マンハッタンの中心街。だが、ちょっとした小道に入った店。
一見単なるオフィス・ビルに見えるが、穴場的バーがあるのだ・・・・
「ハ~イ、お疲れ様~。やっと週末だわ~」
「ハイハイ、お疲れっと。さぁ、飲もう!」
「さぁ、食べよう!」
「・・・アビー・・・いつも通り、食い気優先ねェ・・・」
「ほら、食べて飲んで。足りる?グラス、もっと頼む?」
「イイわよ。ひと先ず一杯やろう・・・コニー、今夜の幹事、あなただっけ?」
「そう、私よ。ココ、予約取るの大変な店なんだから」
「ヘェ~よく見つけたわね。誰かに教えてもらった?」
「ウン、ほら、以前に陪審員やって、私を気に入った人が~」
「って、コニー!陪審員と話すのは禁止では?」
「いやだぁ、いきなり真面目モードなの、セリーナ?
ちょっと話しただけ。勿論裁判が終った後にね。
幹事になったから、オシャレな店探しているって話したら、教えてもらったのよ」
「そうなんだぁ・・・コレ、美味しいよね(モグモグ)」
「そうそう、アレックス。いっぱい食べてね。ホラ、これもどう?」
「ちょっと・・・なんで、アレックスの前に、お皿がいっぱいなの??」
「・・・・アビー・・・幾らでもオーダーしても、いいのよ・・・・
だから、アレックスに噛み付くの、止しなさいよ」
「・・・お疲れ~フゥ~やっと逃げ出せたわ。
オッ、私にもグラス・・・あぁ、アリガト、コニー」
「いえいえ、どうしたの、ジェイミー?遅れちゃって」
「ウ~ン・・・もう一杯くれる?・・・フゥ~美味しいワァ(と3杯目に突入)
ジャックの機嫌を取っていたのよ・・・
だれ?ジャックの機嫌を損ねたのは?」
「え~?」
「ほんと?いや、私じゃないわよ」
「ジャックの機嫌が?全然知らなかったわ」
「・・・もしかして・・・私?」
「何か、心当たりがあるの?コニー?」
「え~・・・ほら、裁判中にジャックがメモに落書きするでしょ?
何か熱心に書いている振りして・・・みんな、知っているでしょ?」
「ウン、知ってる・・・で?」
「裁判が終った後、書いた絵を自慢げに見せるから・・・
いや、私も精一杯頑張って、褒めようとしたのよ。
で、『猫そっくりですね』って言ったら・・・」
「犬だ!でしょ?」
「・・・・そう・・・猫じゃなくて犬なんだって。ビックリだわ。
だって、どう見ても!逆さまにしても、横向きにしても、猫よ、あれ」
「・・・だから、ジャックは犬の絵しか描かないんだって」
「ジャックが見せる四足動物は、犬ですね、と言えばイイのよ。
それで、丸くおさまるんだから・・・」
「だって・・・耳が三角だったのよ!三角は猫でしょ?」
「だから・・・ジャックには絵心なんかないんだから・・・犬って言っておけば?」
「そうそう。絶対犬しか描かない、らしいから。
でも、なんで、あんなに自信持ってるの?誰か、ウソでも褒めた?」
「イエイエ、そんな無謀なこと、しないわよ」
「そうそう、それにどう見ても、褒めるような絵では・・・」
「私、褒めたことあるわ。スゴイって。そっくりだって」
「・・・・アレックス・・・あんた、なんてことを・・・」
「このコ、なんでそんなことするのかしら?恐ろしい・・・」
「だって、トラそっくりだったのよ。模様もあったし」
「今度はトラ?・・・・一体、どうなっているのよ?」
「つまり、コニーのひとことでジャックの機嫌が悪くなり、
私が宥め役として、苦労したってことね」
「私のせいなの?だって、誰が見ても・・・そうでしょ」
「それは問題じゃないのよ。ジャックが絵を見せたら、犬!これは決定事項」
「・・・なんて、厄介な・・・」
「で、ジェイミー、どうやっ、機嫌直してきたの?」
「また、ジャックの好物でも買ってきた?」
「アビー、あなたじゃないんだから・・・」
「じゃ、何したの?ジェイミー、教えてよ」
「大したこと、しないわよ。
みっともない、いい年して。犬でも猫でもどっちでもイイでしょって言ったのよ。
そして、皆に分かってほしいのなら、象の絵でも描いたらどうですかって、言っておいたわ」
「・・・・恐ろしい・・・」
「相変らず、怖いもの無しね、ジェイミー・・・」
「なんで?象の絵なら、長い鼻で分かるから、と思って」
「いや、ジェイミー、そういう問題じゃないって」
「あらそうなの?セリーナ・・・
あぁ!週明けに、キリンでもいいかも、って言っておくわ」
「・・・・鬼のようね、ジェイミー・・・」
「じゃ、私、今度はライオン描いてって、ジャックにお願いしておくわ」
「いや、止めなさい、アレックス・・・あんたも別の意味で・・・」
「ちょっと話題変えるけど・・・ロンドンから来ている、あの背の高い人、知ってる?」
「あら、知らなかった?アビー。
私、接待役しているから・・・マイクが案内役なのよ。
ロンドンの検事さんだって」
「あぁ、そうなんだ。
いやマイクが、はしゃいでいるの見たから・・・誰?って感じで」
「う~ん、マイク、故郷から来たから、喜んでいるのかもね」
「えぇ?マイクって、UKの人?」
「そうよ。設定では、ベースボール好きのアメリカンだけどね。
UKのマンチェスター出身よ。多分フットボール好きに違いないわ」
「へぇ~過去を隠す男か・・・なんか格好いいわね」
「そう?」「そう?」「そう?」「そう?」
「・・・・・そんな、皆で合唱しなくても・・・・」
「で、ロンドン検事、なかなかいい男、じゃないの?」
「ウン、そう思う。マイクも、大いに乗り気だしね」
「ヘェ~」「へぇ~」「へぇ~」「へぇ~」
「・・・・・今度の意味深な合唱は、なんなのよ?」
「そうだ!いいこと、考えちゃった!」
「多分ロクでもないことだろうけど、一応聞くわ、セリーナ」
「ロンドン検事、NYの警察にも、興味ないかしら?
ほら、起訴や裁判維持には、警察との連携が必要でしょ?
だから、NYの協力関係を見せるのも、イイかも?って。どう、コニー?」
「そうね・・・いい考えかも。
だって、NY観光しても、どうしようもないし・・・刑事さん達に会わせるって事?」
「そうそう。捜査や検察との関係なんて、話してもらって・・・
きっと、ロンドン検事も、関心あると思うわ」
「いい考えね、セリーナ。
で・・・・あぁ、そういうことか・・・」
「なに?なに?」
「セリーナはね・・・ルーポ刑事を呼ぼうとしているのよ」
「ホェ~。なになに~?・・・そういうことかぁ」
「なにそれ?全然分からないわ」
「じゃ、ジェイミー、私が説明してあげるわ」
「って、アレックス、あなた、分かっているの?」
「分かっているわよ。
ルーポ刑事を呼んで、いい男のロンドン検事に嫉妬させるんでしょ?」
「はい、お見事!正解で~す!!
アレックス、特別にスペシャル・パフェ、頼んでもいいわよ」
「わぁ===!ボーイさ~ん、オーダーお願い~」
「ちょっと、私も頼んでいい??」
「・・・いいわよ、アビー。そんなに焦らなくても・・・」
「さすが、腐女子の発想ね、セリーナ。さすがだわ」
「ね、面白そうでしょ?乗る?コニー?」
「乗る、乗る!じゃ、週明けにアーサーに話してみるわ」
「あくまでも、業務を優先にして考えて。有益な研修に、っと。
よしよし・・・その時は、みんな、見に来るでしょ?」
「勿論」「勿論」「勿論」「ちょっと待って!」
「なに?ジェイミー、あなたも見に来るの?いつも乗り気じゃないのに」
「もう1つ、いい考えがあるわ。
ほら、ロンドンでも、性犯罪は大変な捜査のはず・・・
性犯罪特捜班からも刑事を呼んだら、どうかしら?
ほら、ステイブラー刑事とか・・・」
「・・・・さすがだわ、ジェイミー・・・それはいい考えね」
「わぁ!修羅場を、さらに修羅場にするってわけね・・・」
「いや~楽しみだわ・・・週明け、頑張って仕事に行く気力が湧くわ」
「ジェイミー、飲んで飲んで!浴びるほど飲んで!」
「いや、言われなくても飲んでるわよ、彼女」
「それって、当然検事局に集めるんでしょ?コニー」
「当然よ。だから、アーサーの許可を貰って・・・あら、ジャックの許可も必要かしら?」
「一応話しておいたら?
アレックスが、ライオン描いてって言う前にね」
「一応、マイクの上司なんだし・・・でもジャックの参加は御遠慮させてね」
「そうそう、マジな研修になっちゃうと、面白くないしね」
「ふ~、面白みの無い検事局、せっかくの楽しみをぶち壊されたくないって」
「・・・・でも、私ひとりで、仕切れるかしら?」
「大丈夫だと思うけど・・・コニー、不安なら・・・
セリーナ、オタクの腐女子として、応援してあげてはどう?」
「いいわよ。こういうことって、席順も大切だし・・・
コニー、月曜にアーサーの許可が取れたら、連絡して。
一緒に考えましょうよ。
私、週末にどう仕切ればいいか、友達に教えてもらってくるから」
「どんな友達よ・・・誰?」
「ほら、ゴールド弁護士事務所のビンセントが・・・いいと思う」
「あら、彼もオタク?セリーナの仲間なの?」
「へぇ~彼、事務所内でも優秀で通っているわよ。彼も・・・そうかぁ」
「セリーナ、親しいの?」
「うん、イベントで知り合ったのよ。で、裁判所でもバッタリ。
どうも友達がいないみたいで・・・で、仲良しってことね」
「オタクの友情か・・・いいよね。趣味が一緒ってことは」
「そうそう・・・じゃ、彼に色々聞いてくるわ」
「うん、お願い。特に揉めだしたらって部分よろしく」
「えぇ、揉めるのが楽しいんじゃないの?」
「そりゃそうだけど・・・一応ね。で、揉めるの待っているの?アビー?」
「・・・・いや・・・・そんなわけじゃ・・・」
「アッ、私、そのロンドンさんに、お土産もらったわ」
「なんですって!」
「アビー、落ち着いて・・・アレックス、何もらったの?」
「う~ん、ロンドンのティークッキーだって。
いっぱいあるから・・・どうぞって」
「アレックス・・・ロンドンさんと知り合い?違うよね?」
「うん、知らない人・・・でもお菓子、くれたの」
「・・・・アレックスの特殊能力って、もう世界規模?」
「国や民族を問わないようね・・・もうこうなるとホラーよ」
「アビー、そんなに悔しがらなくても・・・・
アレックスにくっ付いていなさいよ・・・もらえるから」
「・・・・そんなぁ・・・・」
「アビー、デラックス・パフェもオーダーしてもいいわよ・・・元気出して」
「・・・ありがと・・・セリーナ・・・」
「あぁ、ボーイさん、私もお代わり~」
「ジェイミー、ホント、底なし沼ね」
「ジャックも恐れるはずよ・・・・」
「で、クレアは、来ないの?誘ったでしょ?」
「えぇ、勿論。でも先約があるって」
「あら、旦那はボルティモアへ出張だって聞いたけど」
「御主人じゃなくて・・・えっと・・・(メールチェック)
・・・あぁ、ベンから夕食に誘われたって」
「何!」「何?」「何!!」「なんですって??」
「ベンが誘ってくれたから~なんだけど・・・」
「そりゃ行くわよ」「そうそう」「断らないって」
「なんで?ベンってベン・ストーンでしょ?ケチってこと?」
「いや、ベンはケチでは無いわよ」
「それは言える」
「ただ・・・タイミングが・・・ネェ・・・」
「どういうこと?」
「コニー、あまり知らないか・・・
ベンっていう人は・・・例えば・・・・
そう、例えば・・・会議中にトイレに行きたくて我慢して我慢して・・・
終ってダッシュでトイレに駆け込んで・・・・フゥ~ってな顔で廊下に出たら・・・
いきなり、食事に誘われて~ってなんか、タイミングがどうも~って人。
この説明でわかるかナァ?」
「・・・・意味不明だけど、ニュアンスは分かる気がする・・・・」
「同感」「同じく」「そんな感じ」
「悪い人じゃないんだけどね」
「うん、悪い人じゃないわよ。私、好きだわ、ベン」
「そうでしょうとも、アレックス。
検事局に来る度に、キャンディ貰っているんだから」
「・・・・・もうベンよりも、アレックスの魔法が怖いって」
「ジャックまで手懐けているし・・・・」
「アーサーも、時間の問題ね・・・」
「もしかして、アレックス、検事局の真の支配者、とか?」
「・・・セリーナ・・・いかにもオタク発想よ、それ・・・」
「あら、メールが・・・噂のクレアだわ・・・
なになに?・・・・ベンとの夕食終了、だって。
えっと~屋台のプレッツェルを公園のベンチで~が夕食らしい・・・
怒り狂ってコッチに来るって・・・・」
「一体、どんな理由でクレアを誘ったんだろ?そこ、気になるわ」
「今に来るわよ・・・聞いたら?」
「そうそう、荒れたクレアが来るってことは・・・
(フゥ~)このシャレたお店も、今回限りってことね・・・」
「また出入り禁止=?やれやれ・・・」
「で、今夜のクレアお世話係は・・・誰がする?」
「・・・・ジェイミー!!!」(大合唱)
「また、私~?私ばっかりよ」
「だって・・・ジェイミーの言うことなら、彼女、聞くし・・・
それに、アビーが運び出すのを、手伝うから・・・」
「分かったわよ・・・・アッ、お代わりお願い」
「・・・・まだ飲むか・・・・地球の裏側まで底なしね・・・」
「・・・・・ちょっと~!!!聞いてよ~!!!!!」
「オッ、来た来た!クレア~まぁ、座って座って~。
て、ベンがどうしたって~????」
********************
長々とS0、で御座います(ペコリ)
今朝、洗濯機からの洗濯物取り出し&食器洗い&自分の洗面と化粧。
この3つを(なぜか)同時にやろうと企んだ瞬間、パッと浮かんだので。
(これ、ホントです)
パッと浮かぶのは良いが、書くのは時間かかる・・・(泣き)
でも、頭ン中に残しても、ど=しよ=もないし(そうだそうだ!)
で、書きましたわ。
原題『Cassandra』=カサンドラ
名前は聞いたこと、あるかと。
でもどんな人?でしょうかね?
ギリシヤ神話に登場するトロイアの王女。
アラ、、ヘクトルやパリスの妹か・・・そうかそうか(なんだよ、自分・笑)
太陽神アポロンの求愛を受けいれる代わりに、予言の力を手に入れる。
しかし、その力を得た瞬間、
将来アポロンが自分に飽きて捨てる、という予言が見えて・・・
その結果、アポロンを拒絶。
怒ったアポロンが、彼女に呪いをかける。
それは、真実を予言するが、誰にも信じてもらえないって呪い、で・・・・
トロイア戦争の原因や、戦いのあらまし等々。
予言して警告するが、誰にも信じてもらえない・・・
その結果(ってカサンドラひとりの責任ではないだろうが)
トロイアは滅び、カサンドラもギリシヤ軍の手に落ち・・・哀れな結末に。
子供の頃、この話を読んで
「すっげぇ!酷いことするなぁ」と思った記憶が。
真実を予言するのに、誰にも信じてもらえないって・・・・
ある意味、究極の拷問って気もした。
いやいや、ギリシヤ神話、人間、分かっているナァって(ウンウン)
読んで笑って頂ければ、幸いで御座います。
では、またユル~ク、お会い致しましょう(ペコリ)
一見単なるオフィス・ビルに見えるが、穴場的バーがあるのだ・・・・
「ハ~イ、お疲れ様~。やっと週末だわ~」
「ハイハイ、お疲れっと。さぁ、飲もう!」
「さぁ、食べよう!」
「・・・アビー・・・いつも通り、食い気優先ねェ・・・」
「ほら、食べて飲んで。足りる?グラス、もっと頼む?」
「イイわよ。ひと先ず一杯やろう・・・コニー、今夜の幹事、あなただっけ?」
「そう、私よ。ココ、予約取るの大変な店なんだから」
「ヘェ~よく見つけたわね。誰かに教えてもらった?」
「ウン、ほら、以前に陪審員やって、私を気に入った人が~」
「って、コニー!陪審員と話すのは禁止では?」
「いやだぁ、いきなり真面目モードなの、セリーナ?
ちょっと話しただけ。勿論裁判が終った後にね。
幹事になったから、オシャレな店探しているって話したら、教えてもらったのよ」
「そうなんだぁ・・・コレ、美味しいよね(モグモグ)」
「そうそう、アレックス。いっぱい食べてね。ホラ、これもどう?」
「ちょっと・・・なんで、アレックスの前に、お皿がいっぱいなの??」
「・・・・アビー・・・幾らでもオーダーしても、いいのよ・・・・
だから、アレックスに噛み付くの、止しなさいよ」
「・・・お疲れ~フゥ~やっと逃げ出せたわ。
オッ、私にもグラス・・・あぁ、アリガト、コニー」
「いえいえ、どうしたの、ジェイミー?遅れちゃって」
「ウ~ン・・・もう一杯くれる?・・・フゥ~美味しいワァ(と3杯目に突入)
ジャックの機嫌を取っていたのよ・・・
だれ?ジャックの機嫌を損ねたのは?」
「え~?」
「ほんと?いや、私じゃないわよ」
「ジャックの機嫌が?全然知らなかったわ」
「・・・もしかして・・・私?」
「何か、心当たりがあるの?コニー?」
「え~・・・ほら、裁判中にジャックがメモに落書きするでしょ?
何か熱心に書いている振りして・・・みんな、知っているでしょ?」
「ウン、知ってる・・・で?」
「裁判が終った後、書いた絵を自慢げに見せるから・・・
いや、私も精一杯頑張って、褒めようとしたのよ。
で、『猫そっくりですね』って言ったら・・・」
「犬だ!でしょ?」
「・・・・そう・・・猫じゃなくて犬なんだって。ビックリだわ。
だって、どう見ても!逆さまにしても、横向きにしても、猫よ、あれ」
「・・・だから、ジャックは犬の絵しか描かないんだって」
「ジャックが見せる四足動物は、犬ですね、と言えばイイのよ。
それで、丸くおさまるんだから・・・」
「だって・・・耳が三角だったのよ!三角は猫でしょ?」
「だから・・・ジャックには絵心なんかないんだから・・・犬って言っておけば?」
「そうそう。絶対犬しか描かない、らしいから。
でも、なんで、あんなに自信持ってるの?誰か、ウソでも褒めた?」
「イエイエ、そんな無謀なこと、しないわよ」
「そうそう、それにどう見ても、褒めるような絵では・・・」
「私、褒めたことあるわ。スゴイって。そっくりだって」
「・・・・アレックス・・・あんた、なんてことを・・・」
「このコ、なんでそんなことするのかしら?恐ろしい・・・」
「だって、トラそっくりだったのよ。模様もあったし」
「今度はトラ?・・・・一体、どうなっているのよ?」
「つまり、コニーのひとことでジャックの機嫌が悪くなり、
私が宥め役として、苦労したってことね」
「私のせいなの?だって、誰が見ても・・・そうでしょ」
「それは問題じゃないのよ。ジャックが絵を見せたら、犬!これは決定事項」
「・・・なんて、厄介な・・・」
「で、ジェイミー、どうやっ、機嫌直してきたの?」
「また、ジャックの好物でも買ってきた?」
「アビー、あなたじゃないんだから・・・」
「じゃ、何したの?ジェイミー、教えてよ」
「大したこと、しないわよ。
みっともない、いい年して。犬でも猫でもどっちでもイイでしょって言ったのよ。
そして、皆に分かってほしいのなら、象の絵でも描いたらどうですかって、言っておいたわ」
「・・・・恐ろしい・・・」
「相変らず、怖いもの無しね、ジェイミー・・・」
「なんで?象の絵なら、長い鼻で分かるから、と思って」
「いや、ジェイミー、そういう問題じゃないって」
「あらそうなの?セリーナ・・・
あぁ!週明けに、キリンでもいいかも、って言っておくわ」
「・・・・鬼のようね、ジェイミー・・・」
「じゃ、私、今度はライオン描いてって、ジャックにお願いしておくわ」
「いや、止めなさい、アレックス・・・あんたも別の意味で・・・」
「ちょっと話題変えるけど・・・ロンドンから来ている、あの背の高い人、知ってる?」
「あら、知らなかった?アビー。
私、接待役しているから・・・マイクが案内役なのよ。
ロンドンの検事さんだって」
「あぁ、そうなんだ。
いやマイクが、はしゃいでいるの見たから・・・誰?って感じで」
「う~ん、マイク、故郷から来たから、喜んでいるのかもね」
「えぇ?マイクって、UKの人?」
「そうよ。設定では、ベースボール好きのアメリカンだけどね。
UKのマンチェスター出身よ。多分フットボール好きに違いないわ」
「へぇ~過去を隠す男か・・・なんか格好いいわね」
「そう?」「そう?」「そう?」「そう?」
「・・・・・そんな、皆で合唱しなくても・・・・」
「で、ロンドン検事、なかなかいい男、じゃないの?」
「ウン、そう思う。マイクも、大いに乗り気だしね」
「ヘェ~」「へぇ~」「へぇ~」「へぇ~」
「・・・・・今度の意味深な合唱は、なんなのよ?」
「そうだ!いいこと、考えちゃった!」
「多分ロクでもないことだろうけど、一応聞くわ、セリーナ」
「ロンドン検事、NYの警察にも、興味ないかしら?
ほら、起訴や裁判維持には、警察との連携が必要でしょ?
だから、NYの協力関係を見せるのも、イイかも?って。どう、コニー?」
「そうね・・・いい考えかも。
だって、NY観光しても、どうしようもないし・・・刑事さん達に会わせるって事?」
「そうそう。捜査や検察との関係なんて、話してもらって・・・
きっと、ロンドン検事も、関心あると思うわ」
「いい考えね、セリーナ。
で・・・・あぁ、そういうことか・・・」
「なに?なに?」
「セリーナはね・・・ルーポ刑事を呼ぼうとしているのよ」
「ホェ~。なになに~?・・・そういうことかぁ」
「なにそれ?全然分からないわ」
「じゃ、ジェイミー、私が説明してあげるわ」
「って、アレックス、あなた、分かっているの?」
「分かっているわよ。
ルーポ刑事を呼んで、いい男のロンドン検事に嫉妬させるんでしょ?」
「はい、お見事!正解で~す!!
アレックス、特別にスペシャル・パフェ、頼んでもいいわよ」
「わぁ===!ボーイさ~ん、オーダーお願い~」
「ちょっと、私も頼んでいい??」
「・・・いいわよ、アビー。そんなに焦らなくても・・・」
「さすが、腐女子の発想ね、セリーナ。さすがだわ」
「ね、面白そうでしょ?乗る?コニー?」
「乗る、乗る!じゃ、週明けにアーサーに話してみるわ」
「あくまでも、業務を優先にして考えて。有益な研修に、っと。
よしよし・・・その時は、みんな、見に来るでしょ?」
「勿論」「勿論」「勿論」「ちょっと待って!」
「なに?ジェイミー、あなたも見に来るの?いつも乗り気じゃないのに」
「もう1つ、いい考えがあるわ。
ほら、ロンドンでも、性犯罪は大変な捜査のはず・・・
性犯罪特捜班からも刑事を呼んだら、どうかしら?
ほら、ステイブラー刑事とか・・・」
「・・・・さすがだわ、ジェイミー・・・それはいい考えね」
「わぁ!修羅場を、さらに修羅場にするってわけね・・・」
「いや~楽しみだわ・・・週明け、頑張って仕事に行く気力が湧くわ」
「ジェイミー、飲んで飲んで!浴びるほど飲んで!」
「いや、言われなくても飲んでるわよ、彼女」
「それって、当然検事局に集めるんでしょ?コニー」
「当然よ。だから、アーサーの許可を貰って・・・あら、ジャックの許可も必要かしら?」
「一応話しておいたら?
アレックスが、ライオン描いてって言う前にね」
「一応、マイクの上司なんだし・・・でもジャックの参加は御遠慮させてね」
「そうそう、マジな研修になっちゃうと、面白くないしね」
「ふ~、面白みの無い検事局、せっかくの楽しみをぶち壊されたくないって」
「・・・・でも、私ひとりで、仕切れるかしら?」
「大丈夫だと思うけど・・・コニー、不安なら・・・
セリーナ、オタクの腐女子として、応援してあげてはどう?」
「いいわよ。こういうことって、席順も大切だし・・・
コニー、月曜にアーサーの許可が取れたら、連絡して。
一緒に考えましょうよ。
私、週末にどう仕切ればいいか、友達に教えてもらってくるから」
「どんな友達よ・・・誰?」
「ほら、ゴールド弁護士事務所のビンセントが・・・いいと思う」
「あら、彼もオタク?セリーナの仲間なの?」
「へぇ~彼、事務所内でも優秀で通っているわよ。彼も・・・そうかぁ」
「セリーナ、親しいの?」
「うん、イベントで知り合ったのよ。で、裁判所でもバッタリ。
どうも友達がいないみたいで・・・で、仲良しってことね」
「オタクの友情か・・・いいよね。趣味が一緒ってことは」
「そうそう・・・じゃ、彼に色々聞いてくるわ」
「うん、お願い。特に揉めだしたらって部分よろしく」
「えぇ、揉めるのが楽しいんじゃないの?」
「そりゃそうだけど・・・一応ね。で、揉めるの待っているの?アビー?」
「・・・・いや・・・・そんなわけじゃ・・・」
「アッ、私、そのロンドンさんに、お土産もらったわ」
「なんですって!」
「アビー、落ち着いて・・・アレックス、何もらったの?」
「う~ん、ロンドンのティークッキーだって。
いっぱいあるから・・・どうぞって」
「アレックス・・・ロンドンさんと知り合い?違うよね?」
「うん、知らない人・・・でもお菓子、くれたの」
「・・・・アレックスの特殊能力って、もう世界規模?」
「国や民族を問わないようね・・・もうこうなるとホラーよ」
「アビー、そんなに悔しがらなくても・・・・
アレックスにくっ付いていなさいよ・・・もらえるから」
「・・・・そんなぁ・・・・」
「アビー、デラックス・パフェもオーダーしてもいいわよ・・・元気出して」
「・・・ありがと・・・セリーナ・・・」
「あぁ、ボーイさん、私もお代わり~」
「ジェイミー、ホント、底なし沼ね」
「ジャックも恐れるはずよ・・・・」
「で、クレアは、来ないの?誘ったでしょ?」
「えぇ、勿論。でも先約があるって」
「あら、旦那はボルティモアへ出張だって聞いたけど」
「御主人じゃなくて・・・えっと・・・(メールチェック)
・・・あぁ、ベンから夕食に誘われたって」
「何!」「何?」「何!!」「なんですって??」
「ベンが誘ってくれたから~なんだけど・・・」
「そりゃ行くわよ」「そうそう」「断らないって」
「なんで?ベンってベン・ストーンでしょ?ケチってこと?」
「いや、ベンはケチでは無いわよ」
「それは言える」
「ただ・・・タイミングが・・・ネェ・・・」
「どういうこと?」
「コニー、あまり知らないか・・・
ベンっていう人は・・・例えば・・・・
そう、例えば・・・会議中にトイレに行きたくて我慢して我慢して・・・
終ってダッシュでトイレに駆け込んで・・・・フゥ~ってな顔で廊下に出たら・・・
いきなり、食事に誘われて~ってなんか、タイミングがどうも~って人。
この説明でわかるかナァ?」
「・・・・意味不明だけど、ニュアンスは分かる気がする・・・・」
「同感」「同じく」「そんな感じ」
「悪い人じゃないんだけどね」
「うん、悪い人じゃないわよ。私、好きだわ、ベン」
「そうでしょうとも、アレックス。
検事局に来る度に、キャンディ貰っているんだから」
「・・・・・もうベンよりも、アレックスの魔法が怖いって」
「ジャックまで手懐けているし・・・・」
「アーサーも、時間の問題ね・・・」
「もしかして、アレックス、検事局の真の支配者、とか?」
「・・・セリーナ・・・いかにもオタク発想よ、それ・・・」
「あら、メールが・・・噂のクレアだわ・・・
なになに?・・・・ベンとの夕食終了、だって。
えっと~屋台のプレッツェルを公園のベンチで~が夕食らしい・・・
怒り狂ってコッチに来るって・・・・」
「一体、どんな理由でクレアを誘ったんだろ?そこ、気になるわ」
「今に来るわよ・・・聞いたら?」
「そうそう、荒れたクレアが来るってことは・・・
(フゥ~)このシャレたお店も、今回限りってことね・・・」
「また出入り禁止=?やれやれ・・・」
「で、今夜のクレアお世話係は・・・誰がする?」
「・・・・ジェイミー!!!」(大合唱)
「また、私~?私ばっかりよ」
「だって・・・ジェイミーの言うことなら、彼女、聞くし・・・
それに、アビーが運び出すのを、手伝うから・・・」
「分かったわよ・・・・アッ、お代わりお願い」
「・・・・まだ飲むか・・・・地球の裏側まで底なしね・・・」
「・・・・・ちょっと~!!!聞いてよ~!!!!!」
「オッ、来た来た!クレア~まぁ、座って座って~。
て、ベンがどうしたって~????」
********************
長々とS0、で御座います(ペコリ)
今朝、洗濯機からの洗濯物取り出し&食器洗い&自分の洗面と化粧。
この3つを(なぜか)同時にやろうと企んだ瞬間、パッと浮かんだので。
(これ、ホントです)
パッと浮かぶのは良いが、書くのは時間かかる・・・(泣き)
でも、頭ン中に残しても、ど=しよ=もないし(そうだそうだ!)
で、書きましたわ。
原題『Cassandra』=カサンドラ
名前は聞いたこと、あるかと。
でもどんな人?でしょうかね?
ギリシヤ神話に登場するトロイアの王女。
アラ、、ヘクトルやパリスの妹か・・・そうかそうか(なんだよ、自分・笑)
太陽神アポロンの求愛を受けいれる代わりに、予言の力を手に入れる。
しかし、その力を得た瞬間、
将来アポロンが自分に飽きて捨てる、という予言が見えて・・・
その結果、アポロンを拒絶。
怒ったアポロンが、彼女に呪いをかける。
それは、真実を予言するが、誰にも信じてもらえないって呪い、で・・・・
トロイア戦争の原因や、戦いのあらまし等々。
予言して警告するが、誰にも信じてもらえない・・・
その結果(ってカサンドラひとりの責任ではないだろうが)
トロイアは滅び、カサンドラもギリシヤ軍の手に落ち・・・哀れな結末に。
子供の頃、この話を読んで
「すっげぇ!酷いことするなぁ」と思った記憶が。
真実を予言するのに、誰にも信じてもらえないって・・・・
ある意味、究極の拷問って気もした。
いやいや、ギリシヤ神話、人間、分かっているナァって(ウンウン)
読んで笑って頂ければ、幸いで御座います。
では、またユル~ク、お会い致しましょう(ペコリ)