EF57という電機に魅了され、本格的に鉄道写真の世界を知ったアントンKではあるが、当時を思えば、鉄道の事情やその撮影のことは、何も知らず解らずの状態であり、同じ学校の級友とともに切磋琢磨していった思い出が蘇ってくる。当時の級友は今も元気でいるだろうか・・もしすれ違っても、お互い全くの別人になり判らないかも。ちょっとそれでは寂しいものだ。
東北方面で朝からゴーナナを狙った帰り道、東京駅でEF58の牽くお座敷列車を目にしたので、立ち寄った時の一コマ。
「トーサンバン、団体列車接近!」
構内にけたたましい声で接近を知らせる放送が入り、EF58が近づいてきた。当時から大好きだった81系のお座敷列車6両編成。沼津区の客車だ。憧れのグリーンマーク、そして帯。車内を覗けば畳敷きにお膳がいくつも並んでいた。これから移動しながら宴会で盛り上がるのだろうと思うと羨ましくなったもの。いつかお座敷列車で自分も旅したいと思いながら、叶わぬ夢となった。嬉しそうに乗り込む乗客を横目で見ながら、ゴハチや客車に興味が注がれた遠い日。汽笛とともに発車するゴハチにエールを送る。あれからもうすぐ半世紀、とてつもない時間が経ってしまった。
1975-11-01 8113ㇾ EF58158 ヌマ座 東海道本線:東京駅13番線ホーム