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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

教育現場から

2013年10月25日 12時17分53秒 | えいこう語る
「コギト・エルム・スム」哲学者でなくとも、人間とは何かと考えさせられる「物思う秋」である。
秋は、青葉が紅葉になり、やがて枯葉となり土になる。自然が哲学の先生と化するからだ。
さて、秋は各地で文化祭が行われていて、そこに住む人々の芸術性や文化に対する充実度を、垣間見ることができる。
個々の作品に目を奪われもするが、私は文化祭をそのような視点でとらえている。
我が椴法華地区の文化祭だが,いつの間にか3年に1度の開催になり今年は開催年だ。
作品が少ないからというのが理由だそうだが、そのこと自体が議会で討論されたというのは聞こえてこない。「作品がないなら、しかたがないべや」ということかもしれない。
漁業の地域である。「作品をつくっている暇などない」というのが言い分なのかもしれないが「文化があるまちは衰退しない」という言葉も、心に残る言葉だ。
テレビで、世界文化遺産の地域を見れば、確かに世界中から人が訪れるに値するまちであると実感する。さらに、住む人たちが心からその土地を愛し、誇りを持っているということが伝わってくるのだ。
私の秋と文化に対する大まかな考え方はこのようなものだ。
※今日も時化で沖は休みだ。


さて「とどほっけ村文化祭」に、3点の詩と書を出品した。
メインテーマは「こんな時代だから」だ。
1・福島第一原発事故で避難を余儀なくされている主婦の詩だ。この詩に接した時、私は何度も涙を流したのだ。相馬弁で書かれているが、本人に了解を得て、私が地域になじみやすい津軽弁に訳し「拝啓東京電力様」というタイトルにしたのだ。
これは今年6月の、函館市町会連合会の総会で「大間原発凍結宣言」を採択したとき、私がこの詩を披露した経緯がある。静まり返った会場からは、拍手が起きたことを記憶している。
2・私の詩で、北海道新聞の一席に選ばれた「防災運動実施中」である。これは数年前の作品だが、改憲論が盛んになる今日、九条を守ろうという呼びかけである。
3・金子みすずさんの「鰯」の詩を書にしたものだ。私たちの村も、かつては鰯漁でにぎわったのだ。海も陸上も平和であってほしいとの思いからだ。
ところが、教育事務所から「拝啓東京電力様」は、表現がきついし地域になじまないので、この一点を取り下げてもらえないかとの申し出だ。
「表現の自由は守られないのか」と話した。
後の会話は皆さんの想像に委ねたい。
私は全作品の取り下げをした。
アベ政権。今日にも " 機密漏洩に罰則を科す法案"を閣議決定する。
そんな国家の動きは、身近な教育現場から芽を出し始めるのが常だ。
アベノミクスやらに惑わされているうちに、何かと物騒な世の中になってきたようだと、田舎者の私でもそう感じている「物思う秋」だ