2517、上映禁止

中東歴訪中の阿部首相は16日、最初の訪問地エジプトのカイロ国際空港に到着しました。
1956年公開の「十戒」という映画がありました。（日本公開は1958年）
旧約聖書の「出エジプト記」を基にしたモーゼの物語です。
エジプトで虐げられていたヘブライ（イスラエル）の人々をモーゼが導き、エジプトを脱出するというものです。
追ってきたエジプトの軍勢に紅海に行く手を阻まれますが、モーゼが杖を打つと紅海は2つに割れ無事に脱出できた、というものです。
チャールトン・ヘストンが演じたモーゼの姿は今もよく覚えています。

同じ「出エジプト」を描いた米映画『エクソダス：神と王』がアメリカで公開中ですが、エジプトでは上映禁止になりました。
アスフール文化相は「シオニストの観点から描かれている、旧約聖書では、イスラム教の預言者でもあるモーゼが、虐げられていたイスラエルの人々を率いて紅海の水を割り対岸へ渡ったとされるが、エジプト当局はこの出エジプトの場面などに複数の誤った描写が含まれる」と主張しています。
脱出したヘブライ人が善、虐げていたエジプトが悪、という構図はエジプトとしては納得しがたいものがあるでしょう。
最近は民族や宗教間の争いが深刻で、映画の表現も難しくなってきました。
日本では1月30日から公開されます。
モーゼの妻ツィポラ役の日本語吹き替え声優は最近結婚したばかりの杏さん。
『エクソダス：神と王』のモーゼ像（姿）は、チャールトン・ヘストンが演じたモーゼとは大分違っています。