ＳＶＵ Ｓ５-１０「罪なき罪」追記

感想です（ペコリ）


コレ・・・・私は、これは『SVU』とは・・・言えないと思う。
もっと分かりやすく言うと、
このエピを、『SVU』の名作orベスト、とは言わないと思う。
コレは、もっと・・・普遍的なように思えます。

このエピを見た人は・・・って100%じゃないんでしょうが
多くの人は、忘れないと思う。
このエピは、人が心の奥底に沈殿させているもの、
日頃は意識しないし、多分忘れているもの。
というか、忘れたいと思っているもの、の方が正しい表現かもしれない。
でも、何かの拍子で、思い出してしまうもの・・・

そういうものに、触れてしまう。そういうエピ、だと私は思いました。

ドラマでは、子供&子育てに関して、ですが
この枠に留まらず・・・子供や子育て、だけではなく
人が人生を歩んできて、多分誰でも体験したようなこと。
それも・・・・残念ながら・・・思い出すもの嫌なこと。
それを、思い出させる・・・そういうドラマ、というのが、私の考えです。

そういう考えから、『SVU』として名作とは、言わない。
でも、決して忘れられないし、何かの拍子に思い出すドラマ。
そういう気持ちでいます。

原題『Saken』、Shakeの過去形、で良いですかね？
揺さぶった、振った、（身体を）揺さぶった、が一般的。
加えて、（精神が）動揺した、という意味もあります。
そして・・・（信頼が）揺らいだ、もありました。
う～ん、どれもドラマに当てはまると思う。
広範囲に受け止められるって思ってイイと思う。

で、邦題「罪なき罪」って・・・なんでしょうか？？
御無礼な私は、邦題に噛み付くこと多し、ですがね（ゴメンなさい）
邦題を考えて下さっている方々の御苦労も、お察ししますが・・・
でも、タイトルって、大事だし。先入観を持たせることにもなるし。
この邦題だと・・・エブリンに罪が無いってことですか？
悪気（＝殺意）はなかった・・・でも結果的に罪になってしまった。
そういう意味での邦題なんでしょうか？
もちろん、ドラマの流れはその通りなんですがね。
でも、ドラマで訴えたいことは、それ以上のことなんじゃないかな？

私は、この邦題・・・・・・・「・・・」で御座います（ゴメンなさい2）

さて、ドラマに突入！致しますわ（前置きが長いって・笑）

先ずは、ステイブラーとクレイゲン、のコンビ、ですね。
って、クレイゲンが、積極的に関わっている風でもなく（ドン、ゴメン）
まぁ、時々船頭役的に出てくる程度でして（そうだよね？）
でも、今回はステイブラー単品、で十分ですし、
って、ぜひ単品でお願い！な内容だと思います。
ベンソンは、役者の方の御都合でしょうか？
それとも、今回は控えて、なんでしょうか？

オリビエ・ファンの方には、申し訳ありませんが
今回は、不在で、良かったと思います。
いや、ベンソンがいると、聞くでしょ？ステイブラーに（多分）
ドラマの途中で、ステイブラーが話しては・・・ちょっとだし・・・
まぁ、ラストにベンソンが聞くってこともあり、でしょうが、
慰めの言葉など言われると・・・どうよ？となるかと（私はそう思う）

クレイゲンって・・・つまりは・・・暴れん坊のお助けマンて的役割があって。
ありますよね？ね？ねね？？
ほら、ローガンも、何かと直ぐクレイゲンの元へ～ですから（笑）
多分説教染みた事言わない。言っても、控えめに程度。
お前が決めるんだ・・・的で、まぁ聞き役と言えばそうなんだが
受け止める役割って思っています。
だから・・・ラストのステイブラーの言葉も、独り言といえばそうなんだと。
クレイゲンは、何も言わず、帰ろうっていうだけ。

でも、慰めの言葉を貰っても・・・何一つ慰めにならないし。
同情されても、その優しささえ、疎ましい・・・自分はそれに値しないと感じるし。

だから、今回、クレイゲン配置は英断、かと。

加えて！クレイゲンの言葉！！

「・・・これがSVUだ。白と黒だけじゃない」

コレは、効いたよね！
もう、このエピは、このドンの言葉で、全てが語られていると。

SVUを変換して・・・過去、人生、思い、気持ち、過ち等々・・・
そして。白と黒と分けられるものじゃない。
白じゃなかったら黒なのか。
黒じゃなかったら白なのか。
そうじゃない。白でもあり黒でもある。そして他の色もある。

私、もう感想は、この言葉、書いておけば良いんじゃないの？とか思いましたわ。
あぁ、決してサボろうとは・・・（笑）

ステイブラーが、自分をエブリンを重ねているのは、早くから分かる。
加えて、多分自分の子に何かしたんだろってことも分かる。
ついでに加えると、まぁ殴ったんだろうナァってことも想像できる。

私、ステイブラーがエブリンに接する時、
まぁ、ルーシーの装置を～ってことなんですがね。
「切ろ」とか「切るんだ」ではなく、「切ってくれ」っていう感じ。
エブリンに懇願しているような、と思えました。
まぁ、エブリンに言っている＝自分に言っている、なんでしょうがね。

勇気を出せ、自分！ってな感じ、かな。

前半、お約束で、疑わしい方々出ては消え、ですね。
自分が～と言い出さないエブリン・・・保身？
う＝ん、私は、もうどうすればイイのか分からない&怖い
って感じに受け止めました。
オロオロ・・・って感じで。どうしようって思っている間に、事態が動いていく。

何度か、神の名を口にしていますね。
これは、神に助けを求める＝ある意味逃げている、と思いますかね？
う＝ん、そう思う方もいるかも・・・だわ。

私は、この点はステイブラーに注目！でした。

ステイブラーも、神に決めて欲しい、と思っている（私はそう思う）
でも、自分で決めねばならない、と思っている。

自分で決める。何を？ルーシーの命を切ること。
これは、慈悲でもあり、親の愛情でもあり、責任であるともいえる。
そして、これこそが、エブリンへの罰であると思う。

有罪になり刑に服すよりも、もっと残酷で過酷な罰。

ステイブラーは、自分の娘モーリーンの顔を叩いてしまった。
ラストの告白、ですよね。
除隊直後で無職。妻は妊娠中・・・ストレスが堪りに堪っていることが容易に想像できる。
そこにモーリーンが、高価なカーペットにジュースをこぼしてしまった。
カッとなり・・・力ずくで顔をたたいた、と。

エブリンも、同様。
夫を亡くし、娘を育てる為、働いている。
子供はシッターさんに預けっぱなしで、子育てしていないって表現されていますし
上司との不倫で・・・どんな母親だよっていう見方もできると思う。
しかし、仕事や娘、家のことや様々な雑事・・・自分しか頼れない状況。
そこに、フッと安らぎを求めて・・・という心理・・・分からんでもない。

ステイブラー、そしてエブリン・・・同じなんじゃないか？
いやステイブラーは、不倫していないだろ？と、まぁ思うでしょうが
追い詰められ感は、同じなんじゃないかな？
それに付け加えると、
エブリンが、ルーシーを揺さぶった、よりも
ステイブラーがモーリーンを力ずくで叩いた、方が怖いって。
ステイブラーに叩かれたり殴られたら、大の男でもKOだわよ。
時には。命も危険になるような・・・・

モーリーンに何事も無かった、のは運が良かった。幸運だった。
で、片付けられない・・・それがステイブラー、ですね。
エブリンに自分を重ね。
同じ罪を犯した者同士。

罪を犯した結果が・・・・
ルーシーを安らかにさせてやれ。それが親の務めじゃないのか。
そして、自分の犯した罪を償う・・・償いきれないが・・・
そう償いきれない。死んでも背負う罪。
そういう罪を、俺達は犯してしまったんだ・・・
そして、自分の娘に死を下すという、惨い惨い決断をすることが
俺達の罰なんだ。

神に助けて欲しい。誰かに助けて欲しい。
でも、誰も助けてくれない。そしてこれは神に縋ることじゃない。
決めるのは自分。罪を犯した自分。
神に祈るのは・・・決断を下す勇気をお与え下さい、ということ。

自分で決めねばならない。それが罰。

・・・・・これが、私の思ったことです。


・・・・・・・・・・・・・・・

僭越ながら、自分の体験をチョッと。

自分で決める。文字で書くと簡単。言うのも簡単。
でも、本当に本当に自分で決めねばならないことがある。
それも、自分以外の人のことで。
その人の命、人生を決める決断を、自分がする。その必要がある。

私は・・・次男で、それを決めました。
恐ろしかった。今思い出しても恐ろしい。

次男の人生を決めてしまうような決断。

結果的には、それは良い方向へ。
でも、もし違ったら・・・

自分で決める。その恐ろしさを、私は知っているつもりです。

だから・・・このエピの怖さ・・・・
ステイブラーが恐れるものが、ホンの少しかもしれないが・・・・

・・・・・・・分かった様な気がしました・・・・・


いやいや、長々と失礼しました（ペコリ）