父が、水彩画を始めて、壁にぶつかっています。
デッサンを繰り返し、思うように描けないのか、「ダメだ。ダメだ。」と、言うのが普通になってきました。
その気持ち、私にはわかるんです。
私も写真を始めて、もう何度、「ダメだ。ダメだ。」と、気持ちの上で、落ち込むことがしばしばです。
ゴールなどないのだから、何もそんなに急いでケリをつけることなどないのです。
しかし、早く上達したい私達は、自分に激を飛ばすのです。
多分、もう「ダメだ。」という気持ちがなくなったら、趣味などに熱中することはなくなります。
私には超えたい人がいるんです。
それは、同じ写真クラブのエースの女性なんです。
いつも、私のずっと前を走っている感じで、背中が遠くに感じます。
確かに、いい写真を毎回、見せてくれて、「ほぉー。こんなのも撮るんだ。」と、感動すら沸いているのです。
そういう自分が、ちょっと情けない気持ちもうっすらあります。
やっぱり、超えたいものがあるってことはいいことだ。と思います。
父にも、そんな気持ちがあるのだ。と、勝手に私が考えます。
上手に描けて、みんなの前で褒めてもらうことです。
そんな野望が彼を、「ダメだ。ダメだ。」と、搾り出すような口癖に変えていくのです。
さて、私達親子は、一体、何をそんなに焦っているのか。神のみぞ知るんです。