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ホンダ S2000 タイプVに試乗!(動画あり)日本の宝と言うべき至高のNAスポーツカー!!

2018-06-22 21:35:47 | ホンダ

 

*文章は販売当時のものです。

 

○概要

 S2000typeVは、VGSという世界初の車速応動可変ギアレシオステアリングを装備した車です。つまり、低速ではまるでカートのようにクイックなステアリングレスポンス(ロックtoロック1.4回転!)で、スピードが上がるにつれノーマルステアリングと同じ感覚に可変していく、というシステムです。結構、雑誌等では賛否両論なので、興味深いところです。

○居住性 ★★★

 居住性に関しては、基本的にノーマルS2000と変わりません。前日に借りたロードスターと比較すると、やはりボディ剛性が雲泥の差です。シフトストロークも超ショート。内装といい、各部品の品質感といい、エンジンといい、全体的にワンクラス上の印象です。もしかしたら、新型ロードスターならS2000と同等の満足感が得られるかも・・と期待してロードスターをレンタルした訳ですが、よりいっそうモノの違いをマザマザと感じさせられました。ちなみに今回の試乗車は純正DVD付でした。意外に見やすいモニターでしたが、市販のカーナビと比較すると、情報量が少なく、イマイチさびしいかんじがします。ただ、S2000はオープンカーなので、一般車よりも盗難の危険性は高いので、ダッシュボードにビルドインされた純正カーナビは魅力的です。

○動力性能 ★★★★★

 さて、一般道に出て、いざ試乗開始。左折して一般道へコースイン。お!確かにコブシ2つくらい左に切っただけで、90度くらい曲がるぞ!しかも、意外に違和感なし。軽くアクセルを吹かすと、後方から”ファーン”という心地よいサウンドを奏でながら、リニアに加速。・・・やはりこのエンジン、最高。アクセルひと踏みで、ロードスターは選択肢から消えてしまいます。ちょっと試しに軽く左右に振ってみると、初期応答はクイックのひとこと!まるで、カートのような切れ味です。これは楽しいかも!次の左コーナーも、軽がるとクリア。車体自体の動きがまさにカートのようにクルっと向きを変え、車の大きさや重さを感じさせません。まるで1t以下のライトウェイトカーのような挙動を見せます。ただ、ちょっと細かい点で文句をつけるとしたら、ステアリングからのフィードバックが若干希薄です。まあ、待ち乗りでは全然違和感を感じませんが、ワインディング等をせめたら、ちょっと路面からのフィードバックのなさに違和感を覚えるかもしれません。さて、ちょっと長めのストレートで、前方に車がなかったので、1速で引っ張ってみることにしました。そうそう、キーを渡されたとき、くれぐれも法廷速度を越さないように、とクギを刺されました。60kmなんて、VTECのハイカム側が使えません・・・なんの為の試乗なんだか。しょうがないので1速で全開!スムーズに吹けあがるエンジン、そして6000回転を超えると同時に、さらにパワー炸裂!す~ばらしいぃぃぃ!ホぉぉンダの技術は世界いちぃぃぃ。ふっとデジタルタコメーターに目をおとすと、8000回転!あと僅かでリミットの9000回転じゃないですか!一瞬、頭の中で天使と悪魔がバトルするも、コンマ5秒で悪魔のノックアウト勝ち。アクセルを数ミリ踏みこむと、タコメーターが点滅、9000回転のレブリミット達成!うおぉ、すげえ!ホントに9000回転まで回るなんて!感動にひたりつつ、ふっとデジタルスピードメーターに目を落とすと、ピーーという数字が・・・やああああべへええええええ!!法定速度って、60kmだっけ!?バックミラーを確認し、即座にフルブレーキ。どきどきどきどき。1速で、あそこまでスピードが出るとは・・・おそるべしS2000。多いに反省した私は、その後はきちんと法定速度を守り、安全運転に徹したのでした。途中、片道1車線の道路でバスが停止していたので、レーンチェンジ&追い越しというシチュエーションがあったのですが、そのときも、僅かコブシ1つハンドルを切るだけで、楽々レーンチェンジ可能。ホント、待ち乗りにはVGSはオススメです。

○結論 ★★★★

VGS、思っていた以上に違和感がなく、結構オススメです。ノーマルでも充分リニア感があって楽しいS2000ですが、よりライトウェイト感覚が強調されていて、待ち乗りフォーミュラーカーといった感覚。もし(中古で)ノーマルとVGSが同じ価格なら、VGSを選ぶと思います。ただ、今回の試乗で改めて感じたことは、S2000はその車格以上にライトウェイトスポーツカー感覚を目指した結果、ちょっと色々なところに違和感がでてるな、という点です。スーパー7のようなダイレクト感を求めつつ、安全対策や環境問題に対応した現代のスポーツカーを目指した、というコンセプトは立派で、確かにすばらしく良くできているとは思います。しかし、車重やディメンションといった、絶対的な物理スペックはいかんともしがたく、違和感は否定できません。あと、個人的にはVGSよりもシーケンシャルMTを開発して欲しいと思います。そのほうが、よりフォーミュラー感覚だと思うのですが・・・

では動画をどうぞ!

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