか、と思えるくらいでした。

  またそのコラージュ写真が、見開き2ページに全シーンと全雑技を無理やり詰め込んでいて、すっごいゴージャスというかどハデというか、いかにも中国人が好きそうな構図です。

  さすがに日本の招聘元がこんなハデハデで悪趣味で雑な仕事をやるわけがないんで、これらのコラージュ写真は、絶対に中国側が用意したプロモーション用写真に違いありません。

  ですから、プログラムは去年のほうが絶対にいいですよ。日本側が特別に撮影した写真は本当にステキだしね(水しぶきが飛び散っているなかを、きれいな特殊メイクをしたオデットと王子がポーズを取っている)。

  それから、音楽をよく聴いてみると、チャイコフスキーの原曲をこれほどメチャクチャに切り貼りした「白鳥の湖」はないだろうなあ、としみじみ思いました。中国四千年(最近の発掘調査で「中国六千年」に改められた模様)にとっては、19世紀のロシアの作曲家など、単なる若造に過ぎないのでしょう。

  とどめが場内アナウンスでした。たとえば「客席でのご飲食はご遠慮下さい」なら珍しくもないけど、なんと「客席は禁煙です」と言っていたのです。いくら大らかな中国人でも、そこまではしないって、と思ったけど、・・・するのかなあ?

  いろんな意味で、久々に中国的な雰囲気に触れられて楽しかったです。   
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