元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「TAMALA2010」

2013-01-17 06:39:06 | 映画の感想(英数)
 2002年作品。何かトンでもないものを観てしまったという感じだ。配給会社キネティックのタイトルに描かれている子猫を主人公にしたSFアニメーションなのだが、この映画、徹頭徹尾何がなんだか分からない。監督はt.o.l.なる製作ユニットらしいが、その正体も不明。どういう意図で作られた映画なのか想像も出来ない。



 キュートな造形と全然マッチしないグロ描写は“ねこぢる”あたりの影響を感じるが、扱われるネタはマイナーな世界ではなく、多元宇宙などのスケールの大きなハッタリをかましたものだ。その点が実に怪しい。武田真治や加藤武、ベアトリス・ダルといった豪華な声優陣もまるで場違いである。

 映画の体を成していないという意味で、好き嫌いを問われたら“大嫌い”と即答できる作品だが、困ったことに観る価値はある。モノクロを主体にしたシュールでポップかつ先鋭的な画面設計は、ある意味“頂点を極めている”といった感じだし、音響も素晴らしい。たぶんカルトムービーの最右翼として、今後も一部の熱狂的なファンを集めていくのだろう。

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