シモオン

2014-08-27 | 日記

  

昨日の夕べの西の空。こういう空を見てると、思わず人の名前をつぶやきたい時がある。時間と空気の流れが眼の前を通って行き、僕はメロディーをのせてつぶやくのである。 「 シモオン  シモオン …  お前は夕暮れの匂いである 」 。

 

   … … …

  お前はよく熟れて摘みとられた果物の匂ひがする。

  お前は花を一ぱいにつけた時の

  柳と菩提樹の匂ひがする、

  お前は蜂蜜の匂ひがする、

  お前は牧場の中をさまよふ時の

  人生の匂ひがする。

  お前はいろごとの匂ひがする。

  お前は火の匂ひがする。

 

  シモオン、お前の毛の林の中に

  大きな不思議がある。   ( ルミ・ド・グルモン詩 / 堀口大學訳 「 毛 」 より抜粋 )