元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「教えて?ネコのココロ」

2022-11-04 06:21:32 | 映画の感想(あ行)
 (原題:INSIDE THE MIND OF A CAT)2022年8月よりNetflixにて配信。67分というコンパクトサイズのドキュメンタリー映画作品だが、内容は濃いと思う。特に、いわゆる“猫派”にとってはたまらない中身だろう。とかく“何を考えているのか分からない”と言われるネコだが、それは同じペットである犬との比較においての印象でしかない。ネコだって哺乳動物だし意思も感情もある。本作はそのあたりの“真相”を専門家たちの解説を交えながら解き明かしてゆく。

 冒頭、まさかの“ネコの曲芸”の場面が映し出されて驚いた。ネコにも芸を仕込むことは可能なのだ。ただし、犬など他の動物とは違うアプローチと根気が必要。子ネコの頃から接して、真に心を許した相手の言うことしか聞かない。最も気を付けたいことは、犬は飼い主を格上の存在だと思っているのに対し、ネコは自身を飼い主より上位の存在だと思い込んでいることだという。人間様よりも偉いと思っているとは誠にゴーマンな存在だが(笑)、それはネコの勝手であり、こちらがあれこれ言う筋合いは無い。そう割り切って付き合えば、ネコは人間の良きパートナーになるのだろう。



 また映画はネコの運動能力の高さや、狭いところでもすり抜ける驚異の柔軟性の秘密についても言及する。尻尾と耳のポジションによって感情が示されるとか、国によってネコも性格が異なるとか、いろいろと興味深いモチーフを繰り出してきて飽きさせない。そして犬に比べて学術的研究が進んでおらず、今後新たな発見があることも暗示させる。だいたい、ネコが歴史上人間と共存してきた時間も最近になってようやく突き止められたほどだ。

 監督のアンディ・ミッチェルは専門家のインタビューはもちろん、ネコを交えての“実験”やアニメーションなど、手を変え品を変え題材の面白さを強調する。そして当然のことながら、愛嬌たっぷりのネコの映像も満載だ。なお、取材先には日本も含まれる。日本は世界有数の“ネコ大国”らしい。

 なお、残念ながら本作を観て私は“ネコを飼いたい”とは思わない。生き物を養うのはそれ相応の覚悟と準備がいるのだ。今のところ、それは備わっていない。しかし、どういうわけか所謂“地域ネコ”は家の周囲に少なからぬ数が生息している(爆)。今度時間があれば彼らの仕草や行動を注視してみたいものだ。
コメント
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