気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

“ローソンTOB(KDDI)”とは

2024-05-13 23:24:23 | 企業戦略・企業ブランド・ビジネスモデル

KDDIが、2024年3月27日の決定に基づき、2024年3月28日~同4月25日に実施したローソンに対するTOB(株式公開買い付け)です。

KDDIは2024年4月25日時点で買い付け予定数の下限(全体の約3割にあたる約1445万株)を上回る約3903万株の応募があったためTOBが成立したとし、その結果を受け、公開買い付け決済開始日の5月7日付けで、ローソンは親会社の三菱商事とKDDIがそれぞれ50%ずつ出資する持分法(※)適用会社となったようです。

※企業が連結財務諸表を作成するにあたって「持分法(注)」を適用する対象となる関連会社のこと。注)企業が連結決算を行う際に、連結子会社以外の会社のうち、企業グループ全体の業績に影響を与える会社がある場合、その会社の業績を連結決算に反映させるために採用される会計方法

KDDIによる今回のTOBは、通信を軸として金融、決済、ECなどで構成する「au経済圏」を、全国展開しているコンビニを組み込むことにより活性化させ、先行している「楽天経済圏」に立ち向かう狙いがあったようです。また、全国展開している小売りチェーンをグループに置くことにより、それを持たない通信大手(ドコモ、ソフトバンク、楽天など)の経済圏との差別化を図ることも考慮されているようです。共通ポイント「Pontaポイント」のテコ入れも考えているようです。

関連資料(ローソン、2024.4.26)のサイトは、chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.lawson.co.jp/company/news/pdf/20240426lw_kddi.pdf です。


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“偽(にせ)広告”とは

2024-05-10 23:22:32 | セキュリティ技術・サービス・脅威

お金をだまし取るなどの悪意を持った何者かが個人や企業などになりすます形で表示や配信される虚偽の広告です。「フェイク広告」あるいは「詐欺広告」などとも呼ばれます。

従来からこの種の広告は存在していました※1が、2019年頃からAIを応用した画像・映像作成技術で作られた(とされる)偽広告(注:「ディープフェイク※2」とも呼ばれる)が出回るようになり、警戒感が高まっています。

この種の偽広告は、影響力のあるタレントや専門分野の著名人の画像や動画などが、(音声まで含めて)真偽の判別がつきにくいほどそっくりに加工され、本人になりすまして宣伝するような内容となっていたりします。例えば、有名芸能人になりすまして健康食品を推薦したり、著名な経済ジャーナリストや実業家などになりすまして投資を呼びかけたり情報商材を販売したりするものです。個人になりすます以外でも、企業ロゴのコピーを無断で使用して金融・証券関連の大手企業になりすますものも後を絶たないようです。

偽広告による直接の被害者だけでなく、なりすましにより仮の広告主に仕立てられ直接の被害者からの問合せへの対応に追われる著名人や企業などもある意味被害者であり、今後、このような被害者を出さないようにするための対応が急がれるところです。

AIを用いて作られた(とされる)偽広告による被害は、ある面で、AIを利用して公道を走る自動運転車によって引き起こされた事故による被害と似た側面があるように思います。責任の所在が歩行者なのか、自動運転車メーカーなのか、AIの設計者なのか、道路インフラなのか等、法の整備も追いついていないことなどから、切り分けが難しかったりします。偽広告による被害の場合も、同様に、ルール作りや法の整備等が追い付いていない状況であり、責任の所在が、偽広告に対しアクションを起こしてしまった被害者、広告を真偽判断せず掲載したSNS等のプラットフォーム、偽広告の設計者等の切り分けが現時点で難しい状況です。安全確保のための、国内だけでなく国際的な取り組みの推進が望まれます。

なお、「偽広告」に類似した用語に、インターネット広告の分野で使われる「広告詐欺(アドフラウド)」があります。例えば、後者についての関連ブログ("アドフラウド(広告詐欺)"とは、2017.3.25)は以下です。

https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/40e377f9ec02cf61cd4b3c79979709fd

※1 例えば、(1)会員同士がパソコン通信を行う環境において、第三者が会員になりすまし、「中古パソコンを××円で販売」との偽広告を会員に送信、購入した会員が代金をだまし取られるといった事例(1992年)、あるいは(2)中国の検索大手「百度(バイドゥ)」において、上海の有力引っ越し業者になりすました偽広告を掲載、当該業者に依頼した利用者が事後に広告の内容と異なる多額の引っ越し料金を請求されるといった事例(2010年)、など。

※2 AIで利用されている深層学習(ディープラーニング)と偽物(フェイク)とを組み合わせた造語。


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“新生Vポイント(CCCMKホールディングス)”とは

2024-05-05 23:46:27 | マーケティング・消費者行動

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)のポイント事業が統合し、2024年4月22日よりサービスを開始した共通ポイントです。CCCの「Tポイント」と三井住友FGの「Vポイント」が統合し、改めて新生「Vポイント」(”青と黄色の『Vポイント』”)としてスタートしました。運営会社であるCCCMKホールディングスへの出資割合は、CCCが6割、三井住友FGが4割となっているようです。

統合した背景として、共通ポイントで先行する、楽天グループの「楽天ポイント」(1.4億会員、注:楽天ID数)、NTTドコモの「dポイント」(9800万会員)、ソフトバンク系の「PayPayポイント」(6300万会員、注:アプリ登録者数)、KDDI系の「Pontaポイント」(1.1億会員)といった携帯大手4社の共通ポイントへの対抗意識が働いたようです。

知名度は高い(〇)もののDVDレンタル市場の縮小で苦戦している(△)”Tポイント”側と世界200か国・地域以上の1億店以上のVisa加盟店で利用できる(特に利便性の高いタッチ決済型クレジットカードで利用できる)(〇)ものの知名度に課題のあった(△)”Vポイント”側との思惑が一致した結果のようです。

Tポイント会員数とVポイント会員数を単純に合計すると1億5000万程度で、重複しないで数えた会員数では8600万程度になるようです。新生Vポイントが利用できる店舗は、既存Tポイント提携先の15万店舗および国内外のVisa加盟店(注:国内で750万店舗、世界で1億店舗)です。

なお、2024年4月22日以降、それまでのTポイント、Vポイントは、IDで連携させることにより合算できるようです。

プレスリリース(2024.1.9)のサイトは、chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.cccmkhd.co.jp/news/20240109_cccmkhd_vpointstart.pdfです。


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"スマートリング(エブリング)"とは

2024-04-25 23:21:10 | キャッシュレス決済・省力/省人化

エブリング(EVERING)(注:MTG(※)の子会社、2020年2月設立)が、国際ブランドVISAとの連携により、製造・販売する、”VISAのタッチ決済”に対応した指輪型の端末です。

※2017年8月に、スマートリングを開発した英新興企業「マクレア社」(注:VISAとの業務提携あり)を買収し、さらにスマートリング事業を日本で展開するためにエブリングを立ち上げた。

VISAのタッチ決済は、国際規格「NFC Pay」(近距離決済あるいは非接触決済とも呼ばれる)に準拠しています。スマートリングにはICチップとアンテナが埋め込まれ、それを指にはめて店舗の読み取り機にかざすと、電波で非接触の形で読み取られ決済が行われます。読み取り機側からの電波のエネルギーでICチップの読み取りが行われる仕組みでスマートリングに電池は不要です。充電の必要はありません。指に付けているリングをそのままかざすだけなので、クレジットカードやスマホによるタッチ決済よりもスピーディです。

VISAのタッチ決済の支払いには、(1)電子マネーのように事前にチャージして使う「プリペイド」タイプ、(2)通常のクレジットカードのように利用後に口座引き落としが行われる「ポストペイ」タイプ、(3)デビットカードのように利用時点で即時に口座引き落としが行われる「デビット」タイプの3種が用意されていますが、スマートリングは「プリペイド型」を採用しています。事前のチャージは専用アプリで可能ですが、オートチャージも用意されているようです。

このリングは、決済だけでなく、セキュリティ面の利用、例えば、オフィスの入館証やマンションの鍵としても利用できるようです。アプリからリングをロックする機能もあり、リング機能を一時停止させることも可能なようです。

リングは防水で、金属不使用(注:ジルコニアセラミックを使用)、リングサイズは18種用意され、購入の過程で指サイズを計測するようになっています。色は、白、黒の2種となっています。

価格は19800円(税込み)~、月550円(税込み)の分割払いプランもあるようです。

なお、エブリングは、NTTドコモとの業務提携を結び、2024年5月より、一部のドコモショップで、スマートリングの販売が始められるようです。下記のトピックス資料(2024.4.19付け)を参照。

https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_240419_00.pdf

また、関連ブログ("クレジットカードのタッチ決済"とは、2024.4.24)のサイトは、以下です。

https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/177f7a43ae0780158ee832d53794dca7


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"クレジットカードのタッチ決済"とは

2024-04-24 23:20:45 | キャッシュレス決済・省力/省人化

クレジットカードの読み取り形態に着目したひとつの決済方式で、購入者(支払者)自身がカードや(カードの登録された)スマホなどを読み取り機にかざす形態の決済方式です。VISA、JCB、Mastercard、American Express、Diners Clubなどの国際ブランドのカードで展開されています。

従来は、利用者から受け取ったカードを、店員が以下の(1)あるいは(2)のような操作をすることで読み取っていましたが、タッチ決済の場合は、利用者自身が読み取り機にカード等をかざすだけで電波により非接触の形で読み取られる形態です。このことから、タッチ決済は、「コンタクトレス決済」とか「非接触型決済」などとも呼ばれています。

(1)「ICチップ入りのカード」を利用者から受け取った店員等が読み取り機に差し込むことで読み取る、あるいは

(2)「磁気ストライプ付きのカード」を読み取り機上でスライドさせることで読み取る。

クレジットカードには、タッチ決済型だけでなく、上記(1)(2)のように読み取る従来タイプのものも利用されているため、カードを見て区別がつくように、タッチ決済に対応したカードの券面には、「電波マーク」が付けられています。

クレジットカードのタッチ決済は、従来の読み取りタイプと比較し、カードを店員に手渡したり、暗証番号(PIN:Personal Identification Number)の入力や署名をする必要も基本的には必要ないため、手軽かつスピーディな決済が可能であり、しかも衛生的とのことです。ただ、盗難されると不正利用されやすい点は了解しておく必要がありそうです。

なお、タッチ決済として、スマホやアプリを利用したQRコード(あるいはバーコード)決済が広く普及していますが、クレジットカードのタッチ決済では、スマホやアプリの操作が不要なためそれが不得手な人にはフレンドリーのようです。

クレジットカードのタッチ決済における読み取り機とカードとの電波による通信には、近距離無線通信規格のNFC(Near Field Communication)の「Type A/B」と呼ばれるものが利用されているようです。ちなみに、Suicaなどの交通系ICカードやおサイフケータイなど、事前にチャージして電子マネーとして利用するタッチ型カードや携帯端末では、「Type F」が利用されているようです。海外でのType Fの利用可能場所は制限されるのではないかと思われます。NFCについては、例えば、以下のサイトの説明を参照願います。https://e-words.jp/w/NFC.html#:~:text=NFC%EF%BC%88Near%20Field%20Communication%EF%BC%88

クレジットカードのタッチ決済は、我が国では海外に遅れを取っているようですが、政府によるキャッシュレス決済の推進(即ち、2025年までに普及率を4割に)の動きもあって、2018年頃からファーストフード店、コンビニ、スーパー、百貨店などで対応が始まり、東京五輪・パラ五輪予定の2020年頃から対応店舗などが増えていったようです。2018年、2019年の状況は以下のとおりです。

2018年:日本マクドナルドが一部店舗を除き対応(3月)、ローソンが全店舗で対応(9月)

2019年:イオンがVISAと連携し傘下スーパーなどで対応開始(3月)、三井住友カードが発行カード(VISA)にタッチ型を搭載開始(3月)、ゼンショーが「すき家」などで対応開始(7月)、京王百貨店がVISA、Mastercardで導入(10月)

関連ブログ(“キャッシュレス・ビジョン(経済産業省)”とは、2018.8.14)のサイトは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/9fa537a85350d7914d45eba5cafa53b2です。


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"NTTドコモとアマゾンとの協業"とは

2024-04-20 23:43:31 | 企業戦略・企業ブランド・ビジネスモデル

NTTドコモとアマゾンジャパンとが2024年4月10日より開始した、決済やポイント事業に関する協業、具体的は以下の2点についての協業です:(1)ドコモ運営の共通ポイント「dポイント」に関する協業、(2)アマゾンの有料会員向けサービス「Amazonプライム」に関する協業。

「dポイントがAmazonでのお買物でたまる!つかえる!」、「ドコモを通じてAmazonプライムにご登録いただくとdポイントが毎月120ポイント還元」といったフレーズが付けられています。

今回の協業において、dポイントを貯める、使う、還元されるなどのサービスが以下の3つの対象毎に用意されています:(1)ドコモ回線の契約のある顧客向け、(2)ドコモ回線の契約がありかつドコモ経由でAmazonプライムを登録した顧客向け、(3)すべとの顧客向け。

NTTドコモ、楽天、ソフトバンク、KDDIなど携帯電話大手各社では、携帯電話契約数の増加が今後鈍化していく傾向にあることを案じ、顧客を金融サービスの方へ誘導し「非通信」事業を成長させていくために共通ポイントを軸とする経済圏を拡大させようとしており、その競争が激しくなりつつあります。今回の協業は、NTTドコモにとって上記のような動きの一環と考えられます。特に、dポイント事業においては、EC(電子商取引)面の弱さが指摘されていたこともあり、それを補う狙いがあったようです。

一方、2000年に日本市場に参入したアマゾンでは、ネット通販においてAmazonポイント以外の他社ポイントを貯めたり使ったりできるのは、今回のdポイントが初めてのようです。ポイント還元率が高くなりやすいサイトを集中的に利用するような消費者を如何にして取り込むかが課題であったアマゾンにとっても、今回の協業は追い風であったようです。

報道発表資料(NTTドコモ&アマゾンジャパン、2024.4.10)のサイトは、https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/04/10_00.htmlです。


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“エコメルカリ便(メルカリ)”とは

2024-04-02 23:14:59 | 宅配便・輸配送(管理)サービス

フリマアプリ大手の「株式会社メルカリ」(2013年2月1日設立)が、「SBS即配サポート株式会社」(1993年3月設立、旧 SBSサポートロジ株式会社、株式会社総合物流システム)と連携し、2024年3月28日に開始した、出品者-購入者間の荷物配送サービスです。

具体的には、以下のような配送方法です(注:より詳細な手順は、プレスリリースの内容を参照)。

・荷物サイズは3辺合計100cm以内(宅配便100サイズまで)、10kgまでで、配送料は一律730円(税込)。

・出品者は駅やコンビニ「ローソン」に設置の”スマリボックス”から荷物を発送し、購入者は場所指定により「置き配」で受け取る。

上記配送サービスの提供により、(1)出品者が荷物のサイズの測定や送料の調査といった手間に対して感じていたストレス(※)から解放され、(2)再配達不要なことからエコな配送サービスが実現できる、とのことです。

※ メルカリ利用者へのアンケートによりストレス項目を確認

サービス対象の地域は、当初は、1都3県(神奈川、埼玉、千葉)ですが、その後、拡大していく予定とのことです。

プレスリリース(2024.3.28)のサイトは、https://about.mercari.com/press/news/articles/20240328_eco-mercari/です。


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"リテールメディア"とは

2024-03-07 23:08:11 | マーケティング・消費者行動

小売業者(”リテーラー”)が、商品販売等の営みに関するデータ(即ち、顧客の購買データや行動データ等の”ファーストパーティ・データ”)を活用することにより、メーカー等の広告主に、広告媒体(”メディア”)(例えば、店内のスペース、小売業者自身のWebサイトや関連アプリなど)の一部を提供し、収益を上げる仕組みを指しているようです。

小売業者にとって、商品の売り上げによる収益の他に、広告事業として新たな収益を得られるメリットがあります。我が国では、2021年頃から(注:欧米ではそれに先んじて)この種の広告事業を展開する小売業者やそれを支援する事業者が登場し、進展を続けているようです。

Webサイト(特に検索エンジン)や電子メール、アプリなどに掲載される”インターネット広告”では、広告配信のために、小売業者でも広告主でもない第三者的な「広告配信事業者」が、”サードパーティ・クッキー”に保持された行動データを基に、インターネット利用者の興味関心を導き出し、それを利用するなどしていました。

”リテールメディア”では、小売業者自身が保有する、顧客の行動データや購買データを活用する点が特徴となっています。インターネット広告で活用していたサードパーティ・クッキー上の行動データの分析から得られる情報は利用しなくてよいため、インターネット広告で問題視された”プライバシー問題(※)”も避けて通れるようです。

上記のようなことも背景にあって「リテールメディア」が登場し、広告主、小売業者の双方にメリットもあることから脚光を集め、急速に広まりつつあるようです。

※)インターネット広告では、サードパーティ・クッキーの利用がインターネット利用者のプライバシーを侵害するおそれがあるとして、2020年前後から欧米において、その利用を制限する動きが起こっていました。そのため、Googleなど大手の広告事業者や広告主などは、サードパーティ・クッキーを利用しない広告配信、広告掲載への軌道修正に迫られることとなりました。この辺りのことは、例えば、以下の文献を参照。

”インターネット広告手法(広告掲載の仕組み)の進展と今後の展望”、流通経済大学流通情報学部紀要 25 (2), 55-73, 2021-03-10

関連ブログ(“ネット広告におけるターゲティング手法の変更(グーグル)”とは、2021.3.6)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/c23385a6e12ee851b4bfbf08f84e8d01です。


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"フードファディズム"とは

2024-03-05 23:30:27 | 食生活・健康

食べ物や栄養が健康、病気に与える影響を過大に信じたり評価すること、即ち、(健康にいいからと言って)特定の食材や食品を偏愛してそれだけを摂取したり、逆に(健康を害するからと言って)全面的に避ける(忌避する)、といったことを指しているようです。”food faddism”と綴り、”faddism”とは、”熱狂”、”大流行”などと訳され、一時的な流行を熱狂的に信じること、といった意味のようです。

「○○さえ食べればやせる!」、「長生きしたけりゃ△△を食べるな!」など、テレビやネット、書籍などで取り上げられると、その食品のみを食べ続けたり、逆に食べるのを避けたりする人も少ないないようです。しかしながら、それが栄養のバランスを欠いた偏った食生活につながり、逆効果に陥ってしまう危険性があるということで、フードファディズムが健康的な生活を送る上で問題となることが指摘されているようです。

瞬時に短文をやりとりするSNSが普及している現代では、物事に対して熟慮なしに判断してしまう傾向に陥りやすく、しかも似た考えを持つ者同士が交流する傾向があることから視点が偏ってしまうことも起こりやすくなります。こうしたことも、フードファディズムが問題化する背景のひとつにあるようです。ちなみに、アメリカでは1950年代にすでにフードファディズムが問題になっていたようです(※)。

※”フードファディズム”、時事用語事典(田島眞、2009/2)を参照


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"誤情報、偽情報"とは

2024-02-25 23:58:06 | セキュリティ技術・サービス・脅威

「誤情報(ご情報、Misinformation)」とは正しくないあるいは間違った情報であり、「偽情報(にせ情報、Disinformation)」とは(人々をあざむいたり、混乱させたりするために広められる)嘘(うそ)の情報です。前者は情報の正否の観点から客観的に表現された言葉のようで、後者は誤情報の中でも特に何等かの意図に基づいて作り出された情報を指しているようです。

上記のいずれの言葉も、「生成AI」によって作り出された、正否の判別の付きにくい情報が、SNS等で最近出回りつつあり、今後の特にインターネット社会にとっての脅威となり得ることから、新聞紙上等を賑わせています。

これらの言葉を厳密に定義するのは難しいようです。また、それ以前の問題として、日本語の「情報」という言葉そのものの定義も、現在において定まっていない状況です。「情報」について、例えば、wikipediaでは、以下のような4通りの定義(説明)が示されています。

1) あるものごとの内容や事情についての知らせのこと。
2) 文字・数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手において、状況に対する知識をもたらしたり、適切な判断を助けたりするもののこと。
3)生体が働くために用いられている指令や信号のこと。
4)(情報理論(通信理論)での用法)価値判断を除いて、量的な存在としてとらえたそれ。

ちなみに、「情報」という言葉は、明治時代初期に酒井忠恕(ただひろ、1850-1897)という人によって造られたとのこと(※1)であり、最近になってから日常的に使用されるようになったようです。

※1 以下の文献を参照
小野厚夫:明治期における情報と状報、情報処理学会第42回全国大会講演論文集、pp. 43-44、1991-02-25.
小野厚夫:情報ということばを訪ねて(1)、IPSJ Magazine Vol. 46 No.4、pp. 347-351、 Apr. 2005. 

余談になりますが、2016年に小学館「大辞泉」が実施した『あなたの言葉を辞書に載せよう。2016』キャンペーンでのひとつのテーマ「情報」への投稿から、以下のようなものが優秀作品として選ばれているようです(※2)。

-振り回されてもしがみついてしまうもの。
-有り過ぎると無いに等しくなるもの。
-人をも操れる形の無いもの。
-受け手によって意味の変わるモノ。
-嘘か真か見極めて利用しなければならないもの。
-簡単に信じてはいけないモノ。使いようにより武器にも弱点にもなる
  諸刃の剣。
-賢く取捨選択しないと踊らされてしまうもの。
-ウィキペディア。

※2 https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%83%85%E5%A0%B1/を参照


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