2月24日迄の特別展・顔真卿を見に、上野・国立博物館へ行ってきた。
混んでいるだろうことは、予想していたが、約8,000人の入場者で主展示品「祭姪文稿」を見るのに70分待ちで、見終わるのに7・8分。
都合、3時間程、会場で多くの貴重な作品を堪能させて貰った。
予想していなかった点は、台湾・中国からの見学者が圧倒的に多かったこと。 係員の話では、4人に1人は台湾・中国人とかだったが、5人に3人といった印象だった。
台北・国立故宮博物館所蔵の上記中華史上屈指の名著は、台湾でも30年は展示されていないとか。
日本の奈良時代の三筆・三蹟への影響や現代・明朝体の楷書の礎になった顔真卿の書は、絶大だが、王義之の楷書や行書の方が、私は好きだ。
同じ漢字でも篆書・隷書・楷書・行書・草書と、その変化と夫々の書体で、能書家と言われる巨人が多数輩出された、その歴史は、人類の英知と言うべきか、見事だ。 従来の漢字を簡略化した簡化字は、合理的に感じられるが、芸術からはやや遠ざかった感なきにしもあらず。
更に、漢字の草書の延長線上?に平仮名、カタ仮名という独自の文字体系を発展させた日本の文字文化の世界も卓越して素晴らしい。