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■ 船橋温泉 「船橋温泉 湯楽の里」



船橋温泉 「船橋温泉 湯楽の里」
住 所 :千葉県船橋市山手3-4-1
電 話 :047-495-2626
時 間 :9:00~25:00 / 定休日なし
料 金 :650円(土日祝等特定日 800円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLEガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (ぽかなび.jp)

船橋の山手住宅街に2005年8月オープンしたスパ銭が、2007年12月に温泉を導入したもの。
ここは2009年2月に入っていますがなぜかレポしわすれていて、2011年8月に再訪したのでUPレポします。(って、このブログ「関東周辺の新設日帰り温泉レポ」じゃろが・・・(^^;;))

場所は東武野田線「塚田」駅と「新船橋」駅の中間の線路沿いで両駅から徒歩10分ほど、線路沿いに歩いていけばいいのでアクセスは容易です。
ところが車で行こうとすると、その到達難易度はハンパではありません。
地形が複雑で、道が細く込み入っているうえにサークル道路などがあるので、走っているうちに方向感覚が狂ってくるのです。

わたしは湯めぐりの途中迷うことはほとんどないのですが(愛車にはカーナビ装着していない)、なんとここは2度行って見事に2度とも迷いました。
とくに県道9行田団地側からのアプローチはやっかいで、ときおりでてくる案内看板にしたがっていくと確実に迷います。
へたに迷い込むと、細くて暗い曲がりくねった道で無灯火のチャリを轢きそうになるは、チバラギ運転のジモピー車からは「よそもんがこんなところ入ってくるんじゃね・・・」とばかりにアオられるはで、ろくなことはありません。
行田公園側からショートカット&直アプローチなどという姑息な考えは捨てて、ここは素直に「新船橋」駅に出て、そこから野田線沿いのこのあたりでは唯一まともな道を北上するのが賢いオトナのやり方かと・・・(笑)。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 階段登り口

立地のわりにPは広め。
湯楽の里の最新フォーマットと思われる純和風仕上げ。
エントランスはアーチ階段を上った2Fで、常連さんはほとんど手前にあるエレベーターをつかっています。


【写真 上(左)】 エントランス-1
【写真 下(右)】 エントランス-2

玄関脇には掘削ビットが誇らしげに飾ってありました。
典型的な和風スパ銭仕様で、正面が飲食処。
わたしは湯楽の里ではほとんど食事しませんが、今回、時間の都合でひさびさに食べてみました。
味はあいかわらずいまいちでした。真名井の湯やおふろの王様など、このところ味がよくなってきているので、もうひと頑張りほしいところか・・・。


【写真 上(左)】 掘削ビット
【写真 下(右)】 温泉井の説明

受付左手に浴場で左が男湯、右が女湯。構成はほぼシンメトリなので男女固定制かと。
他に別料金のゲルマニウム岩盤浴もあります。

内湯ゾーンに温泉槽はなく、カルキ入った真湯の機能浴槽群にサウナ、水風呂、座湯に人気の高濃度炭酸泉(レギュラー浴槽&寝湯×4)。
浴槽材に桜みかげに菊花石をミックスしたような質感のある石材がつかわれています。

水風呂は16℃くらいでかなり冷たいですが、井水と思われる水質はいいです。
高濃度炭酸泉はさすがに炭酸泉のメッカ、千葉北部らしい力のあるもの、とくに井水らしき原水がいいためか当たりのやわらかな入りごこち。
とくに寝湯はすこぶる快適ですが、超人気で混雑時はほとんど空きません。

水風呂や炭酸泉に限らず、真湯槽も井水使用と思われ、これは硫酸塩含みと思われるなかなかに質のいいもの。
一部浴槽では石膏系らしい析出もでています。

露天は中央に温泉浴槽「上の湯」(岩組鉄平石敷4人)と「下の湯」(同7-8人)でともに屋根なし。
これを取り巻くように、「滝風呂」、「壷湯」×3、「寝湯」×3、「ねころび湯」×7、「塩サウナ」などが配置されています。

露天は狭くはなく、風もとおりますが植栽がすくなくやや無機質な雰囲気か。
でも、デッキチェアがたくさんおかれているのは優。
どこかでみたような露天だな?と思ったら「市原温泉 湯楽の里」でした。

カラン27、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、平日20時で40人以上、土曜22時で50人以上もいる大盛況。

温泉使用の「上の湯」と「下の湯」のみレポします。
「上の湯」は入口サイドに湯口があり混みあうので、反対側からも入れるようにした方がいいかも。
湧出量314L/minもあって温泉槽(上の湯&下の湯)10人強とはやや小ぶりに過ぎる気もしないではないですが、「県条例で1日50tまでしか源泉を汲み上げることができないため」という掲示がありました。

「上の湯」は赤茶の変色+石灰華のでた岩の湯口から熱めで透明の源泉を投入し、「下の湯」への流し出し。
「下の湯」は「上の湯」からの流し込み+側面注入で排湯不明。
掲示によると、「上の湯」が非加水加温かけ流し、「下の湯」が循環濾過(非加水加温)です。

「昭島温泉 湯楽の里」でも書きましたが、最近の湯楽の里は円形浴槽に仕切りを入れて半月状に区切る「上の湯」「下の湯」方式としていますが、これはどうなのかな?
「上の湯」がかけ流し槽、「下の湯」が循環槽となりますが、これ見よがしにとなりあっているので、当然お客は「上の湯」に集中します。(ここも「上の湯」は人気浴槽。)
”かけ流し”人気炸裂の近頃では、かけ流し槽はむしろひっそりと配置した方が客数を絞れ、結果として湯質も保てるような気がしますが・・・。

「下の湯」は、夜につき色不明。味臭や湯ざわりは「上の湯」(下記)に準じますが、「上の湯」より化学臭?がつよく金気抜け気味かな。
循環ろ過にしてはかなりレベルの高いお湯だと思いますが、濃度感は「上の湯」の方が上だと思います。(掲示ではともに非加水。)

さて、本題の「上の湯」です。
かなり熱めのお湯はよるにつき詳細不明ですが緑がかった茶褐色透明度30cmほどのにごり湯かと思います。
味臭や湯ざわりは「法典の湯」と大差ないので、これをおおむね引用(笑)します。

強鹹味の裏に金気系だし味と重曹味と苦味が潜んでいる感じは、塩加減を間違えた海鮮スープ?(笑)
粘土系アブラ臭とアンモニア臭と(たぶん)臭素臭とヨウ素臭が渾然一体となって匂い立ちます。
湯口ではこれにプラスチックを燃やしたような独特の匂いが加わる千葉北部特有のクセのある温泉臭。
香りのインパクトは、驚異の源泉、二宮温泉「みどりの湯 船橋・田喜野井店」には及ばないものの相当なレベルです。

強食塩泉らしい重厚な浴感と温もり感、鮮度が高く、量は多くはないもののアワつきもあります。
土類と鉄分によるギシギシが優勢ですが、湯口あたりではこれにアワつきによるぬるぬるが乗ってきます。
重曹系のツルすべも僅かながら湯ざわりに変化を与えているかと。

総計30g/kg超の強食塩泉なので当然本性は凶暴ですが、なんとなくマイルドさを秘めてもいるようで、温泉臭が絶妙なこともあってあとを曳きまくる麻薬的なお湯。
浴後は湯切れよく、適度に重曹成分が効いてつるつる感もでてきます。

近年、南関東で掘削された温泉スパ銭によくあるのが強食塩泉で、地中に封じられた太古の海水を汲み上げる”化石海水型温泉”といわれるもの。
海水の成分濃度は35g/kg以上あるので、それを起源とする化石海水型温泉もおおむね濃厚な高張性強食塩泉となります。
数万年から数百万年も地中に封じ込まれていたといわれる化石海水型温泉は、長い年月のあいだに成分が変化し、海水とは異なる性状をもつようになります。
このあたりのハナシはやませみさんの「温泉の科学」をみてね。

関東南部の地熱勾配からすると、掘削1,000mで25℃、1,500mで40℃の泉温になるとされ、このあたりでは1,200~1,500mくらい、泉温40℃弱で湧出するケースが多くなっています。

よく、「地中でじっくりと熟成され、こんこんと自然湧出するお湯だけがホンモノの温泉、深層ボーリングと動力でむりやり引き揚げた化石海水など温泉ではない」というドラスティックな意見を耳にします。
自然湧出泉はたしかにすばらしいですが、深深度掘削の化石海水型温泉も捨てたものではありません。
むしろ塩気がつよくよく温まるので、万人にわかりやすい温泉といえるのでは・・・。

深層ボーリング技術のなかった時代には、化石海水型温泉にはまず入れなかったし、濃厚なものは深層地下水の補給もすくないので、賦存量(地中に貯えられている量)を汲み上げてしまえば枯渇する運命にあると思われます。
その意味で、高濃度の化石海水型温泉はとても貴重なもので、現代人のみが享受できるたいへんな贅沢だと思っています。

市川・船橋あたりから江戸川沿いに遡っていくと、大谷田、保木間、流山、吉川、柏(ゆの華、湯元)、野田、春日部など、強食塩泉が目白押し。
総計20g/kgを越えてくるような濃厚な成分をもつこれらの温泉は、深層地下水の侵入の少ないピュアな化石海水型温泉とみることができます。
化石海水型というと塩気の強さだけがとりあげられることが多いですが、良質なやつは土類(Ca、Mg)、鉄分、アンモニア、ヨウ素(I)、臭素(Br)、重曹などを豊富に含んでいて、これらのブレンド具合を楽しむのが醍醐味。

そんな化石海水型温泉の集大成ともいえるような良泉が、ここ「船橋温泉」やちかくの「法典の湯」だと思います。

〔 源泉名:湯楽の里 船橋温泉 〕
Na-塩化物強塩温泉 34.0℃、pH=7.4、314L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=31540mg/kg
Na^+=10640mg/kg (88.21mval%)、Mg^2+=302.1、Ca^2+=524.2、Fe^2+=4.2、Cl^-=18800 (97.97)、Br^-=124.6、I^-=43.8、HCO_3^-=587.6、陽イオン計=11870 (524.6mval)、陰イオン計=19560 (541.9mval)、メタけい酸=76.3、メタほう酸=10.9 <H19.5.17分析>

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:上の湯/なし、下の湯/あり 塩素系薬剤消毒:あり

〔 館内掲示(要旨) 〕
当館の温泉は1,500mから汲み上げた源泉をそのまま加温し、タンクに溜めずに浴槽へ流しています。県条例で1日50tまでしか源泉を汲み上げることができないので、(仕切った上の湯は)狭くなっていますが、これは最高の状態で源泉掛け流しを楽しんでいただきたいためなのです。

■ブランドグルメ
〔 船橋三番瀬のあさり 〕
”江戸前の海”を控えた船橋では、ふるくから小魚や貝などの海産物や佃煮類が名物とされてきました。
なかでも三番瀬(さんばんぜ)と呼ばれる干潟でとれるあさりはふっくらとした身が身上の逸品とされています。
地元の名店「杉岩商店」では、貴重な三番瀬産の焼きあさりを入手することができます。

〔 2011/08/07UP (2009/02・2011/08入湯)) 〕


E139.58.59.840N35.42.51.470
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