元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「花とアリス」

2010-02-19 06:26:55 | 映画の感想(は行)
 2004年作品。親友同士の女子高生2人と先輩男子との淡い三角関係を甘酸っぱく綴る岩井俊二監督作。問題作「リリイ・シュシュのすべて」(2001年)を経た岩井は、このような他愛のない学園ドラマを手掛ける場合でも登場人物の屈託に対して容赦ないアプローチを敢行している・・・・と評論すべきなのかもしれないが、正直言ってどうでもいい。この少女マンガみたいな(少女マンガはほとんど読んだことはないが ^^;)ポワ~ンとした甘酸っぱい雰囲気に年甲斐もなく思いっきり酔える映画だと断言したい(笑)。

 とにかく主演の二人が可愛い。共通の“好きな相手”である先輩に仕掛ける罪のないウソ(記憶喪失ネタ)も可愛い。終盤にそのウソがばれて、それぞれに自分の気持ちに折り合いを付けるあたりも実に可愛い。こういう“可愛い作劇(謎)”で2時間以上も引っ張れる岩井監督の才能は、やはり凄いと思う(並の作家なら恥ずかしくなって途中で投げ出しかねない)。



 主演の鈴木杏と蒼井優の魅力も存分に引き出され、鈴木が舞台の袖で真実を知って涙を流すところや、蒼井がオーディション会場でバレエを披露する場面などは泣けてきたし、雨の中でびしょ濡れになりながら互いの本音をぶつけ合うシーンには感動してしまった。

 阿部寛や相田翔子、大沢たかおといった多彩な脇役も良いし、特に蒼井の父親役の平泉成の扱いは印象深い。観賞後の印象が良好な青春映画の佳篇だと思う。篠田昇のカメラによる繊細極まりない映像も素晴らしい。

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