今日は、A級順位戦 ▲屋敷9段 VS △渡辺竜王 の好カードがありました。
先手では、絶大なる勝率の屋敷9段が渡辺竜王をどう迎え撃つか興味があったのですが意外にもあっさり終わってしまいました。
研究合戦のうちに研究に穴があるといっきに形勢が傾いてしまうのです。今回も最近流行している矢倉91手組みになりました。なんと91手まで同手順が続くのです。91手といえばもう終盤戦です。どちらかに形勢が傾いているはずそれでもプロは指すのですから難解なのでしょうか?
91手組みの仕掛け前が下図です。
ここから ▲3五歩△同銀▲同銀△同歩▲1五歩・・・と仕掛けていくわけです。
手順は、棋譜データベースの渡辺VS豊島戦を参考にしてください。 http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=76131
そこで91手が終わったところが下図です。
一応 後手玉は、▲1一銀以下の詰めよになっています。 ちょっと前の王将戦で先手を持って指した渡辺竜王が後手を持って指すからには自信があったと思うのですがここからあっさり寄せられてしまいました。 まあ新聞の解説が出るこるには真相がわかりますが 手順を追ってみましょう。
ここから△4三金▲4一竜△4二歩▲3四歩△1四歩▲1一銀 (次図)
王将戦の時は、先手の渡辺竜王は△4三金に対して▲4五桂と指しましたが 屋敷9段は、▲4一竜と迫ります。 以下最後の▲1一銀が研究から抜けていたのではないかとかってに想像します。 いかにも上に逃がす手だからです。
以下△1三王▲3六桂△同成銀▲2五歩 (次図)
見事に捕まっていますね。以下△1二金▲2二銀△同金▲同銀不成△同王▲2一金△1三王▲3二竜△7九銀▲同金△2八飛▲6八歩△2五飛成▲3三銀△同金▲同歩成△3四角▲3四金・・・まで屋敷9段の勝ち (次図)
とまあ意外な結果に終わりました。渡辺竜王が大量に持ち時間を残して敗戦となりました。
ただここまで進む定跡もあまり流行すると面白くないですね。なんか終盤戦だけの感じで。
この91手組みもそろそろ結果が出てもいいのではないかと思いますけどね。
開始日時:2012/11/05 10:00
棋戦:第71期順位戦A級5回戦
持ち時間:6時間
消費時間:99▲246△140
場所:東京・将棋会館
先手:屋敷 伸之九段
後手:渡辺 明竜王
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩
▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金 ▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金
▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲6七金右 △7四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉 ▲8八玉 △2二玉
▲4六銀 △5三銀 ▲3七桂 △9四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲2六歩 △7三角
▲3八飛 △2四銀 ▲1八香 △9五歩 ▲6五歩 △8五歩 ▲2五桂 △4二銀
▲3五歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲1五歩 △3七銀 ▲3九飛 △1五歩
▲6四歩 △同 角 ▲1五香 △同 香 ▲6五銀 △2六銀成 ▲6四銀 △同 歩
▲3五飛 △2四銀 ▲1三桂成 △同 桂 ▲1四歩 △3五銀 ▲同 角 △1二歩
▲1三歩成 △同 歩 ▲7一角 △2五成銀 ▲4四角上 △同 金 ▲同角成 △3三銀
▲3四桂 △1二玉 ▲3三馬 △同 金 ▲2二金 △同 飛 ▲同桂成 △同 玉
▲8二飛 △3二歩 ▲8一飛成 △4三金 ▲4一龍 △4二歩 ▲3四歩 △1四歩
▲1一銀 △1三玉 ▲3六桂 △同成銀 ▲2五歩 △1二金 ▲2二銀打 △同 金
▲同銀不成 △同 玉 ▲2一金 △1三玉 ▲3二龍 △7九銀 ▲同 金 △2八飛
▲6八歩 △2五飛成 ▲3三銀 △同 金 ▲同歩成 △4五角 ▲3四金 ・・・まで屋敷9段の勝ち
明日から4日間ほど新宮、串本方面に出張です。初日はネット環境があるビジネスホテルですがあとは不明なので、ネットにアクセスしないで読書にふけるつもりです。読書の秋ですから。
100手目なんですが、実戦の△3六同成銀以下は後手の勝ち目がないようですが、代案として△1二金と受けたらどうなるのでしょうか?
次は多分▲3二竜くらいで△1一金と進み…