#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

The top of creators その1

2007-10-13 | works
地元ビール会社のTVCMを手がけることになって、
紆余曲折・悪戦苦闘を繰り返しているのだが、

さまざまな場面で、
ビール会社のTVCMを経験することが、
クリエイターの証とでも言うようなセリフを聞かされて
半ば困惑している。

沖縄の広告業界が非常に小さな世界なため、
地元ビール会社のTVCMは、
金字塔として崇められているのが、その原因だ。

さまざまな制作会社の人間が一様に武勇伝を語る。
まるで戦場から帰還した兵士のように。
聳え立つピラミッドに登頂した登山家のように。

その経験則がすべてに通用するかのように。

ピラミッドを擁する地元ビール会社の広告担当は、
制作会社の歩兵どもを右に左に翻弄し、
あらゆるセオリーを突きつけ、「倣え!倣え!」と鞭をふるう。

その中で無事に登頂したものだけが、讃えられ
「The top of creators」の功名を得る。

どこの業界も似たようなものなんだろう。

沖縄だから、規模が小さいためにわかりやすいんだ、とも思う。

自分もその功名を得たいがために、辛抱強く踏ん張っていることも事実だ。
疑問をはさんでしまったら、たがが外れてしまう。




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大西さん&真妃さん、おめでとう

2007-10-10 | Photo-diary
時間の流れを感じる…という意味では、
10年来の友人たちと旧交を温めると、
この上ない充足をもたらしてくれる。

10月08日、沖縄で大層お世話になっている
デザイナーの大西さんが結婚をする…というので、

今までそのデザイン事務所に所属していた
12名のメンバーと祝宴を催した。

デザイン事務所立ち上げ当初のメンバーは
8年前、20歳。

第一期、第二期、第三期、第四期、そして現役と
10年あまりの時間の流れを内包して、大西さんと対面する。

それぞれが成長し、それぞれが歳を重ねた。

しかし、その祝宴がもたらす共鳴は、
何事にも代え難い、人と人とが織り成す時間の業だった。

お互いの笑顔に、お互いの時間の堆積を感じつつも、
変わらぬリスペクトをお互い発している。
それが、すばらしかった。

同じ方向を向いて、同じ世界で切磋琢磨し、
自分を高めようと踏ん張っている。
苦しいことも辛いことも、
語らずして伝わる空気。

その場に席を置いて、こみ上げてくる感情の起伏に、
カラダが熱くなり、じんわりとした幸せを感じた。

これこそが、生きている証。

人と人とのつながりが、何よりも宝だと
改めて思った夜だった。

大西さん、真妃さん、末永くお幸せに。
ホントに素敵な時間でしたよ。


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山形銀山温泉 その5

2007-10-10 | Photo-diary
温泉街を突き抜けて、
そのまま奥へ進むと、
轟々と迸る滝と対峙する。

雪解け時には、
どれだけの水量で地面を叩きつけているのだろう…
…と思えるほど、威勢良く水が落ちていた。

1912年には、温泉街一帯が浸水するほどの大洪水があったらしい。

これだけ近場に自然を抱かえて生活していると、
人生観もそれだけビッグになるだろうな…などと考える。

ひとたまりもなく流れゆく家財を見送りながら、
「またイチからはじめるさ」
…と受け入れる大きさが、おそらく備わっていたのだろう。

毎日を分単位で一喜一憂し、
明日の締め切り、あさっての締め切りと
区切ることで生きる指針を得ている身には、

ときおり大自然に抱かれ、
地球単位の時間の流れを感じることが、
どれだけ大事なことか。

ちっぽけな自分を知る。

ただそれだけで、足るを知ることができる。
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山形銀山温泉 その4

2007-10-10 | Photo-diary
藤屋

隈研吾が設計した建物らしく、
その統一されたデザイン空間は、
大正時代の他の旅館とは、趣を異にしていた。

しかも、一泊5万円。
安いと見るか、高いと見るか。

妻はひとこと。
「デザインホテルだったら、別に銀山じゃなくてもいいんじゃない?」
なるほど。
大正時代からの脈々とした時間を共有できるからこそ、
銀山温泉でひとときを過ごす価値もある。






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山形銀山温泉 その3

2007-10-10 | Photo-diary
それぞれの旅館の創立者の名前が
このような木彫りの看板になって
入り口に掲げられている。

「能登屋」のこちらの看板は、
銀山温泉の顔。

この書体、この意匠。
古き佳き日本を感じた。



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山形銀山温泉 その2

2007-10-10 | Photo-diary
国の登録文化財にもなった
「能登屋」に泊まる。

能登地方の人物が銀山を当て、
そこに温泉宿も建てた。

能登の人間は、外商が優れていて、
「薬売り」から「鉱山掘り」まで
たくましい生き方をされていたようだ。

だからここ「能登屋」も
許をたどれば能登の人間が建てた旅館である。

夜明け前の黎明とした光の色と、レトロな照明。

なんとも絶妙なバランスで、この場所で象徴的に収まっている。

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山形銀山温泉 その1

2007-10-10 | Photo-diary
09月24日。
打ち合わせを終えた足で、そのまま山形新幹線に乗り込む。
目的地は、山形銀山温泉。

「おしん」の舞台にもなったとされる
大正時代の雰囲気をそのまま残した温泉街。

3時間の道程をかけて山形駅へ。
その後、奥羽本線を北上し、大石田まで。
大石田駅から車でさらに奥地へ。
結局、5時間もの長旅で辿り着いた秘境の温泉である。

朝日に照らされた外観は、
100年もの時間の流れが
しっかりと息づいていた。

銀山温泉
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御胎内清宏園

2007-10-07 | Photo-diary
園内は広く、整備が行き届いてない印象だが、
ふと、このような橋がかかっていたりすると、
なんとも言えないイメージが立ち上がってくる。

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御胎内洞窟の中

2007-10-07 | Photo-diary
フラッシュをたいても、周りが識別できない。
漆黒の暗闇とは、このこと。

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御胎内洞窟

2007-10-07 | Photo-diary
御殿場の富士山のふもとにある、
御胎内清宏園なる
植物公園に、09月24日立ち寄った。

そこには天然記念物の「御胎内洞窟」があった。

全長155mなのだが、まったく電気がない。
曲がりくねった洞窟の中を、ひたすら中腰で歩く。
途中、カラダを寝かせて、這いずりながら進んだ。

懐中電灯がなければ、前後不覚に陥る。
155mとは思えないサスペンスな造り。
子供たちが泣きじゃくる中、
大人たちは必死になって、出口を探して這い回った。

真っ暗な中、泣き声だけがこだまする。
どこが出口かわからないまま、中腰で歩くのは、
かなり切迫したムードになる。

たしかに子供たちには、酷な状況だ。

息が上がる。

なんとか、出口に到着。
出てしまえば、どうってことない洞窟なのだが、
自分の姿も確認できない状況下では、
迫り来る恐怖感は、半端じゃない。

ひとりでは、まずクリアできなかっただろう。

富士山のふもとは、不思議がいっぱいだ。


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たぬき/山之口貘

2007-10-05 | MUSIC
てんぷらの揚滓それが
たぬきそばのたぬきに化け
たぬきうどんの
たぬきに化けたのしても
たぬきは馬鹿に出来ないのだ

たぬきそばはたぬきのおかげで
てんぷらそばの味にかよい
たぬきうどんはたぬきのおかげで
てんぷらうどんの味にかよい
たぬきのその値がまたたぬきのおかげで
てんぷらよりも安あがりなのだ

ところがとぼけたそば屋じゃないか
たぬきは生憎さま
やっていないんですなのに
てんぷらでしたらございますなのだ

それでボクはいつも
すぐそこの青い暖簾を素通りして
もう一つ先の
白い暖簾をくぐるのだ

    ●

この詩ではじめて「たぬき」に、合点した。

なるほど「たぬきそば」は
「てんぷらそば」に化けたって意味なのね。

諸説いろいろあるみたいだが、
この理屈がいちばん、説得力があるじゃない。

「きつねそば」は
油揚げが「きつね」に似ているからってな
理由だったような。

しかし、関西では
「たぬき」が油揚げをのせたそばで
「きつね」が油揚げをのせたうどん…
というからややこしい。

しかし、江戸の町民は、洒落があって、粋だねえ。


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紙の上/山之口貘

2007-10-05 | MUSIC
戦争が起き上がると
飛び立つ鳥のように
日の丸の翅をおしひろげそこからみんなで飛び立った

一匹の詩人が紙の上にいて
群れ飛ぶ日の丸を見上げては
だだ
だだ と叫んでいる
発育不全の短い足 へこんだ腹 持ち上がらないでっかい頭
さえずる兵器の群をながめては
だだ
だだ と叫んでいる

だだ
だだ と叫んでいるが
いつになったら「戦争」が言えるのか
不便な肉体
ともる思想
まるで沙漠にいるようだ
インクに渇いたのどをかきむしり熱砂の上にすねかえる
その一匹の大きな舌足らず
だだ
だだ と叫んでは
飛び立つ兵器の群をうちながめ
群れ飛ぶ日の丸を見上げては
だだ
だだ と叫んでいる
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頭をかかえる宇宙人/山之口貘

2007-10-05 | MUSIC
青みがかったまるい地球を
眼下にとおく見下ろしながら
火星か月にでも住んで
宇宙を生きることになったとしてもだ

いつまで経っても文無しの
胃袋付きの宇宙人なのでは
いまに木戸からまた首がのぞいて

米屋なんです と来る筈なのだ

すると女房がまたあわてて
お米なんだがどうします と来る筈なのだ

するとボクはまたボクで
どうしますもなにも
配給じゃないか と出る筈なのだ

すると女房がまた角を出し

配給じゃないかもなにもあるものか
いつまで経っても意気地なしの
文無しじゃないか と来る筈なのだ

そこでボクがついまた
かっとなって女房をにらんだとしてもだ

地球の上での繰り返しなので
月の上にいたって
頭をかかえるしかない筈なのだ


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年輪/山之口貘

2007-10-05 | MUSIC
ふと かれに出会って
ふと キスされて
ふと かれが好きになって
ふと すばらしいとおもって

ふと ほほえんで
ふと 大きなこえをあげて
ふと 未来をちかって
ふと うつくしい生活をはじめて

ふと 子供に見とれて
ふと かれの変化に気づいて
ふと 捨てられたことをしって
ふと 涙をながして

ふと ひとりぼっちになって
ふと 身よりをたずねて
ふと 顔のしわをみつめて
ふと 眼を閉じて


    ●

本日、眼科に行く。
2週間ほど前から右眼が充血。
まぶたの内側になんだかできものが。

ひととおりの検査をしてもらう。
視力、眼圧、内障など。
左眼が視力0.1となっていることに驚く。

うちまぶたの白いできものは
どうやらシコリのようなものらしい。
異物が入って出来た疵が、そのまま固まったようだ。

これも歳のせいか。

目薬でシコリを小さくはできるが、
完全除去は手術が必要…とのこと。

おいおい、今度は眼の手術?

なんだか、いろんなところが
支障をきたしている。

ははあ、頭が一番危ないって?
そうかもしれない。

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第一印象/山之口貘

2007-10-04 | MUSIC
魚のような眼である
肩は少し張っている
言葉づかいは半分男に似ている
歩き方が男のようだと自分でも言い出した
ところが娘よ
男であろうが構うもんか
金属的にひびくその性格の音が良いんじゃないか
その動作に艶があって良いんじゃないか
そう思いながら ひたいにお天気をかんじながら
ボクは帰ってくる
ボクは両手をうしろにつっぱって
ボクの胴体を支えている
ボクは緑の日向に足を投げ出している
足の甲に蠅がとまる

蠅の背中に娘の顔がとまっている

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