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沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【CINEMA dub MONKS】Live@青山Spiral

2009-12-22 | MUSIC
12月22日。火曜日。
冷え込み弛まる。
しかし前日の倉庫作業で風邪を引く。

まだまだ東京の冬には慣れない。

      ●

12月20日。日曜日。
表参道の青山Spiralにて行われた
CINAMA dub MONKSのLiveを観に行く。

クリスマスイルミネーションに彩られた表参道。
行き交うカップル、ショーウィンドウには物欲を刺激する品々。
地面から這い上がる冷気は完全に冬。

あとは舞い落ちる雪さえあれば
ロマンチックなクリスマスは完璧な演出…というわけで、
オシャレスポットSpiralで行われるCdMライヴだ。

今回は物語3部作の終章「永遠と一日」の発売記念として
物語オーケストラなる大所帯の編成で、まさに「物語」を奏でる。

メンツがものすごい。

オオヤユウスケ Polaris (voice/guitar)
ワダマコト CaSSETTE CON-LOS (guitar)
中村亮 element of the moment (drums)
生駒祐子 mama!milk (accordion)
清水恒輔 mama!milk (contrabass)
上運天淳市 KINGDOM☆AFROCKS (tenor sax)

どれだけ壮大な音楽が聴けるのだろう…と期待に胸を膨らませた
テーブル席のカップルたちも、多かったのではないだろうか?

実際、200名はいただろう。
当日券の立ち見席も今か今かと待ちかねた様子。

何しろ東京だ。
Spiralのイベントに来るような連中だ。
トレンドを身にまとい、いい香りを放っている。

…いったいどんな「物語」が聴けるのだろう。

      ●

終わってみると…私的には残念な結果だった。
やはり緻密な構成があってこそMonksではなかったか・・。

あらためて2002年の「TRES」を聴いてみる。

当時はダイホも相当ソリッドでストイックだったから、
奏でる音楽も下手をすれば怪我をしそうなほどパンキッシュだった。

ヤマグチくんの地面をたたくようなパーカッション、ガンジーの襲いかかるように刻まれるベース、
DJトミナガくんの浮遊するサンプリング、ダイホの鬼気迫るフルート、…そして影、影、影。

妖しげなスライドと、この4人の息づかいがあったから、
次なる展開が気になってハラハラドキドキさせられっぱなし。

…そして、決定的なことに気づいた。
…そうだった、CdMはダブを基本とした音楽だった。

dub…アーティスト名の真ん中に刻まれたこの音楽スタイルこそ、
CdMを魅力的にしていた要素だった。

街中のフィールド音を背景に、奏でる音をそのままサンプリングし、
アンプを通してループさせ、さらにフルートを乗せ、複層的な音の広がりを持たせる。

当時はDJトミナガくんが効果的な音源を随所に散りばめ、
右から左に風の音が抜ける…ような立体的な演出や、
爆音でbreakしてsilentから次の展開へ…といった場面転換も巧みだった。

しかし、そのような音の組み立ては、
メンバー全員の息づかいが一致していなければ成立しない。

暗闇では、音だけが頼りだ。

「このフレーズの後には、3拍のbreakがあって、ベースから入る。」
そんなキメが至る所にあったから、Live後は毎回のように反省会、ケンカも絶えなかった。

だからこそ、緊張感のあるステージに観客は魅了された。

      ●

2009年、CdMも結成10年だ。
欧州遠征の時代から数えても5年は経つ。

当然スタイルも変化する。メンバーも入れ替わった。
今回のように、奏者に委ねるカタチで物語を紡いでいくスタイルは、
最近特に顕著だけど、Jazzのインプロビゼーションに近いカタチで、
時には「神が下りた」ポリフォニックな昂揚ももたらすだろう。

しかしその域には、もう少し四つに組む必要がある。
メンバーの息づかいが合ってこそ、…である。

まずは、なによりdubだ。
複層的な音の配置は、ダイホの目指す音楽だ。
平田オリザの演劇を例に奥行き感を説いていた時代がなつかしい。

ダイホくん、
もう少しダイホイズムを主張しても、よいのではないかな?







Comments (2)
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