「Law&Order」が好きだ!!(邪道にて)

海外ドラマ「Law&Order」が好きです。
とにかく叫びたいので、ブログに叫びます。

SW IN 『The Killing Fields』 再び<3>

2013-09-21 09:17:47 | SW
続きです・・・・・


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また撮影をタイで行ったことにも触れる。
当時タイは軍が権力を持っており、軍の全面的協力のお蔭で
道路を封鎖したり等の、最良の環境で撮影できた、と。

I「クメール・ルージュが出てくることで、タイから何か反応は?
 ロケ地にカンボジア難民はいましたか?」

P「(頷きながら)出演したカンボジア人は、全員カンボジア難民だった。
 カンボジアには行けない。赤十字のシーンを撮るために、近くまで行った。
 カンボジアのすぐ近くまで行ったが、
まだポル・ポト政権だったから入れなかった。
タイ人は、世界に対して、国境付近の惨状を見せたがっていた。
難民が大量流入してきたことは、彼らにとって大問題だったんだ。
 国境付近で、偶然非常に悲しい光景を見た。
 2000人がカンボジアに送り返される光景だ。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によってね。
 私が今ユニセフで働いているのは、
UNHCRの仕事ぶりに感銘を受けたからだ。
国連の人たちは、強くてしかも思いやりがあった・・・・」

I「それを目撃したことで、この映画の重要性を再認識しましたか?」

P「この映画の面白いところは・・・・後のウクライナ大統領とこんなことがあった。
 1885年にキエフでこの映画を上映。好評で上映後に質疑応答があった。
聞かれたのは、ウクライナのことばかり。
当時のウクライナは、東西に地域差があって、
宗教や経済、政治の問題を抱えてた。
その後学校でも上映して、国が分裂する様子を見せて、すごく効果を上げた。
オレンジ革命の時に、内戦の可能性が全くなかったのは、
『キリング・フィールド』を通して、
“内戦はよくない”と教え込まれたからだ。
フィリピンの学校でも、同じ目的で上映された。
イラクでも、上映するといいかも・・・・」

・・・・・・・・・・・・・

P「・・・我々は、キリング・フィールドとプランの体験を
 想像を膨らませて、描かなきゃならなかった。
 彼が人骨の中を歩くシーンは、フィクションだが、
 恐ろしさを描写するため、誇張したフィクションだ。
 ヒントになったのは、アウシュヴィッツについての映画『夜と霧』だ。
 何回も見た。
この手の描写は、一歩間違えればモダンアートのように見えてしまう。 
骨の山が、抽象作品のように見えてしまうんだ。
『夜と霧』で印象的なのは、折り重なった遺体が映っているシーンだ。
その中にいる魅力的な女性の遺体の髪が、そよ風で揺れているんだ。
そこにあるのは、死なのに、動いている。
・・・・・・・・・・・・・
(『キリング・フィールド』で)
水の流れで、手の骨が動いて見えるシーンがある。
身の毛のよだつような人骨だらけのシーンなのに、
手が動いているように見える。
その出どころは、『夜と霧』だ」

I「どんなひどいことが起こっても、人生は続いていく。 
 主役のハイン・S・ニョールは、この上ない演技を見せてくれましたよね?」

P「その通り」

I「どこまで意識してましたか?
 いい演技が必要であると同時に、彼に対する気遣いも必要でしたよね」

P「それに関しては2つある。サムが重要な役割を果たした。
 彼はシドニーそのものだったんだ。俳優の中の俳優で、監督でもある。
 サムがハインに演技指導をした。
二人三脚で、ハインから演技を引き出したんだ。
いつもハインを助けて、リハーサルしてた。
主役が昔ながらの映画スターで、演技は競争だと思っている俳優だったら
ハインは、あそこまでやれなかった。
ハインの好演は、サムのおかげだ。
でも、ハインは体験者でもある。
彼からよく“もっとひどかった”と言われた。
私が、“観客に見せるんだから、これ以上ひどくできない”と答えても
“もっとひどい”と。
確かに彼は体験者だ。絶望的な経験をしてきた。
彼の婚約者は、彼の腕の中で死んだ。
配給された食べ物を彼に与え、自分は餓死したんだ。
すごく痛ましいことに・・・・
ハインは、ロサンゼルスで、ギャングに殺された。
ヤツらは、彼の十字架を奪おうとして、渡さなかったから殺された。
まるで映画のような、すごい話だよ。
婚約者の形見を渡さなくて、命を奪われてしまった」

I「映画よりすごい」

P「その通り。
どんなに苦心して脚本を書いても、事実はそれをはるかにしのいでしまう」

I「映画を作ることで、ある意味でハインの過去が清算されたと思いますか?」

P「つらかったと思う。プラン役の俳優を探すのは、大仕事だった。
 キャスティング担当のパットは、アメリカ中のカンボジア人に会いまくった。
 サンディエゴで結婚式があったんだ。
 その時パットが、披露宴でスピーチしてたハインに目を付けた。
 彼は医師だった。
 出演を依頼したが、
カンボジアでは俳優の地位は低いから、興味を示してくれなかった。
コミュニティー全体の力を借りて、彼を説得したんだ。
彼は重い責任を感じながら、演じていたと思う。
母国を背負って、演じてた。自分の実体験を再現するんだ、とね。
過去の清算どころか、すごくつらかったと思う」


・・・・・・・・・・次回へ
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