『 上野憲男展 』

2014-06-13 | 日記

        

        『 「 水の中のノート 」 上野憲男展 』 2014.6.12 - 6.29

昨日から ギャラリー mu・an ( 長岡市呉服町2-1ー5 ) で 『 上野憲男展 』 が始っている。長岡では四年ぶりの開催である。1932年の生まれだから、今年82歳になられる。ここ数年は京都現代美術館・可必館での開催が多い。この案内状の手書きの文字は、手書きのままに独特のタイポグラフィーである。今回改めて見ると、展示作品はむしろデザイン的であると思う。デザインは直接に空間や生活のイメージそのものであるのである。浮遊するもの、固定されたもの、鮮明する色彩の、不安感、惑わし、孤独、黒と赤と青の世界、そして喜び。

画家の平面は美しい。そしてもっと美しいものは、その支持体である紙である、と思う。画家の紙またはキャンバスはいつも、どれも美しいと思う。支えるものが美しい、というのはこれは創作家の第一の必要条件ではないだろうか。画家は支持体を大切にしてる、というのが分かるのである。ここに、今年生誕 100年であるスイスのタイポグラファー、エミール・ルーダー ( 1914-1970 ) の言葉を引用しておくことは無駄ではないと思う。

    口さがない人々は次のように主張するであろう。

    もっとも美しい平面とは何も印刷されていない平面だ、と。

    これはそんなに誤った主張ではない。

    白い平面を前にして、できることは二つある。

    すなわち、命を与えて高めるか、破壊するかである。