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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

便利な水道栓は無駄を招く

2007-10-04 | 環境
台所の流しにある水道、駅のトイレの手洗いなどいろんなところの水道の栓が最近変わってきた。これまでの栓をねじって水を出すやり方から取っ手を上げたり下げたりして水を出したり止めたりする方法である。我が家の水道もご多分に漏れずいつの間にかこの方式になっている。たしかにこのやり方は力を入れずに簡単に水を出したり止めたりできる。

  いつかの新聞で読んだが、この取っ手の上下がメーカーによってまちまちだから、水を止めるつもりで出してしまったり、その逆をやったりと不便だという意見が出ていた。たしかにまちまちで、駅の洗面所などでは間違えることがときどきある。我が家の洗面所の水道は上に上げると水が出る仕組みになっている。皆さんのおうちではどうでしょうか。最近は比較的統一されてきたように思う。

 私がここで言いたかったのは実はそんなことではない。この取っ手は便利で簡単ではあるが、実は相当問題が多い。というのは、まず水の調節が難しい。取っ手を上に力強く上げると勢いよく水が出る。少し力を入れると水が出すぎてしまい、少しの水で手洗いできるのに多くの水を無駄に使ってしまうのだ。その点、昔の手でねじるタイプの水道栓は微妙な調節ができて節水には申し分ない。

 水の無駄遣いだけではない。最近の水道は温水も出るようになっていることが多い。昔の水道栓の場合は温水の出る場合でも赤い色の栓をひねらない限りはお湯は出ない。赤い栓と青い栓をひねってうまく温度を調節して使うことができる。温度の調節は最近の取っ手方式の方が簡単である。取っ手をもっとも右に寄せれば冷たい水が出るし、もっとも左に寄せれば熱いお湯が出る。便利さから言えば最近の方式が圧倒的に便利だ。

 しかし、問題は使う側にある。昔の方式ならお湯を使わないときは赤い栓をはじめからひねらずに青い栓だけで水を使う。しかし、今の方式だと取っ手を中央に設定しているとかならずお湯を少しは使う設定になってしまう。北海道の寒い土地ならいざ知らず、たいていの場所では夏に手を洗うのに水だけで十分である。しかし、今のやり方だと意識して取っ手を右いっぱいに寄せておかないとかならず多少はお湯を使ってしまう。お湯を使うと言うことは、ガスなり電気なり灯油なりを使うことである。夏の暑いときに手を洗うだけに多くのエネルギーが使われる結果になっている。これはこの省エネを要求されるときに非常な無駄なエネルギーが大量に使われていることにならないか。

 私は水道を使うときはかならず取っ手を右にいっぱい回してから水を出すようにしている。埼玉県なら冬でもお湯を使う必要はほとんど無い。お肌の手入れがお湯でなければできない人以外は、冬でもお湯はいらないのだ。水を出すときのわずかな力の節約と便利さを求めたことが、莫大なエネルギーの無駄遣いにつながっている。水道器具のメーカーは是非そこのところを考えてもらいたい。まだ昔のままの水道栓を使っている人はぜひそのまま使い続けてほしい。流行に乗って無駄なエネルギーを使う必要はない。お金も無駄になるのだ。

 我が家でも昔のスタイルに変えたいと思っているが、これは家庭内の力関係という別の問題があるので一筋縄ではいかない。一度新しくしたものをまた取り替えるとお金も安くない。とりあえずはなるべくお湯を使わないように右いっぱい回してから使うことを心がけよう。駅など公共施設の水道栓もできるだけ昔の水とお湯が別々になった方式を使ってもらいたい。