みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

草花みたいな言葉

2014-11-29 15:00:00 | Everyday is special
先日の長野県北部の地震では、皆さまからご心配いただき、どうもありがとうございました。
長野市内北部の実家に住んでいる一番上の兄によれば、食器が棚から落ちたりピアノが移動したりしたけれども、大きな被害はなかったとのこと。
長野市の篠ノ井に住んでいる二番目の兄の家はなんともなかったとのこと。
安心しました。

また、白馬村に移り住んでいる信者さんのお宅も、断層から離れていて地盤もよかったのでしょう、何ともなかったとのこと。
よかったです。

それにしても、冬を迎えるこの時期に家を失ってしまった皆さんのお気持ちは計り知れません。
暖かく安心して過ごせますようにと心から願っています。

さて、先日NHKの朝のニュース番組の中で、ぼくの好きな詩人、谷川俊太郎さんが出ている映画『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』が紹介されました。
その中の谷川さんへのインタビューが印象的だったので、ここに記録して残しておきたいと思います。

谷川さんは、ツイッターやフェイスブックで交わされる言葉はすぐに消えていったしまい、ちっとも残っていかないことを指摘しておられました。
それに対して、「道端に咲いている草花みたいな言葉を机の上に置くように」すればよい、とおっしゃっていました。
別の言い方で、「言葉はフロー(=流れていくもの)になっていてストック(=たまっていくもの)になっていない」とも。

ただ咲いて枯れていくしかない道端に咲く花を一つ摘んできてテーブルの上に飾るように、言葉を摘むことを大切にしよう、とのメッセージです。
本当にその通りだと思いました。

ぼくも道端の花の写真を撮って、このブログに載せることを楽んでいたので、ちょうど的を射たりの気持ちになりました。

映画の予告編で谷川さんご自身が朗読されている詩(大震災後の詩)を書き留めておきたいと思います。

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何もかも失って
言葉まで失ったが
言葉は壊れなかった
流されなかった・・・
(谷川俊太郎「言葉」より)
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イエスさまの言葉、「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」(ルカ21:33)を思い出しました。

この映画、ぜひ観にいきたいと思います。


写真は、枯れた紫陽花でしょうか。



この葉の黄葉は、とてもやさしい色合いでした。