みのもんた劇場

周囲の山々が鮮やかに色づいてきた。
海岸では釣り人の竿が大きくしなり、銀色の鮭が波打ち際で踊っていた。
各地で芸術祭などが盛んだが、独り芝居のすごさを見せたのは「みのもんた劇場」だ。
※鮭釣りのそばで、豪快なライディングをする、サーファー、波さえよけりゃ、寒くはない！


政治家、有名人を前に、ズバット切り込む小気味のよさは、多くの国民の支持を得ていたに違いない。
忘れがちな３：１１の大災害、特に福島第一原発事故のフォローも見事だった。
現在の「天下のご意見番」といっても過言ではない。
息子の不祥事を詫び、報道番組を降板する記者会見を開いた。
自作自演の「みのもんた劇場」だ。
千両役者さながらの、堂々とした演技だ。
親としての子育ての心情は、多くの国民の理解を得るだろう。だが
劇終了に、大見得を切り“にらみ”をきかせた。
「ばかやろう」
息子に対する言葉には聞こえなかった。
必要以上にバッシングしたマスコミへ。
降板したのは、世間の目だとも言う。
こんな世の中にしたのは、政治家のせいだとも聞こえた。
私には、嘘の多い「総理のばかやろう」とも聞こえた。
その会見の後も、世間では銀行やホテルの不祥事が続く。
詫びの会見は、どれもが国民目線を逸した言動にあきれ返る。
それらの中で、みのもんたの会見は、終始言葉を選び、長い間マスコミに君臨していた、名芝居を見せてもらったような気がした。
だが「ばかやろう」と、報道を使い世の中を叱咤したのは、語るに落ちたようだ。
放送界の君臨してきた庶民派みのもんたが、ついに、放送界の「天皇みのもんた」の姿を世間にさらした瞬間だからだ。
「人のふり見てわがふり直せ」
自戒も含めて観た「みのもんた劇場」だ。