風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

5/19 月裏の集い/五月革命!

2008-05-18 22:06:30 | イベント告知/予告/INFO
May_19_moonback5/19(月)高円寺CLUB MISSION'S
netozaoku presents
「月裏の集い」
[LIVE]
★ねたのよい ★藻の月
★KABUTO LOVE MANIA ★金剛
ポエトリー・リィディング フーゲツのJUN

[DJ]
★HATANAKA(GAS CHAMBER RECORDS)
[SHOP]
★緑の月 ★雷音堂
★サドゥーババ ★GAS CHAMBER RECORDS
open19:00/start19:30
adv./door\1000(1D込)
東京都杉並区高円寺南4-52-1
TEL 03-5888-5605
公式サイト→http://www.live-missions.com/
地図→http://www.live-missions.com/access/access.html

※今月は復帰します。ねたのよい「ねたまつり」(8月12日代々木公園野外ステージ)へ向けた連続ライブ!
「五月革命」の5月に吼えます!


ディラン・ディラン・ディラン/ボクらの世代のディランのこと(2)

2008-05-18 00:42:09 | アート・文化
Dylan_thomas_1 ボブ・ディランの書くリリック(歌詞)は傑出していて、ノーベル文学賞には毎年のようにノミネートされているらしい。今年はピュリッツアー賞の特別賞を受賞したが、言うまでもなくノーベル賞はまだ受賞していない。
 たとえば、こんなリリックは、ほとんどポエムと言ってよいであろう。

 絞首刑の絵ハガキが売られている
 パスポートが茶色にぬられてる
 美容院は水夫でいっぱいだ
 サーカスが町にきている
 めくらのコミッショナーがやってきた
 みなが彼を恍惚におとしいれた
 片手は綱渡りにしばりつけられ
 片手はズボンのポケットに
 そして機動隊はじっとしておれず
 どこか行きたくてしかたがない
 こんなことをレディとわたしが見ている今夜
 廃墟の街から
 (ボブ・ディラン「廃墟の街」/片桐ユズル・訳)

 ボブ・ディランが尊敬し、その名前さえいただいたディラン・トマスはイギリスはウェールズ出身の詩人だ。そう、詩人以外にはなれなかったという意味で、不器用で天才的な「詩人」だった。

 走っている墓場のように時があなたがたを追いつめ
 あなたがたの抱きしめられている静かなものが髪の毛を切る鎌であり
 美服をまとった愛がゆっくり家のなかを通り抜け
 はだかの階段を 柩のなかのきじばとのように
 円屋根までもちあげられるとき

 仕立屋である時代は 大跨に歩く鋏のようにやってくる
 (略)

 時は愚かな空想だ 時はすなわち愚者である
 (略)

 すべてのものには終りがある 塔にも終りがあり また
 ……傾いている舞台にも
 太陽からぶらさがる足の球にも
 ……セメントで固めた皮膚にも
 所作の終りにも みんな終りがある(略)
 (ディラン・トマス「走っている墓場のように」/田中清太郎・訳)

 このディラン・トマスの詩には、おおよそ30年のちに作られ歌われた『時代は変わる』のエキスのような認識が込められていないだろうか?
 そして、ふたりのディランの使用するボキャブラリィもとても似ているところがある。

(つづく)

(写真)ディラン・トマスの肖像写真。