goo

■「秀明館」の謎

昨年9月上旬、小田原市付近に上陸した台風9号の影響により、箱根は650ミリを越す記録的な豪雨となり、道路は各所で寸断されました。
その数日後、どうにか通行が確保されていたR138御殿場口から登り姥子の「秀明館」にいってきました。
豪雨による湯量増加を狙ってか、10時前から客が押しかけ、10時の段階で安い部屋は満室となっていました。

前にいったとき(箱根で400ミリ以上)より雨量が多く、岩盤からわき出す湯量もすごいものがありました。スタッフの話では「ここ数日でいちばん多い」とのこと。

でも、正直いって前回のような”すごみのあるお湯”ではなかったような気がします。
このことをY師匠に話したところ、いくつかの示唆をいただきましたので、それをふまえて整理してみます。
なお、これはあくまでも筆者の勝手な推測です。

------------------------------------------------------------------
前にも書いたとおり、ここの浴槽にはつぎの3系統の配湯ルートがあります。

A.奥の岩盤と岩盤下の底から自然湧出する源泉を、しきいの上から浴槽へ流し込み - (湧出量豊富なとき)
B.左端の金属パイプから熱交換装置経由で湯温を落として配湯 - (岩盤湧出高温時)
C.中央の金属パイプから低層からのポンプ揚湯泉を配湯 - (岩盤湧出涸渇の時)

今回、Cはありませんでした。
ほんとうはAをそのまま流し込むのがベストですが、熱くてとても入れません。(湯量が増えるほど湯温もあがるらしい) そこで、Bで温度調節をするわけです。
今回、思い返してみると、Aの流れはほとんど木板で浴槽の外へ逃がされ、Bがメインとなっていました。
前回は、Bもあったものの、Aはほとんど全量浴槽へ流れ込み、Aがメインでした。

Bは、すくなくとも熱交換装置を通しています。また、ひょっとするとポンプ揚湯泉をつかっているのかもしれません。
そうだとするとあまりに湧出湯量の多いときは、浴槽のお湯はほとんど熱交換装置経由のもの(&ポンプ揚湯泉?)になってしまいます。
これで、Aがメインだった前回より、湯質が劣っていた(?)理由の説明がつきます。

そうすると、ここの湯質がベストなのは、湧出量と湯温が適度に落ちついてAのみを利用しているときということになります。
「大雨のあとに『秀明館』」というのは定説ですが、ひょっとしてじっくりかまえておもむろに突入したほうがベターなのかもしれません。

(注.写真は前回撮影のもの。現在撮影禁止となっています。)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )