どうしたスタダン

  今日(7月31日)、スターダンサーズ・バレエ団からDMが来て、10月公演の案内が入っていました。演目はピーター・ライト版「ジゼル」でした。

  スターダンサーズ・バレエ団というのは公演時期が不定期なカンパニーですが、去年の12月にフォーサイス作品とチューダー作品とバランシン作品のトリプル・ビルを行なって、これは私も観ました。今年に入ってからは、確か2月くらいに神奈川でピーター・ライト版「ジゼル」の公演を行なったことは知っています。

  でもそれからは音沙汰がなくて、もしくは私が公演情報をつかめなかったのか、「そーいえばスタダン、最近どうしてんのかな」と思っていました。

  この10月に行なわれる公演が、2月の「ジゼル」以来の公演だとすれば、素人考えかもしれませんが、私は「なんで?」と思うのです。

  今年のスターダンサーズ・バレエ団の公演が、2月と10月の2回しかないというのは納得できるのですが、不思議なのは、演目がともにピーター・ライト版「ジゼル」だという点です。たとえば毎年「ジゼル」を上演するのは、まあありかな、と思うのですが、同じ年に行なわれる公演の演目が同じ、というのは、なんだか不自然な気がします。

  2月、そして10月の「ジゼル」の主役は、ジゼルが林ゆりえさんで、アルブレヒトが福原大介君です。演目も同じなら主役も同じです。

  10月の公演の会場はテアトロ・ジーリオ・ショウワで、これは昭和音楽大学の施設らしいです。最寄り駅は小田急線新百合ヶ丘駅で、新宿から急行に乗っても30分弱はかかるはずです。はっきりいえば、ゆうぽうと(五反田)や新国立劇場(西新宿)や東京文化会館(上野)や東京国際フォーラム(有楽町)などとは違い、気軽に行けない遠いところにあるのです。

  更にこう言ってはなんですが、主役の2人がバレエファンには一定の人気があるダンサーたちならともかく、林さんや福原君はまだその域には達していないと私は思うのですが。

  同じ演目を立て続けに上演し、会場は交通の不便なところ、主演ダンサーも集客力がそうあるとはいえない。なぜこんな公演を行なうことになったのでしょう。

  私はピーター・ライト版「ジゼル」はすでに観ていて、一度観れば充分だ、と思いました。確かに演出はよく練られていますし、装置や美術も演出に対応しています。でも他の版の「ジゼル」と大きな違いがあるかというと、そうでもありません。

  個人的には、スターダンサーズ・バレエ団は、去年まで毎年のように行なっていたトリプル・ビルに魅力があると思うのです。フォーサイス、チューダー、バランシンなど、有名だけど日本ではさほど上演されない作品を紹介してくれるので。

  いったいスターダンサーズ・バレエ団にいま何が起きているのか、DMを受け取って、不審の念が増すばかりです。    
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