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■ 4つ打ちとグルーヴ (音のスキマ論-0)

2022/08/16 UP

8/14放送の『関ジャム』で、先日の山下達郎特集で流せなかったテイクをやっていた。
達郎氏の名言炸裂してたので、UPしてみます。

〔ヴォーカルについて〕
「ボイストレーニングっていうのは基本的に声のメンテナンスの手法。下手な歌が上手くなる訳ではない。」
「『歌っていうものはね・・・』(とか)そういうものでは無い。その人の歌う歌が”歌”」
↑ 歌の巧さは当然の前提として、やっぱり歌い手のオリジナリティということなんだと思う。

〔サウンドのつくり方〕
「1970年代はとにかく選択の余地が少ない。」
「ドラム、ベース、キーボード、ギターを呼んでスタジオ行って、それで演奏して3時間で2曲録って、それにコーラス入れてストリングス入れて、ブラスを入れたら贅沢、みたいな・・・」

「今はまず曲つくるときに、生(楽器)でやるのか? 機械でやるのか? ドラム、シンセベース、シンセサイザーでやって音の選択なんて無限にある。」
「どの音でやるかっていうのを決めるだけでも時間がかかる。」
↑ 選択肢が少なかったから、それだけサウンドづくりに集中できたのかも・・・。

〔アレンジについて〕
「編曲(アレンジ)法=楽器なので、何の音源を使うか、楽器、何を使うか、むしろオーケストレーション。」
↑ たしかに、キーボードパートで生ピアノとフェンダー・ローズじゃ、曲のニュアンスぜんぜん違うもんね。

〔「RIDE ON TIME」のサウンドについて〕
・青山純氏の16ビート(ハイハット)と伊藤広規氏のチョッパーベースと達郎氏のギターのパッセージのアンサンブル。
「ハットの細かいところのニュアンスとか、そういうものに物凄くこだわってつくってた時代」
「演奏が練れてる(ところで)何度もリハーサル。」「それが人間の要素のアンサンブルのいいところで・・・」

「そういうことやらないのかな? みんな」
↑ 誰かに向けてのメッセージでは?

これきいて、やっぱりグルーヴのキモは、
 ・16ビート(ハイハット)
 ・チョッパーベース(スラップベース)
 ・ギターのパッセージ(とくにカッティングとかリフとか)
がつくりだすアンサンブルにあると思った。

↓ だからこの3要素が揃っていた、BCMやfunka latinaを好んで聴いていたのだと思う。
今じゃ、1曲通しの生の16ビートハイハットなんて、ほとんど聴かない(聴けない)もんな・・・。
(NHKの音楽番組のドラマーさんがときどき演ってる。)

■ -43- - Level 42(1983年のLIVE)


■ Night Birds - Shakatak ( Live from Crossover 2005, Japan )


■ Never Too Much - Luther Vandross


■ 99 - TOTO 1980 LIVE in Tokyo

↑ TOTOがいわゆるふつうのRock Bandと一線を画したのは、Jeff PorcaroのシャッフルドラムスとDavid Hungateのはずむベースラインがあったから。
ギターのSteve LukatherがFred Tackettあたりだったら、3拍子揃って完璧なAORユニットになっていたと思う。

■ Vinnie Colaiuta Plays His Restored 90's Gretsch Kit For The First Time

↑ Vinnie Colaiuta。1980年代は、こんなのがごろごろいたから・・・(笑)
やっぱりリズムセクションの層の厚さが今とは違っていたと思う。


それにしても一度でいいから、達郎氏とマキタスポーツ氏の対談がききたい。

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2022/07/14 UP

New Jack Swingの影響も大きかった。

■ 80'Sマニアのための80'S R&B サーファーディスコ からニュージャックスイングまで

↑ 1980代のグルーヴ系BCMからNew Jack Swingへの移行がよくわかる選曲&編集。

■ New Jack Swing The Best Collection

↑ New Jack Swingが主流になるにつれ、洋楽を離れた人間です(笑)

New Jack Swing のビートは、いまも洋楽の底流になっていると思う。
それに風穴を開けた(と思った)のがSilk Sonic(Bruno Mars, Anderson .Paak)だったんだけど・・・。

【和訳】Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic「Leave the Door Open」【公式】



2022/05/05 UP
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■ 2022年のJ-POP-2で、いまの米国の金太郎飴チャートぶりについて書いたけど、その理由についてつらつら考えてみました。

なにが「金太郎飴」かというと、hip hop系4つ打ちとペンタ音階です。
なので、それについて探っていきたいと思いますが、筆者はいまは楽器もDTMもやっていないので、これから書くことは音楽制作の場からみると的外れなことも多々あろうかと思います。
そのときは笑ってやってください。

1.hip hopとサンプリング

まずは ↓こちらをご覧ください。

■ hip hop ヒップホップの作り方3 定番コード進行、音源と 装飾音の作り方(DTMスクール EDMS)

↑ ても、これって楽器でやったほうが手っ取り早いし楽なんじゃね?

でもって、こちらもどうぞ。↓

■【ヒップホップ】初心者のためのビートメイキング講座

↑ hiphop制作サイドからの視点です。

「楽器を弾けなくてもできる音楽が、いわゆる hip hopの音楽のルーツになっている。」
↑ それはそれで、音楽(POPS)の裾野が広がっていいことだとは思う。

ビートループ、サンプルでもってきちゃばそれでよし。べつにもってこなくてもDTMならいくらもつくれる。
これにサンプリング音源乗っければ、それで一丁上がりってことか・・・。

でもさ、それじゃグルーヴでないわけよ、↑でもいってるけど・・・。

「僕が思うグルーヴです・・・。」
↑ さすがに解説者だけのことある。パワーワードの「グルーヴ」に対する姿勢は慎重。
「僕が思うグルーヴ」ね・・・(笑)

「(天才J Dilla) MPCとかで、こんなに楽器みたいにグルーヴを出せなかったんですよ。いままでは、けど、それをいとも簡単にやってのけたJ Dの・・・」
↑ ????? ふつうに楽器弾いてグルーヴ追求すればいいんじゃね?
楽器弾けても簡単にはグルーヴ出せないけど。

「ドラムトラックがめちゃくちゃしっかり創れてれば、どんなビートもまじでワンランク上のビートになる。」 
↑ これはたしかにそうだと思う。バンド・サウンドもそうだもんね。

■【公式ライブ映像】Poppin'Party「キズナミュージック♪」

声優の架空ユニットなのに、これだけのドラムス&サウンド叩き出せるのは立派。

■ Endless Story - Yuna Ito

リズムセクション(というか全員)名演。スロー曲なのにグルーヴばりばり。

■ Everlasting Song - FictionJunction

FictionJunctionが凄いのは、歌姫コーラスだけでなく、インスト陣のサウンドも一流だから。
これはなかでも絶品。歴史に残る名演だと思う。

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でも、メロディのサンプリングってなんでやるの?
メロ(コード進行)が枯渇したから?
それとも往年のグルーヴがほしいから?

・ヴェイパーウェイヴ / フューチャーファンク(シティポップ・サンプリング)の代表曲
■ 【Rainych】 Mayonaka no Door / STAY WITH ME - Miki Matsubara | Official Music Video


・オリジナル
■ 真夜中のドア/Stay With Me - 松原みき

↑ この2曲聴き比べれば、本家どり(サンプリング)して本家以上のグルーヴ創り出すなんて、とうてい無理筋だってことくらいすぐにわかろうかと思うが・・・。


16ビートのリズム音源とか、じつはあるんだけど ↓
■ 16ビートDr&Bass リズム音源


あまりにドハマリの曲、1970年代中盤~1980年代前半にたくさんつくられてるので、どうしても二番煎じになる。
それにヴォーカルとインストに力量ないと、このリズムこなせないし・・・。

■ Lowdown - Boz Scaggs(1976)

David Hungate(b)、Jeff Porcaro(ds)、Fred Tackett(g)、David Paich(key)

■ Destination - The Warriors(1982)

↑ 英国funka latina(ファンカラティーナ)。
16ビートグルーヴ曲に欠かせなかった、チョッパー・ベース(スラップ・ベース)とカッティングギター。
このビートはどう演っても(聴いても)バックビート(裏拍)になる。
4つ打ちにはならない。

日本でも・・・。↓
■ DOWN TOWN - EPO Studio Live


■ また会おね - 矢野顕子 with YMO (1979)


■ Meiko Nakahara(中原めいこ) - Fantasy(1982)



2.最新人気楽曲のリズムパターン

ありがたいことに絶好のWeb記事がみつかりました。↓
「【2021年最新】人気楽曲のリズムパターンを解析(ヒットの秘密は〇〇リズム)」

■ BTS - 'Dynamite' Official MV

↑ おそらく、2021年にビルボードでもっともヒットした楽曲のひとつ。
・BPM114の4つ打ち。2.4拍アクセントでアップビートにも聴こえるが4つ打ち。
コード進行は6251の循環進行でいたってシンプル。(あまりにシンプルなので、←の筆者さんにアレンジされちゃってる(笑))

■ YOASOBI「怪物」Official Music Video (YOASOBI - Monster)

・BPM168の4つ打ち。これも2.4拍アクセントあるけど典型的な4つ打ちタテノリ曲。
お子ちゃまでも簡単に踊れる(というかハネてるだけでOKという)、すこぶる間口の広い曲。
コード進行は4536王道進行だけど、一応ブルーノートと転調かましてる。

「(2021年の邦楽シーンは)『売れたいなら4つ打ちにしなさい』と言わんばかりの、トップチャートのほとんどが4つ打ちです。」
↑ これは邦楽だけじゃなく、洋楽でもいえると思う。

「昔から4つ打ちのリズムパターンは人気ですが、ロック系が少し勢いを失い、ここまでエレクトロ系がトップチャートを占めることは無かったので、2021年は圧倒的4つ打ちブームと言えます。」
↑ この筆者さんほんといいとこ突いてるわ。異論ござりませぬ。


3.4つ打ちとペンタ

4つ打ち(キック(バスドラ)を4連でかますリズム)じたいは1970年代以前からあったし、ABBAやミュンヘン・サウンドは4つ打ちだった。

■ Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight) - ABBA


でも、のちに4つ打ちの牙城となるディスコでも、1980年代前半まではシンコペ絡みの16ビートバックビートがメインだったと思う。

■ Got To Be Real - Cheryl Lynn (1978)


■ Feelin' Lucky Lately - High Fashion (1982)



1981年に4つ打ちの ↓ の大ヒットが出たが、まだまだ洒落気とグルーヴは十分に残していた。
■ Daryl Hall & John Oates - Private Eyes


■ 愛のコリーダ/クインシー・ジョーンズ(Ai No Corrida - Quincy Jones)(1981)

これはアップビートだけど、メジャーコードと日本人好みのベタメロが入りまじった不思議なメロディーで、個人的にはBCMとは思えなかった。
予想どおり(笑)日本で大ヒットして紅白でも歌われた。
今から考えると、これがユーロビートの走りだったかもしれぬ。(歌謡曲との親和性という意味で)


1982年くらいから英国エレクトロ・ポップで4つ打ちが増えだして、

■ Relax - Frankie Goes To Hollywood(1983)


個人的に、決定的にやばい(笑)と思ったのは、1985年の ↓。

■ 荻野目洋子 - ダンシング・ヒーロー

4つ打ちベタメロ曲。
(4つ打ちタテノリ曲なのに16ビートヨコノリのクセから抜けられないダンサーさんたち、苦しそう(笑))

もはや「邦楽だからしょーがねぇわな」、と悠長に構えてはいられなかった。
このベタメロの元歌が洋楽(Angie Gold/Eat You Up)だったから。

それにこのころ一気に増え出したサンプリング系の楽曲でもシンコペはとり入れることができたけど、なんとなくラグタイムから綿々とつづいてきたシンコペとは異質のものになってしまった感じがしていた。

■ The Entertainer - Scott Joplin


■ ラグタイムってなに?シンコペーション??【JAZZの歴史Vol.3】-学校では教えてくれない音楽のコト-


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でもって、懸念は現実のものになった。

■Turn It Into Love - Kylie Minogue

はい、きました。
ストック・エイトキン・ウォーターマン (Stock Aitken Waterman/SAW)ですね!
4つ打ちベタメロ王道曲。ジュリアナ東京へ一直線。

↓ 日本でも大ヒットしたのは、わかりやすい4つ打ちやマイナーなベタメロ(=歌謡曲メロ)が、日本人の琴線に広くふれたためだと思う。
■ 愛が止まらない - WINK


というか、発端は1984年のこの曲か・・・。
■ You Spin Me Round (Like a Record) - Dead Or Alive

すでにSAWが絡んでる。
【 洋楽1983年ピーク説 】を書くひとつのきっかけになった曲。
「Hi-NRG(ハイエナジー)の先駆けとなった曲」ともされるが違うと思う。
ユーロビートの先駆けではあるが。

2009年、Flo Ridaの「Right Round」のサンプリングでヒット。
■ Flo Rida - Right Round (feat. Ke$ha)

いまの米国のメインストリームにかなり近い。
この手の曲は、サンプリングで上位互換あり得るかも・・・。

・Hi-NRGの代表曲
■ Can't Take My Eyes Off You (Original Extended Version) - Boys Town Gang(1982)

↑ 「You Spin Me Round 」と質感ぜんぜん違うでしょ。
この曲もそうだけどHi-NRGのメインストリームって、 San Franciscoの「Moby Dick Records」だと思う。英国じゃない(Passionレーベルはあるけど)。
(あと、オランダの「Rams Horn Records」かな。こちらのほうはユーロ・ディスコなのでMoby Dickより4つ打ち色が強い。)

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追加です。

↑ で シンコペ絡みの16ビートバックビート → (Hi-NRG)(英国NewWavw / エレクトロ・ポップ) → 4つ打ちユーロビートみたいな安易な書き方したけど、そう単純なもんじゃないです。
振り返ってみると・・・。

■ On The Beat - BB & Q Band(1981)

これはバックビートヨコノリの典型曲。

■ You're The One For Me - D Train (1982)

ちょっとコアなニュアンスが入ってくる。
あきらかにベースやリズムセクションの音色が変わってきている。

■ Jungle Love - Morris Day & The Time(1984)

さらにエッヂが効いてくる。
ひきずるようなベース、乾ききったギターリフ。


エスノやラテンも絡めつつ・・・
■ Genius Of Love - Tom Tom Club(1981)

Talking Heads絡みだけに、リズムセクションの安定感はピカ一。

■ Conga - Miami Sound Machine / Gloria Estefan(1985)


そしてHi-NRG。

■ Maybe This Time (Hi-NRG Mix) - Norma Lewis(1983)

4つ打ちではありません。16ビート系のカッティング・リフ入ってるでしょ。

■ Rocket To Your Heart (Hot Tracks Remix) - Lisa(1982-1983)/Moby Dick

抜群のエナジー感、名曲! Hi-NRGはこのあたりがピークだったと思う。

■ Let's Get Started (Extended Version) - Voyage(1981)

これはフランスのユーロディスコ。Hi-NRGとはちとニュアンスが違う。

■ Do You Wanna Funk? - Patrick Cowley feat. Sylvester(1982)

1984年くらいのイメージあったけど、確認してみたら1982年と以外にはやかった。
これはすでにユーロビート入ってますね。

■ Break Me Into Little Pieces (Extended Mix) - HOT GOSSIP(1985)

ちょうどHi-NRGとユーロビートがシンクロしたのが、このあたりの曲だと思う。

■ Together In Electric Dreams - Giorgio Moroder & Philip Oakey(1984)

この曲も微妙でしたわ。
ミュンヘン・サウンドの立役者なのに、ユーロディスコ(ミュンヘン・サウンド)じゃないし、エレクトロ・ポップのニュアンスも入ってるし、メロディラインはHi-NRGだし・・・。

■ Give Me Up - Michael Fortunati(1986)

ブライトなメロディラインはHi-NRGだけど、リズムは4つ打ち。
小室サウンドに通じるものを感じる。

1984~1986年くらいがちょうど過渡期だったのだと思う。


で、SAW様の時代に突入していくわけですよ・・・。

■ Toy Boy - Sinitta(1987)

4つ打ちに超わかりやすいメロ(笑)

個人的にはアラベスク(Arabesque)やボニーMと、さして変わらんと思うけどね(笑)

■ Hello Mr. Monkey - Arabesque(1977)


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誤解をおそれずにいうと、いまも世界のPOPシーンはこの(SAWの)流れのなかにあると思う。
4つ打ちはそのままに、ベタメロがペンタ(ヨナ抜き音階)に置き換わっただけ。
日本に限らず、世界の多くの音楽のルーツはペンタ(ヨナ抜き音階)や3和音だから、意識せずに放っておくとペンタ3和音の世界に戻ってしまうのかも・・・。


・ユーミンという希有の才能が、ペンタ3和音から離れて洋楽メジャー・セブンスと奇跡的にシンクロした神曲 ↓
いつの時代でも生み出せる曲じゃないと思う。
■ ベルベット・イースター / 荒井由実 【COVER】

コード

■ ずっとそばに - 松任谷由実

↑ ユーミンのかくれた名曲。
往年のユーミンの曲はミディアム系でもしっかりグルーヴ効いてた。


4.シティポップの復権

でもっていきなりシティ・ポップです。
なぜかというと、これまで書いてきた曲たちと対極のポジションにいるから。

■ Sparkle - 山下達郎

・16ビートアップビートのメジャー・セブンス曲。
・青山純(ds)、伊藤広規(b)、難波弘之(key)。

↓ こいつを視ておくんなまし。
Kan Sanoが語る、山下達郎の影響を感じる楽曲と再評価の理由
山下達郎といえば、青山純(ds)であり、伊藤広規(b)であり、そしてグルーヴ感あふれる16ビートなんですね。
とくに、故・青山純氏(ds)の存在感。

■ Plastic Love - 竹内 まりや

↑ これも青山純氏のds。

右手1本16ビート!竹内まりやをサポートする青山純の神がかりグルーヴという超貴重な記事があります。
「通常16ビートと言えば、右手と左手で交互にチキチキとハイハットを鳴らしてリズムを刻むのだけれど、青山純はこれを片手(右手)のみで刻んでいる。(略)「チキチキチキチキ とハイハットを鳴らす」感覚と「チチチチチチチチ と、右手1本で鳴らす」感覚の違いと言えば、わかってもらえるだろうか。」
でもって、達郎さんはLIVEのさなかでこの違いを聴き分けていたそうな。

そして、大御所ドラマー、故・村上 “ポンタ” 秀一さんのお言葉。(孫引きです。)
「いまの若者に生音を聴かせたい。どうしても聴いて欲しい… 目の前で観る音楽は全然違うんだよ。スティックを振る音、身体の動き、ミュージシャン同士のアイコンタクト、そういう空気を感じて欲しいんだよ」

■【ドラム】追悼…村上 ”ポンタ” 秀一 氏 -世界のミュージシャン-【thebassman】


それと、Web検索してる途中で ↓ こんなのが引っ掛かったので・・・ ひと言。

山下達郎の曲、どこを切り取ってもサビ(川谷絵音)

「達郎サウンドって何だろうと考えると、“ファンク”という言葉が出てくる。ファンクとは、16ビートに乗せて体が勝手に揺れるような音楽で、ループフレーズが多い。その反面、いなたく(泥臭く)なってしまいがちでそのいなたさに慣れていない若者はそんなにハマらない傾向にある。」
↑ ふ~ん、そういう風に16ビートを捉えてるんだ・・・。

「ただ達郎さんの場合、歌メロがキャッチーであり、誰にも似ていない唯一無二の声で歌うため、どんなサウンドでも心地よくなるのだ。というか達郎さんのサウンドにはいなたさがない。」
↑ ふ~ん、達郎氏の本質って、「メロのキャッチー」さと「声質」なんだ・・・。
なるほど、そういう捉え方もあるのか・・・。ある意味みょーに納得(笑)

達郎さんだけじゃないと思うけどね。

■ 水銀燈/Mercury Lamp (1984オリジナル) - 杏里
(LAレコーディング作品)

 
■ 水銀燈/Mercury Lamp (『16th Summer Breeze』リマスター) - 杏里


↑ 同じ曲、同じオリジナルヴォーカルなのに、これだけグルーヴ感が違う。(むろん、グルーヴ効いているのは1980年代のオリジナル。)
グルーヴ感ってこれだけ微妙。サンプリングで上位互換、できるわけないと思うが・・・。

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↑にあげた”グルーヴ”は、1970年代後半~1980年代前半のシティポップ、AOR、ブラコンなどのノリのイメージをあらわす”狭義のグルーヴ”です。
(広義だと、リズム感=グルーヴ感や、アップテンポの曲=グルーヴィ-などのニュアンスで使われたりもしますが、それとはぜんぜん違います。)
とくに”狭義のグルーヴ”は、曲のテンポとはほとんど関連がないと思う。

スローバラードでもグルーヴィーな曲はいくらもあるし、アップテンポでもグルーヴを感じない曲はたくさんあります。
曲のテンポよりも、譜面とのからみ具合の方がはるかに関係してると思う。
ジャスト(譜面どおり)なリズムよりきもち遅らせ気味(後ノリ、タメ)で、「モタり」まで行く前の絶妙のポジョンどり、これがグルーヴ感の要ではないかと・・・。
それと、生ドラムスのスネアとハイハットは絶対必要。

でも、グルーヴってたぶんリズムセクションだけで出せるもんじゃない。
だからグルーヴの名曲といわれているテイクは、パーマネントなバンドか、一定の腕利きのスタジオミュージシャンによるものが多いのだと思う。(相手のクセや間合いのとりかたがわかっている。)
詳しくは→こちらをみてね。

グルーヴ(groove)は「レコードの溝」に語源をもつといわれ、1980年代中盤からのレコードの衰退に歩調を合わせるように、”グルーヴ”曲も少なくなっていった。
1970年代後半~1980年代前半の楽曲の雰囲気をあらわすのに、ピッタリなことばだと思う。
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(筆者のいう)”グルーヴ”曲の例 (Slow~Midテンポでも出てるパターン)↓

■ Gringo - Little Feat(1981)

・日本のミュージシャンにも人気が高かったといわれるウエストコーストのGroup。
グルーヴはリズムセクションだけで創り出すものでないことが、よくわかる1曲。

■ Anymore - Brick(1982) 

1980年代初頭、Dance(Soul)とJazzをミックスしたようなフォーマットを”Dazz”と呼んだ。(Dazz Bandは有名。)
このジャンルの曲は、たいていグルーヴ感を備えていたと思う。

■ True To Life - Roxy Music(1982)

歴史的名盤『Avalon』収録のグルーヴ曲。
これは「意図的に」グルーヴを創り出していると思う。

↑ やっぱり1980年代前半になってしまう(笑)


■ サントリービール『純生』CM 1981  Loveland Island - 山下達郎 

こんなダンス(ステップ)なら・・・なんも文句はありません(笑)

ちょいと聴いてみておくんなまし ↓
■ 2015年12月20日 山下達郎 40th Anniversary Special Part 2 ~音楽制作40年の軌跡~ ナビゲーター・クリス松村

ひょっとして、邦楽1983年ピーク説も成り立つのか・・・?

30:47~
「非常にスローモーになってますよね。だけどそれを、要するに本音言いたくないんで、やれハイレゾだなんだって、これだけプログレスしてるんだってことを、あたかもほんとに進化しているように見せかけていかないと商品性がないから、マーケティングがないから・・・。もう、はっきりしてるんですよそんなことは・・・。」
↑ すこぶる辛辣なコメントだけど、本質を突いているかも。

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思いつくままに勢いで書いたので、とりとめのない記事になりすみませぬ。
後日、手を入れて読みやすくします。


〔 関連記事 〕
■ グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?)
■ ザ・カセットテープ・ミュージック
■ コードづかいとコード進行(丸サ進行とメジャー・セブンス)
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■ サザンのセブンス曲
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