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■ 湯岐温泉 「岩風呂 (共同浴場)」 〔 Pick Up温泉 〕



湯岐温泉 「岩風呂 (共同浴場)」
住 所 :福島県東白川郡塙町大字湯岐31
電 話 :0247-43-1370 (山形屋)
時 間 :6:00~21:00 / 原則無休
料 金 :300円
オフィシャルHP (山形屋)

福島県の浜通りと中通りを境する阿武隈山地。
その阿武隈にある塙町は、周辺にこれといった観光地もない地味なエリアで、東京方面からだとすこぶる行きにくいところです。
常磐道「那珂IC」からだとR18袋田・大子経由ないしはR349里美経由。
常磐道「勿来IC」からだとR289の山越えルート。
東北道「白河IC」からだとR289棚倉経由。
3方向からルートがあるということは、裏返せば下道が長いということで、とにかくアクセスに時間がかかります。
そんな不便な阿武隈の山あいに、温泉好きを惹きつけてやまない名湯、湯岐(ゆじまた)温泉が湧いています。

湯岐は安土桃山時代、天文年間の開湯伝承をもつ歴史ある温泉場。
もっとも賑わいをみせたといわれるのは幕末から明治初期で、嘉永六年(1853)には水戸学の大家、藤田東湖が高血圧の療養のため約1ヶ月逗留しています。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 湯岐温泉

山あいの小盆地のようなところに「山形屋旅館」「和泉屋旅館」「井桁屋旅館」の3軒の宿があり、どこも自炊ができる湯治宿のよう。
おそらく温泉集落と思われるここは、隠れ里のような好ましげな佇まいをみせています。

ただ、一般的な知名度は低く、「ゆじまた」とすらすら読めるのはかなりの温泉通でしょう。
Web検索しても出てくるのは温泉好きのレポと宿のHPばかりで、この湯場が湯治客と温泉好きに支えられていることが窺えます。

この温泉場の中心は岩風呂(共同浴場)で、湯治客もみなここに入りにくるらしく、昔ながらの”外湯”のイメージが強いもの。
ふるくから「中風の湯」として知られ、湯治客は一回30分から1時間、一日に4~5時間も浸かる長湯のメッカです。


【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 脱衣所

共同浴場は「山形屋旅館」のそばにあり、無人なので「山形屋旅館」で入浴受付をしています。
混浴で浴室のすぐわきに脱衣所があって、目隠しがないので慣れない女性はキビシイか。(もっとも、湯慣れていない客はここにはこないかと思いますが・・・(笑))。


【写真 上(左)】 源泉槽
【写真 下(右)】 おくが加温槽

加温槽 (2人、適温)と源泉槽(7.8人、ややぬるめ)の2槽があり、源泉槽は自然の岩とタイル(一部モルタル?)を組み合わせた異色の浴槽。

源泉槽は、加温槽からの流し込みがあるものの、メインは浴槽底からの自然湧出で浴槽端の上面排湯口から流し出すかけ流し。
源泉槽の一部深くなったところは花崗岩の岩肌で、岩のすきまから気泡とともにふつふつと源泉が湧出する貴重な足元湧出泉です。
他に浴槽底に仕込まれたパイプからも源泉が供給されているようです。

カランなし、シャワー1、シャンプーなし、ドライヤーあり。
訪れたのは休日の15時ごろ。
湯治客らしき先客の4人はしばらくして上がり、その後は独占状態となりました。

なお、湯岐温泉には井桁屋がボ-リングし、各旅館の仕上げ湯(温まり湯)として利用されている源泉がありますが、ここの加温槽がその源泉をつかっているかは不明です。


【写真 上(左)】 加温槽
【写真 下(右)】 加温槽からの流し込み

源泉槽は30℃台中盤の絶妙のぬる湯で、ほぼ無色透明で微石膏味に微石膏臭。
よわいヌルすべの包み込まれるようなすばらしくやさしい湯ざわりで、少量ながらアワつきもあります。
ほこほことして身体が軽くなるような、なんとも快感度の高いお湯で、何時間でも浸かっていたくなる衝動に駆られます。
なるほど長湯のメッカとして知られているワケです。
浴後は肌がすべすべとなる美人の湯系のお湯でもあります。

しかし、成分総計=0.1452g/kgという地下水並みの濃度で、この絶妙の浴感はまさに神懸かり的。
ふるくからあるうす湯の名湯は、”自然湧出泉のまろみ”とか”熟成されたお湯”などと表現されることがありますが、このお湯などはまさにそれかと思います。
わたしは、泉質やキャラごとにスタンダードとなるお湯をもっていますが、ここは、下部(山梨)や沓掛(長野)とともに”うす湯のぬる湯”のスタンダードとなりました。

東京圏からの日帰りはかなりきびしいですが、”鄙びたぬる湯でまったり”が好きな人にはとくにおすすめの一湯です。

単純温泉 39.8℃、pH=9.8、湧出量不明、成分総計=0.1452g/kg、Na^+=25.2mg/kg、Cl^-=6.5、SO_4^2-=8.8、HCO_3^-=26.9、CO_3^2-=33.8、HSiO_3^-(ヒドロメタけい酸イオン)=38.0 <H6.9.27分析>

一郷一会100名湯

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

■ブランドグルメ
〔 塙町のこんにゃく 〕
江戸時代中期からの伝統を今に受け継ぐ塙町のこんにゃく作り。
とくに「さしみ(そうめん)こんにゃく」と「こんにゃく餅」(山ふぐ餅(註:広島県などではこんにゃくを”山ふぐ”という。))が有名です。
「こんにゃく餅」は、『昭和41年に塙町で行われたプロレス興行の際、ジャイアント馬場が露店で特産のこんにゃくを使ったおでんをあっという間に平らげ、その美味しさに驚いたという。それを見て、こんにゃくを使った名物となる菓子を作れないかと試行錯誤を行った末、出来上がった。』(wikipediaより)という逸話があるらしい。町内の菓子店などで販売されています。
(「塙町商工会」HPなどを参考。)

〔 2010/09/04UP (2004/01/08レポ (2003/11入湯)) 〕


E140.28.29.701N36.53.34.400
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