2004年作品。突如「東京都心に原発を誘致しよう!」とブチあげたワンマン都知事をめぐってのドタバタを描く山川元監督作品。
映画の大半が都庁の会議室でおこなわれる登場人物たちのやり取りに費やされていながら、舞台劇をそのまま映画にしたような閉鎖的な息苦しさを感じさせないのは、核ジャックという別プロットを同時進行させて適度にインターバルを置いているためで、このあたりの作劇は納得できる。
ただし、知事役の役所広司をはじめ段田安則、田山涼成、岸部一徳といった海千山千のキャストが楽しそうに演技合戦を繰り広げるメイン・プロットと比べて、プルトニウム強奪のパートは“本筋のオマケ”でしかないのが辛い。あまり時間を割けないのなら、ネタ自体にもっと大風呂敷を広げても良かった。
だが、この映画のテーマ自体の重大さはそんなことを忘れさせてくれるのも確かだ。終盤に知事の“真の意図”が明かされるものの、東京に原発を置くという方策はエネルギー問題を考える上で絶好の題材になる。特に知事の“都民は電力を消費するばかりで、発電所を自分たちの目の見えない場所(地方)に追いやり、勝手な机上論に終始している”という意味のセリフは痛烈だ。
あまり映画を“テーマそのもの”で評価はしたくないが、この作品に限っては例外としたい。完成してから2年も公開のメドが付かなかったのも実に意味深いと思う。
映画の大半が都庁の会議室でおこなわれる登場人物たちのやり取りに費やされていながら、舞台劇をそのまま映画にしたような閉鎖的な息苦しさを感じさせないのは、核ジャックという別プロットを同時進行させて適度にインターバルを置いているためで、このあたりの作劇は納得できる。
ただし、知事役の役所広司をはじめ段田安則、田山涼成、岸部一徳といった海千山千のキャストが楽しそうに演技合戦を繰り広げるメイン・プロットと比べて、プルトニウム強奪のパートは“本筋のオマケ”でしかないのが辛い。あまり時間を割けないのなら、ネタ自体にもっと大風呂敷を広げても良かった。
だが、この映画のテーマ自体の重大さはそんなことを忘れさせてくれるのも確かだ。終盤に知事の“真の意図”が明かされるものの、東京に原発を置くという方策はエネルギー問題を考える上で絶好の題材になる。特に知事の“都民は電力を消費するばかりで、発電所を自分たちの目の見えない場所(地方)に追いやり、勝手な机上論に終始している”という意味のセリフは痛烈だ。
あまり映画を“テーマそのもの”で評価はしたくないが、この作品に限っては例外としたい。完成してから2年も公開のメドが付かなかったのも実に意味深いと思う。