#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Breath Mark】LIVE@新高円寺STAXFRED

2009-12-28 | MUSIC
12月28日月曜日。仕事納めの日。
…と言っても、別に大掃除するわけではなく、
派遣のバイトを終了するだけの話。

本日は福山通運の配達補助。
南青山・西麻布をひたすら配達で回る。

華やかな街並み、行き交う人々。
豪奢なスタイルの欧州車を乗り回すマダム。
AMラジオからは忘年会の話題を、
面白可笑しく茶化すパーソナリティの声。

ボーナスとか忘年会とか豪奢なクルマとか、
今後一生、縁がないのだろうな…とぼんやり考える。
サラリーマンだったことが、遠い昔日に感じる。

      ●

12月23日。水曜日。
新高円寺の「STAX FRED」で行われた
Breath Markこと二羽高次氏のライヴを観る。

二つの羽で高い次元に…。そんな名前の通り、世界を違う稜線へと導いてくれた。
正直、東京に戻ってきて良かった…そう心底思えた一夜だった。

18年前、多摩美時代の音楽サークルは、わが「K-ON部」と「WESTERN」とに分かれていた。
何が違うって、WESTERNに所属していなかったので、真意は明らかじゃないが、
「K-ON」はお祭好きな快楽主義、「WESTERN」はひたすらカッコイイ芸術至上主義、
ま、なんといっても憧れのBANDは「WESTERN」に多かった。

その中でも群を抜いて色気を発していたのが、「PANTY SCANTY」なるバンドで、
チョーグルーヴィーなFUNKを、チョー粋なカッティングとチョーsexyなしゃがれ声で、
ステージ映え良くスタイリッシュに奏でるので、多くの男女が魅了されていた。

…で、そのVocalが、このBreath Markこと二羽高次さんだった。

なにしろ18年前なので音源も手元にないのだけど、
芸祭のステージに【パンスキャ】が出るとなったら、齧り付いて観てたもんだった。

      ●

18年ぶりに聴く二羽さんの歌は、まったく違っていた。

カッコイイが、スタイルだけじゃなく「生き様」にまで昇華されていた。
両手で心臓を鷲掴みにされ、ブルブル揺さぶられるような、
今までに聴いたことのない音楽として、この耳に届いた。

シャーマンに近い…語り部に近い…音楽。

たとえば「くじら」(音源はぜひともmyspaceでチェックしてほしい)

      ●

  綺麗に描いた 海の絵のように 波輝いていた
  あまりに広くて大きくて くじら 気が遠くなった
  魔法の島まで ひとっとびさ いつか見た 銀色の島へ
  輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す
 
  絶え間の無い子守歌のように 南風囁いた
  潮を吹いて虹を作った 水平線にもう とどきそうさ
  憧れの島 華やいでいる 綺麗な珊瑚も咲いている
  この海の深い砂に埋めた 本心をすべて さらけ出す

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした
  ただ恋しくて 切なくて ひとりぼっちで転がった
  誰かの言葉が聞きたくなって どうにも我慢が出来ないし
  右も左もしがらみだらけ おかげで今夜も転がった
  
  魔法の島までひとっとびさ いつか見た銀色の島へ
  輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  足りない足りない あぁ いつも何か足りない あいにく今夜はお月様もない
  このまま今夜も くらげの群れで 漂っていても 眠れやしない

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした

      ●

まるでくじらに跨って くじらの気持ちを代弁しているような
瑠璃色の大海原に苦悩するくじらが居て 星がまたたいている…。

これがギター1本、30名限定のステージで
かき鳴らす弦の擦れる音まで聞こえるような気密高い空間で
くじらが嘆くがごとくイタコ(ノロ)のように面前で絶叫されると…

自分たちがものすごく小さな存在で、
地球上にはまだまだ解らないコトがいっぱいあって、
人間の物差しでは測れない世界が大きく動いているってことを、思い知らされる。

      なんなんだ、この衝撃は(>_<)。








  
  
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【東京初仕事】Papyrus 2月号

2009-12-28 | works
12月27日。日曜日。
陽差し差し込む、見事な陽気。
先週と比べて5度ぐらい違うんじゃないか?
しかし東京はホント、雨が降らない。
ここまで乾燥してると、風邪も引くわ。
いまだに鼻水が止まらない。

      ●

本日発売の幻冬舎「Papyrus」2月号
記念すべき東京の初仕事が掲載されている。

撮影は11月19日金曜日。夜19時の新宿、面影屋珈琲店店内。

話題の人物を取り上げる「My Reason」のコーナーで
劇場版「東のエデン」公開に合わせて
監督の神山健治氏をインタビュー。

プレス用試写と一般試写の合間を縫っての取材…という強行スケジュールだったので、
とにかく撮影時間がない…とは、事前に知らされていたことだけど、
なにしろ初仕事。カタチにせねば…の気負いが先立ち、空回り気味。

そんな気負いが態度に出たのか、喫茶店のマネージャーから
撮影に関してクレームが入り、即刻撮影中止に追い込まれる。

20時までに次の現場である新宿ピカデリーへ移動…とのことなので、
インタビューをまずは敢行、撮影は中途半端な状態で宙ぶらりんに。

神山監督の話は聞き応えが十分で、どんどん広がりが出てくるのだが、
時間は容赦なく流れ、あと15分で切り上げなければならない状態に。

さぁどうする。…撮影だけ新たにセッティングし直せるのか…
先ほどの1カットをなんとかカタチにするのか…
こちらにしてみれば、あまりに中途半端で冷や汗が流れる。

あと5分で移動…という時に編集者が機転を効かせて
「新宿ピカデリーまでの道すがら、どこかで撮影しましょう」…と提案。
すぐさま店を飛び出し、ロケハンを行う。

 歌舞伎町を行き交う人々、ネオンサインが艶めかしい。

近未来を描く「東のエデン」に歌舞伎町の雑多な雰囲気は相通じるものがあり、
監督の撮影場所として適当ではないか…と、すぐさま蛍光灯の光源に撮影。
ほんの2,3分の出来事だったが、どうにか体裁を整うことができた。

      ●

しかし、こうやって掲載誌で自分の写真を確認してみると、
前後の写真と比べ、明らかに見劣りがする。

今をときめく笠井爾示佐内正史といった写真家が誌面に平然と並んでいるのだ。

見れば見るほど、「あちゃ~」なのである。

これから先、こういった著名な写真家と肩を並べていくのか…と
分不相応にも思考が広がっていくが、
雑誌に写真を載せるとは、つまりそういうことであって、
一写真家として、恥ずかしくないものを呈示していく責務がある…
というか、目指すべきはその領域な訳だし、

「リングに上がらなきゃ、勝ち負けもつかない」などと
一丁前な口上を述べるが、写真に勝ち負けなんかないのであって、

要は、彼らとはテイストの違う写真を今後は見せていかなければ…
仕事にもありつけないぞ…と。…ま、厳しい茨の道に入った2009年。

初頭には考えにも及ばなかった全国誌掲載が実現できて、
2010年、新たにふんどしを締める思い…なのである。



Comments (2)
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