みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

ヨセミテの旅―マリポーサの森

2011-08-06 11:30:00 | Everyday is special
突然ですがフィリピンから、暑中お見舞い申し上げます。

きょうは、ヒロシマの日。カトリック教会では「主の変容」の祭日で、これから15日の「聖母の被昇天」の祭日まで、平和旬間として祈りをささげます。

また、66年後にして日本は再び被爆の恐ろしさに直面しています。
すべての人が、一日も早く安全で安心できる生活を送ることができますように、祈ります。

今週からフィリピンに来ていますが、こちらでは、雨やくもりの日が多く、最高気温は28度程度で、湿度は高いものの、しのぎやすい天気になっています。
今回は、さっそく仕事で来ています。
移動と気候の変化に追いつけず、なかなかゆっくりできなかったので、まずは体調を整えたいと思います。

さて、ヨセミテの旅のつづき。
きょうは、マリポーサの森(Mariposa Grove)です。

ここは、ヨセミテ国立公園の南の端。ジャイアント・セコイアという巨大な杉が見られます。

前日まで晴れていたのですが、この日は曇り空。
午前中の早い時間は、観光客もまばらで、静かに散策することができました。


これはトンネル・ツリー。1895年に馬車が通れるほどの穴が開けられてしまったとのこと。そのうちの一本は1968年に倒れてしまいました。人間のすることはなんとおろかなことか、と思いながら、おんなじ人間のぼくもその中を通ります。


これが、マリポーサの森でいちばん古くて大きな「ジャイアント・グリズリー」。パンフレットには推定樹齢1800年とありますが、インターネットで調べてみると2700年という記述もあり、定かではありません。が、非常に大きいです(根元の外周29.4メートル)。屋久島の縄文杉も見てみたいものですが、この杉も存在感がありました。


2本の木が寄り添うように立っています。右側の一対には「忠実なカップル」という名がついています(この記事のいちばん上の写真も同じ木です)。


これは、上の写真の左側の一対。言うならば「若いカップル」。まだ若いと言っても、かなりの大きさがあります。


あと1000年もすると、幹が一つになっていくのでしょうか。


もっと近づいて、木に触れて、上を見上げてみました。



これは、別の木の松ぼっくり。きたない靴で見苦しいですが、ご容赦を。(ちなみに、靴のサイズは27センチです。でも、ズボンをまくる必要はなかったねえ。)


さらに歩いて行くと、こんな木が。「洗濯ばさみの木」(Clothespin Tree)と呼ばれています。度重なる自然の山火事で、このような穴があいてしまいました。それでも、たくましく生きています。



山火事の痕跡。7年から20年に一度は自然火災が発生するとか。現在では、人工的に小規模な火災をわざわざ発生させて、大規模な自然火災を防いでいるとのこと。大きな木は、何度も火災を乗り越えて生きてきたのですね。すごいです。ちなみに、こちらでは、冬に雪が降る以外は概して乾燥した気候で、日本の湿気が豊かな山とは姿がまったく違います。


そんな中で、小さな木が育ち始めています。悠久のいのちのつながりを感じます。


5月の下旬ですが、まだところどころ雪が残っています。この辺りは標高2000メートルを超えています。


突如として目の前に現れた珍しい植物。雪解けの時季に見られるので「スノープラント」と言うそうですが、葉緑素を持たずに土からの栄養だけで生きるのだそうです。


森の中を歩きながら、千年を超える大きな木を前に、自分の小ささを感じました。同時に、小さないのちにさえ、同じように心をかけてくださる神さまを思いました。

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主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。
山々が生まれる前から
大地が、人の世が、生み出される前から
世々とこしえに、あなたは神。

あなたは人を塵に返し
「人の子よ、帰れ」と仰せになります。

千年といえども御目には
昨日が今日へと移る夜の一時にすぎません。(詩編90:1-4)

・・・・・・

わたしたちの神、主の喜びが
わたしたちの上にありますように(90:17)
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この日は、前日までのトレイルで、体力的にも気力的にもかなり疲労を感じていたので、あまり無理をしないことにしました。

マリポーサ・グローブのパンフレット(PDF)はこちらからダウンロードできます。日本語版もあります。