「Law&Order」が好きだ!!(邪道にて)

海外ドラマ「Law&Order」が好きです。
とにかく叫びたいので、ブログに叫びます。

SW IN 『The Killing Fields』 再び<4>

2013-09-23 15:45:32 | SW
続きです・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・

ハインの政治的な発言について、議論したことを

P「(ハインは)共産主義についての映画だと言ったんだ。
 クメール・ルージュの残虐さを非難する映画ではなく、
 共産主義を非難する映画だと。
だから、彼と議論した。彼が状況を単純化しすぎてる、とね。
それでは、人に理解してもらえない。
共産主義は、複合的なものだ。
これは共産主義ではなく、ゆがんだイデオロギーの結末だ。
マルクス主義から、かけ離れた思想が、
クメール・ルージュの残虐行為につながった。
確かに彼は政治的になった。
でも政治家ほど、政治に精通していたわけじゃない。
母国を取り戻したかっただけだ。
残虐行為が誤りだったと、世に知らしめたかったんだ・・・」

パットナムが活動しているユニセフについて・・・


I「キャストの話になりますが、ジョン・マルコヴィッチが出演してますよね。
当時の彼は、シカゴ以外では無名だった。」

P「この映画は、多くの人にとって初めての映画だった。
 ブルースにとっては、初めて映画化された脚本だし
 マイクがオペレーターを務めた初の映画だった。
 たくさんの人が、映画に新風を吹き込んでくれた。
 マルコヴィッチとサンズにとっても、初の映画。
 サムにとっては、初の大作映画での主演。
 それまでに演じた一番の大役は、オッペンハイマー役だった。
 私が最も経験豊富な人間の1人だったよ。
 まだ42歳だったのに(笑顔)」

I「ウォーターストーンは、『オッペンハイマー』で主役を演じました。
 あの手の作品に出るということは、政治に関心を持っていたはず。
 どうやって出演交渉を?
 お金を出す側を、どう説得しましたか?」

P「サムはすぐOKしてくれた。
 スケジュール調整に、少し問題があっただけだ。
 彼の主演を、スタジオ側に納得させる方が大変だった。
 不運なことに、脚本が他の代理人たちの手に渡って、注目を浴びてしまった。
 あんなことは二度とない。
 アラン・アーキンやダスティ・ホフマンから連絡をもらった。
 脚本を読んだか、代理人から話を聞いて“興味がある”と。
 私ではなく、ワーナーに連絡してきた。
 だからサムを売り込むだけではなく、
 他の俳優じゃダメと示さなきゃならない。
 そこで策略して、この撮影がいかに危険かを、誇張して伝えることにした。
 危険なロケだと、強調したんだ。
 タイとカンボジア間の国境での撮影もあったからね。
 努力の甲斐があって、スターたちは去ってくれた」

I「撮影前、主演の2人は、実際の2人に会いましたか?」

P「ああ、会ったよ。でも深く関わりすぎないようにした。
 実際の2人は、ロケ地に来させなかった。
 ・・・・・・・
 俳優たちが、自分の役割を誤解してしまうんだ。
 接近しすぎた時が、何回かあった。
 実際の当事者たちに、接近しすぎたんだ。
 おかげで、俳優たちが動揺したし、私の方も・・・
 監督のやり方に、任せればよかったのに、事実の再現を望んでしまった。
 この映画では、感動的なシーンは、事実から離れている。
 その好例と言えるのが、プランが田んぼで作業しているシーンだ。
 非常にドラマチックなシーンにした。
 本当は大勢で作業したかは知らないが、うまくいった。
 実際は、少人数で作業してたからといって
 20人に減らしてしまっては意味がない。
 全体主義の中で、一斉に働く姿を見せたかったんだ。
 だからエイゼンシュティンが好きなんだ。
 (ソビエト連邦の映画監督)
  彼は、事実の再現はしない。
  事実を詩的に描いて、ドラマ性を高めたんだ。
  我々も事実のドラマ性を高めて、人を感動させたかった」

・・・・・・・・・・

I「音楽についてですが、大げさすぎず、さりげなく使われている。
 どうやってバランスを保ったのですか?」

P「プロデューサーとして、音楽には気を使ってる。
 音楽のセンスが良くない監督が多いんだ。
 彼らは、不釣り合いな音楽を選びがちだ。
 マイク・オールドフィールドに頼んだ理由は・・・
 この映画では、武器や軍用機を多用してる。
 装甲車がしょっちゅう出てくるし・・・騒々しいしね。
 だから・・・機械的な音楽を作ってくれる作曲家を探した。
 『チューブラー・ベルズ』には、それがあったんだ。
 一貫したテーマがあるが、耳障りな音も入ってる。
 マイクに打診したら、引き受けてくれたが、
 彼が拠点をスイスに移したので、不便この上なかった。
 ほとんどがいい曲だった。うまくいっていない個所が2つある。
 プランが、山の中を逃げるシーンだ。
 病院に着いた時の音楽が、あれでいい。
 その前の方で、音楽が効果を発揮していない部部がある。
 うまくいっていない。

 それに『イマジン』をつかったせいで、こきおろされた。
 あの年・・・雑誌で“文化的最高と最低賞”が発表されて
 『イマジン』を使ったことが、“最低賞”を受賞した。
 いくつかのバージョンを作ってみたが、『イマジン』が一番しっくりきてた。
 雑誌でそれが発表された当日・・・『イマジン』が世界中で1位になったんだ。
 あの日車に乗ってラジオを聞けば、『イマジン』が流れてた。
 だから、間違っていなかったんだ。
 それに、この映画は強烈だから、
  観客は最後の方で、聞き覚えがあって心地よい曲を欲していた。
  それは確かだ。他の曲も使ってみた。マイクの曲も含めてだ。
  でも、騒々しい音楽で終わらせたくなかった。
  緊張を和らげたかったんだ。
  世界中で、何回もこの映画を見た。
  選曲は間違っていない。あれでよかったんだ。
  オールドフィールドの曲も、よかった」


・・・・・・・・・・・・・・・

I「マルコヴィッチの話に戻りますが・・・
 見る人は、彼にある種の期待をすると思うんです。
 彼はリプリー役にぴったりですが、この映画では全く違う。
 なせ彼を選んだのですか?」

P「最もキャスティングが難しい役だった。
 ロッコフは全く協力的でなかったばかりか、シドニーが嫌いだった。
 変わった男で、面倒なことは消えてなくなればいい、と思っている。
 予測不可能な演技をして、少し危ない男を演じられる俳優が必要だった。
 ジョンは、どういう演技をするか分からない。
 本番でも“そう来たか”と思わせるような演技をする。
 彼は、期待に応えてくれたし、映画に入れ込んでた。
 脇役の俳優たちから、崇拝されていたんだ。
 ギャングのボス、みたいにね。
 2つのグループがあった。
 プランとサムは、夜に繰り返して稽古してた。
 いや、ハインとサムだ。繰り返し稽古してた。
 それにジョンを囲んだ、大きなグループができた。
 彼らは、ジョンの自由な点に救われた。過酷な撮影だったからね」

・・・・・・・・・・
編集について

I「そしてついに・・・プレミア上映となりますが、それはイギリスで?」

P「プレミア上映は、ニューヨークでやった。
 もっと大事なのは、シドニーとプランに初めて上映して見せた時だ。
 2人は前の方に座ってたが、映画が終わっても黙りこくっていた。
 10分は、黙っていた。
 シドニーが、やっと立ち上がって、家族といたプランの方へ向かった。
 そして・・・家族全員が立ち上がって輪になり、泣き始めたんだ。
 ローランドと私はとジムは、座ってた。
 彼らは泣き、そして帰っていった。本当に感動的な反応だった。
 映画の成功を確信できた。
 誰も、映画の貪欲さを批判しなかった。
 キッシンジャーからは、政治的に偏ってると非難されたが、
 映画の迫真性や正確さを非難した人はいなかった。
 当事者がまだ生きていると、普通は賛否両輪となるものだ。
 でも当事者全員が、真実が正確に描かれていると認めた。
 私が作った中で、これを超える作品はないと思う・・・・・」


インタビューは以上です。次は感想を。
 
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