乾燥地での塩害発生を緩和し、持続可能な農業実現に貢献しようと
取り組んでいるのが女子2名。水の国際大会に出場する日本代表チームです。
彼女たちの研究対象のほとんどが土壌。
したがって農業高校ながら植物を積極的に栽培していません。
しかし唯一行なっているのがこのレタス栽培。
再現した塩害土壌で育つのかペットボトルで作った装置で栽培しているのです。
これは対策を行わない塩害土壌に植えられたレタス。
そもそも乾燥地の設定なのでかん水量はとんでもなく少なめ。
レタスは半死状態に見えますが、強いものでなんとか生き延びています。
ところが塩害土壌区はこのように葉が枯れてきました。
見た目から判断して、病気ではありません。
これにはいくつか理由が考えられます。まずは水不足。
土壌にはわずかな水分しかありません。次は土に含まれている塩分。
水の蒸発に伴いナトリウムが上昇してくるため
塩分濃度が高くなり生理障害を引き起こしているのです。
レタスはとても耐塩が低い野菜。普通の野菜ならなんでもない環境でも
過乾燥や塩害を受けるとカルシウム不足になるなど
すぐ影響を受けてしまいます。これがレタスやトマトのチップバーン現象です。
しかし彼女たちが対策を施したレタスは最初、乾燥で少し萎びましたが、
今は持ち直し元気。新しい葉がどんどん生まれ、生理障害も起きていません。
よく考えると三和土チームのトマトもこのレタスも過乾燥や塩分による
カルシウム不足などによる生理障害。三和土チームはスプレーで
カルシウムの葉面散布、水研究チームは土壌の下にカルシウム層。
面白いことに同じ現象に同じ対策で立ち向かっていました。
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