翻訳を受注するというお仕事を永い期間やってきましたが、発注していただける側も含めて、どのような成果を得ようとしているのかを、ハッキリと確認した上で翻訳に取り掛かっていないという現状に問題があると思っています。
「重要な翻訳ですから慎重にやってください。」と言われれば言われるほど直訳に近い翻訳になってしまうという矛盾があることに気付かない。
まるでカルタ取りのように原文と翻訳した文を確認しながら、「誤訳がある、抜けがある」と指摘すればするほど現地に人たちには難解な文になっていくことになってしまう。
このような事例はこの業界では日常茶飯事なのです。
お客様にとって問題ですからクレームという形で翻訳会社に指摘をするのだが、何回やっても、翻訳会社を変更したとしても解決できないということになります。
ものごとをする前の準備として、どのような成果物を期待しているのかという分析と、やり方の設計をする中で発注側と受注側の認識を完全に一致させるという作業が必要です。
そして翻訳後は、分析して設計した通りに作業が行われたかという検証作業を必要に応じて行うということが大切です。
つまり事前、事後を軽視しているようでは、いつまで経っても欲しい成果が得られないのです。