【記事作成日:2012/6/2、最終改版日:2013/8/24】
今年のゴールデンウィーク前のこと、とあるお寺の地獄絵図を使った
怖~い絵本が大ヒット中であり、それを見せると、言うことを聞かない
悪い子も大人しくなる…という話を聞きつけました。
それを聞きつけた私は
ピコーン! (←頭の上の電球が点灯する音)
「最近、いたずら盛りで言うことを聞かない甥っ子に見せれば、
いい薬になるかもしれん!(´∀`)」
と思い、早速Amazonでポチってみることにしました。
(といいつつ、怖いもの見たさで実は自分が一番見たかったんですが)
…で、届いた本がこれです。
地獄の絵本の表紙
絵本というと「ぐりとぐら」のような可愛らしい絵柄が
イメージされますが、地獄の絵本はいきなり表紙から、
おどろおどろしいです(いきなりかっ飛ばしています)。
この絵本は、子育て漫画の「ママはテンパリスト」の作品中で
取り上げられたことで人気に火が付いたらしいのですが、
その作者が推薦している旨の帯が付いていました。
地獄の絵本の裏表紙
裏表紙は本編の最後のシーンに当たる、賽の河原における
地蔵菩薩様になっています。
地獄絵図以外のページの一部
絵本は、大人でも目を背けたくなるような(リアル)地獄絵図が
ベースになっているのですが、地獄絵図以外のページも色使い的に
ドギツイ内容になっています。
それでこの絵本のストーリーですが、お寺に伝わる逸話ではなく、
絵の内容を元に出版社(作家)が創作したものになっています。
ざっくりとした流れは次の通りです。
1. (亡くなった)主人公の五平があの世に連れて行かれる
↓
2. 死者のお約束ルートとして、三途の川を渡ったり、
奪衣婆に服を取られたり、その服を懸衣翁が枝にかけて
罪の重さを量られたりしながら閻魔様の元に到着。
↓
3. 閻魔様から地獄行きの判決を受ける。
↓
4. ここで颯爽と地蔵菩薩が登場。
「五平も少しはいいことしてたので、今回は見逃して」
と、閻魔様にお願い。
↓
5. 閻魔様、あっさりとOKする。(←とても物わかりがよい)
↓
6. 閻魔様「でもせっかくだから、地獄を見ていけ」と
地獄見学ツアーを提唱。
↓
7. 五平は、鬼たちが罪人をばらばらに切り刻んじゃったりする
「なます地獄」等、いろいろな地獄を見せつけられる。
※ 絵本の中では、この辺りが一番ドギツイです。
↓
8. 見学ツアーの〆は賽の河原。
ここで川遊び中に亡くなった村の子供を発見。
親より先に死んでしまった親不孝な子供は、罰として供養の
石の塔を完成させる必要があるが、完成前に必ず鬼が壊しに
やって来るのを見てブルーな気持ちになる。
↓
9. そうしたところで地蔵菩薩が連れ戻しにやってきて、
地獄見学ツアー終了。(裏表紙の絵)
↓
10. 地獄や賽の河原を見た五平
「俺は生まれ変わったら地獄に行くようなことはしないよ。
ちびっ子達も命は大切にな」
という感じでお話し終了となっています。
こんな感じで、「ストーリー的にちょっと無理のある感」は
否めませんでしたが、
・悪いことをしたら地獄に行くぞ!
・親より先に死ぬ子も賽の河原に行くぞ!
という、子供に対して脅しというか、教育的・指導的なメッセージが
入っているように思えました。
中の絵は大人でもぞっとするような殺人シーン満載の状態なので、
耐性のない子供が見たらトラウマになってしまう危険性もありますが、
私はこうした「悪いことをしたら、相応の報いを受けるんだよ」と
教育することは、決して悪いことではないと思っています。
ちなみに仏教的には延々と石積みををしている賽の河原の子供達は、
最終的に地蔵菩薩によって救済されることになっているのですが
(絵本の最終ページの絵は、まさにそのシーンなんですが)、
絵本内のストーリーから外れるせいか、本文の中にはそうした説明が
全く無かったのは、ちょっと残念でした。
読み聞かせる側の知識を問われるのかなぁ…と。
おまけ. どうでもいい話
この絵本を読んで1個所、思わずヘンなところに反応してしまいました。
問題のページ
右のページに大きく「あっー!」と書かれてあるのですが、
この「あっー!」(カタカナ表記で「アッー!」)という表記を
インターネット以外の場所で(しかも子供向けの絵本の中で)、
見かけるとは思いませんでした。
ちなみにこの絵本の初版は、30年以上前の1980年。
TDNがインターネット上のネタ的に大括約する20年以上前から
「アッー!」が使われているとは思いませんでした。
たまげたなあ。
【2012.12.2 追記】
よそのお寺で本物の地獄絵図を見てきました。
この件についてはこちらのエントリを参照ください。
【2013.8.24 追記】
千葉県南房総市の延命寺にある、地獄の絵本で使われた本物の
地獄絵図を見てきました。
この件についてはこちらのエントリを参照ください。
今年のゴールデンウィーク前のこと、とあるお寺の地獄絵図を使った
怖~い絵本が大ヒット中であり、それを見せると、言うことを聞かない
悪い子も大人しくなる…という話を聞きつけました。
絵本・地獄 | |
クリエーター情報なし | |
風濤社 |
それを聞きつけた私は
ピコーン! (←頭の上の電球が点灯する音)
「最近、いたずら盛りで言うことを聞かない甥っ子に見せれば、
いい薬になるかもしれん!(´∀`)」
と思い、早速Amazonでポチってみることにしました。
(といいつつ、怖いもの見たさで実は自分が一番見たかったんですが)
…で、届いた本がこれです。
地獄の絵本の表紙
絵本というと「ぐりとぐら」のような可愛らしい絵柄が
イメージされますが、地獄の絵本はいきなり表紙から、
おどろおどろしいです(いきなりかっ飛ばしています)。
この絵本は、子育て漫画の「ママはテンパリスト」の作品中で
取り上げられたことで人気に火が付いたらしいのですが、
その作者が推薦している旨の帯が付いていました。
地獄の絵本の裏表紙
裏表紙は本編の最後のシーンに当たる、賽の河原における
地蔵菩薩様になっています。
地獄絵図以外のページの一部
絵本は、大人でも目を背けたくなるような(リアル)地獄絵図が
ベースになっているのですが、地獄絵図以外のページも色使い的に
ドギツイ内容になっています。
それでこの絵本のストーリーですが、お寺に伝わる逸話ではなく、
絵の内容を元に出版社(作家)が創作したものになっています。
ざっくりとした流れは次の通りです。
1. (亡くなった)主人公の五平があの世に連れて行かれる
↓
2. 死者のお約束ルートとして、三途の川を渡ったり、
奪衣婆に服を取られたり、その服を懸衣翁が枝にかけて
罪の重さを量られたりしながら閻魔様の元に到着。
↓
3. 閻魔様から地獄行きの判決を受ける。
↓
4. ここで颯爽と地蔵菩薩が登場。
「五平も少しはいいことしてたので、今回は見逃して」
と、閻魔様にお願い。
↓
5. 閻魔様、あっさりとOKする。(←とても物わかりがよい)
↓
6. 閻魔様「でもせっかくだから、地獄を見ていけ」と
地獄見学ツアーを提唱。
↓
7. 五平は、鬼たちが罪人をばらばらに切り刻んじゃったりする
「なます地獄」等、いろいろな地獄を見せつけられる。
※ 絵本の中では、この辺りが一番ドギツイです。
↓
8. 見学ツアーの〆は賽の河原。
ここで川遊び中に亡くなった村の子供を発見。
親より先に死んでしまった親不孝な子供は、罰として供養の
石の塔を完成させる必要があるが、完成前に必ず鬼が壊しに
やって来るのを見てブルーな気持ちになる。
↓
9. そうしたところで地蔵菩薩が連れ戻しにやってきて、
地獄見学ツアー終了。(裏表紙の絵)
↓
10. 地獄や賽の河原を見た五平
「俺は生まれ変わったら地獄に行くようなことはしないよ。
ちびっ子達も命は大切にな」
という感じでお話し終了となっています。
こんな感じで、「ストーリー的にちょっと無理のある感」は
否めませんでしたが、
・悪いことをしたら地獄に行くぞ!
・親より先に死ぬ子も賽の河原に行くぞ!
という、子供に対して脅しというか、教育的・指導的なメッセージが
入っているように思えました。
中の絵は大人でもぞっとするような殺人シーン満載の状態なので、
耐性のない子供が見たらトラウマになってしまう危険性もありますが、
私はこうした「悪いことをしたら、相応の報いを受けるんだよ」と
教育することは、決して悪いことではないと思っています。
ちなみに仏教的には延々と石積みををしている賽の河原の子供達は、
最終的に地蔵菩薩によって救済されることになっているのですが
(絵本の最終ページの絵は、まさにそのシーンなんですが)、
絵本内のストーリーから外れるせいか、本文の中にはそうした説明が
全く無かったのは、ちょっと残念でした。
読み聞かせる側の知識を問われるのかなぁ…と。
おまけ. どうでもいい話
この絵本を読んで1個所、思わずヘンなところに反応してしまいました。
問題のページ
右のページに大きく「あっー!」と書かれてあるのですが、
この「あっー!」(カタカナ表記で「アッー!」)という表記を
インターネット以外の場所で(しかも子供向けの絵本の中で)、
見かけるとは思いませんでした。
ちなみにこの絵本の初版は、30年以上前の1980年。
TDNがインターネット上のネタ的に大括約する20年以上前から
「アッー!」が使われているとは思いませんでした。
たまげたなあ。
【2012.12.2 追記】
よそのお寺で本物の地獄絵図を見てきました。
この件についてはこちらのエントリを参照ください。
【2013.8.24 追記】
千葉県南房総市の延命寺にある、地獄の絵本で使われた本物の
地獄絵図を見てきました。
この件についてはこちらのエントリを参照ください。
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