みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

ヨセミテの旅―ヴァーナル滝

2011-07-05 01:30:00 | Everyday is special
カリフォルニアからこんにちは。

日本は節電の夏、いかがお過ごしでしょうか。
こちらもとても暑くて、日中は毎日40度以上になります。が、夜から朝にかけては18度くらいまで下がりますし、湿度がきわめて低いので、日本よりも過ごしやすいのではないかと思います。

さて、今回のヨセミテの旅は、心の旅になったと書きましたが、それは、まず大自然の中を巡礼の気持ちで歩いたということです。また、歩きながら母と歩いた信州の山々を思い起こし、大自然の中で、ようやく心の慰めをいただいたということです。

ヨセミテでは、国立公園内の宿泊施設は限られていますし、とても高価なので、ぼくは、公園の中心から60キロほど離れたマリポーサという小さな町に宿をとりました。
滞在中、そこから毎日車でヨセミテに通ったわけです。

さて、着いた翌日、さっそくビジターセンターに行き、広大なヨセミテ国立公園のおすすめのトレイル・コースを教えてもらいました。トレイル(Trail)とは、登山道というか、山の中を歩く道のことを言います。

さっそくその一つ、ミスト・トレイル(Mist Trail=「霧雨の道」とでも言うのかな)に向かいました。
公園内では、駐車場が限られているので、車を駐めてからは、無料のシャトルバスで移動します。
ちなみに、広大な国立公園に入るには入場料を払うのですが、7日間有効の料金が20ドルです。きっと環境保全の他にシャトルバスの料金なども含まれているのでしょう。

このミスト・トレイルには、大きな滝が二つあって、その最初の一つが、ヴァーナル滝(Vernal Fall)です。上の写真がそれです。Vernalは「春の」という意味ですが、この滝は、雪解け水の多い春や初夏以外は、きっと水量が極端に少なくなるのだと思います。


これがミスト・トレイルの入口の景色。雪解け水がとても豊富です。



奥に、ようやくヴァーナル滝が見えてきました。



滝に近づくと、霧雨(Mist)どころか、風に吹かれて飛んでくる滝の水が大雨のように降ってきます。下ってくる人たちを見るとびしょ濡れです。ぼくも、雨具のウインドブレーカーを着て、いざ登っていきます。



滝の真横の崖を登っていきます。高いところが苦手なぼくは、なるべく下を見ないように登りました。



息を切らしながら、ようやく滝の上に来ました。滝の上の上流の景色。



行きよいよく水が左へ流れています。



そして、いよいよ滝から流れ落ちます。



水の落ちていく、その先の風景に、思わず息をのみました。

ぼくは、ここまでの道のりで十分疲れ果てて、まずは川辺に座って自分で作ってきたおにぎりを食べました(宿には電子レンジがあるので、レンジで温めるご飯を使って。)
これが、まだミスト・トレイルの半分も来ていません。ビジターセンターで、往復7マイル(11キロちょっと)6時間のコースですよ、との声がよみがえり、いい加減疲れたし、ズボンや運動靴もびしょ濡れになったので、もう戻ろうかと考えました。

ところが、そのとき一人で登って来ていた元気なご老人と目があって、話を聞くと、彼は、なんと90歳とのこと。奥さんが、体が弱くて家にいるので、写真を撮って見せるのだと言います(いい人だなあ)。そして、地元に住んでいるので、何度も、このコースを登っているとか。
先を行く人々を見ると、小学校の低学年の子どもたちも元気に登っていきます。
周りの見知らぬ人々に元気をもらって、また登り続けることにしました。

強い日差しと乾燥した空気とで、ズボンも靴も乾いてきました。いざ、また出発です。