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■ 磯部温泉 「はやし屋」 〔 Pick Up温泉 〕

<磯部温泉「はやし屋」> (安中市、12:30~16:00(時間確認要)、1,000円、027-385-6011)
オフィシャルHP

若山牧水も宿泊したという磯部温泉の老舗旅館。温泉街も奥まった碓氷川の河畔にあります。
関東有数の成分濃度をもつ磯部の新源泉「恵みの湯」は、湧出量も多くなく日帰り施設「恵みの湯」をはじめ各施設に分湯されているので、ほとんどの施設で希釈・循環の利用となっています。長いこと「恵みの湯」のかけ流し施設はないんじゃないかと思っていましたが、昨年10月に安中市より公表された「温泉施設調査結果」によると、3軒の施設がかけ流し浴槽をもっていてうち非希釈は2軒。そのうちの1軒がここ。



受付は本館のフロント、浴場は別棟にあります。スタッフの対応がとてもよく、館内もこまやかにメンテされていて居ごこちのよさそうなお宿です。入浴1,000円ですがタオルがついています。
こぢんまりとした中庭を抜けると手前に「湯ざくら」、奥に「樫の湯」のふたつの浴場、男女時間交替制で宿泊客は両方入れるようです。この日の男湯は「樫の湯」でした。

浴場は内湯ゾーンに内湯(石枠タイル貼10人位、3連ジェット、ジャグジー付)とお目当ての源泉風呂。庭園造りの露天には岩枠石敷10人以上東屋付きのおおぶりな浴槽がひとつ。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜14時で男湯独占と空いていて貴重な磯部の源泉をゆったりと満喫できました。なお、連れによると「湯ざくら」にも源泉風呂があり、露天は東屋付きの檜風呂とのこと。



内湯、露天とも加水・加温・循環・塩素投入掲示あり、露天には「温泉含有率約30%」とありました。内湯は石臼状の湯口から投入+ジェット&ジャグジー注入で底面吸湯のオーバーフローなし。露天はクリーム色の析出に被われた石組みの湯口から湯滝状に投入+側面注入+湯滝3本からの投入で、浴槽端の上面排湯口からの排湯。「温泉含有率約30%」でホントにこれだけの析出を生じるとしたらすごいです。お湯はともに無色透明ほぼ無味で弱い燻し臭。さして特徴のある浴感は感じられませんが、露天ではきもちツルすべがありました。
これだけの構成だったら「な~んだ・・・ (-_-)」でおわってしまいます。



が、源泉風呂はものすごいものです。
浴槽材(たぶん石)が判別できないほどのクリーム+茶色のコテコテ析出に被われた1人用源泉風呂の上には、「かけ流し・加温 源泉含有率100%」「源泉は「恵みの湯」」「この温泉は成分濃度が濃いので、100%ですと肌の弱い方には強すぎて、ぴりぴりしてしまいます。お肌の弱い方、低血圧の方はご注意くださいませ。」「長時間の入浴は湯あたりしますのでご注意ください。」等々の挑発&警告まじりの掲示。(^^;;;
壁から突き出た竹樋の湯口からなぜか冷たい源泉をごく少量の投入。槽内注排湯はなく浴槽内にあるパイプで熱交換的に加熱し、すこしづつ流し出すかけ流し。このあたりの絶妙な湯づかいは、旧磯部源泉で培われた伝統でしょうか。
槽内もいがいがの析出でびっしりと被われ、底にはクリーム色の析出物が溜まっています。



ややぬるめのお湯はうす茶色に懸濁し、強重曹味+塩味+鉄系のだし味に西毛のお湯によくあるセメント(重曹)臭とかすかに墨系アブラ臭?が混じります。重曹系のツルすべがたいへんに強く、これに肌から染み込んでくるような濃度感が加わります。温まり感はさほどないのに発汗し、どしっとくる力づよい浴感は八塩「神水館」かんな川「白寿の湯」に近いものもありますが、さらにクセモノ。この手のお湯は個人的にはとても好みです ^^)。
浴後はしっかりと重曹が効いて肌がつるつるになります。

高温泉のはずが湯口では冷たいので引湯途中で冷却したかタンク貯湯があるのでは。それでもこれだけのお湯を楽しめるのは驚異的。同じ源泉を希釈循環利用する「恵みの湯」とは別モノと考えた方がいいかと・・・。クセモノ好きにはおすすめです。
なお、源泉槽は小さく、多客期には立ち寄り不可のこともあるようなので、TEL確認のうえ、空いている時間帯に攻めるのがポイントかと思います。

このあと、「長寿館」前の足湯に行きました。
この日はお湯が出ていて、おどろいたことにさきほどの源泉風呂とほとんど同じイメージの濃厚なお湯で、湯口付近では炭酸の気配さえあって源泉のイメージ。「加温・加水・循環」(湯量からみてこれが順当かと思う)という掲示がありましたが、たまたま源泉を流していたのかな? ナゾです。

含銅・鉄(2)-Na-塩化物・炭酸水素塩強塩温泉 52.6℃、pH=7.1、149L/min(掘削揚湯)、成分総計=33.3g/kg、Na^+=11418mg/kg (98.14mval%)、Fe^2+=20.2、Cl^-=13340 (75.92)、HCO_3^-=7263 (24.02)、CO_3^2-=6.3、陽イオン計=11681 (506mval)、陰イオン計=20615 (496mval)、メタけい酸=55.5、メタほう酸=423、遊離炭酸=561、銅イオン=1.51 <H8.8.19分析>(源泉名:恵みの湯)

〔 2005年12月18日レポ 〕
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【 音楽コラム 】 どうなる? 夏川りみ

コラムです。今回は温泉じゃなくて、音楽です。

音楽好きでなくても、♪ 古いアルバムめくり、『ありがとう』ってつぶやいた ♪ というフレーズではじまる「涙(なだ)そうそう」という曲を耳にしたことがあるでしょう。この曲は”夏川りみ”という沖縄、石垣島出身の女性シンガーが唄っています・・・。

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夏川りみの声を最初に聴いたのは、たしか、水戸黄門の合間(笑)に流れていた松下グループのCMだったと思う。ハイトーンが綺麗にのびるそのボーカルは強烈なインパクトがあり、画面の下に出ていた”夏川りみ”というクレジットを頼りにCDをさがしたが、その当時はまったくのマイナーで、ごく一部の大手CDショップでシングルが見つけられただけだった。(ちなみに、その時点でアルバムは未発、くだんのCM Song”この星を感じて”は、シングルで切られていなかった-のちにALBUM「SINGLE COLLECTION Vol.1」に収録)

2001年、「涙(なだ)そうそう」リリース。火のつきはさほど速くはなかったものの、抜群のサビメロをもつこの名曲は、3年間で100万枚を売る近年めずらしいロングセラーとなった。
その後、「南風」(2002/3)「てぃだ~太陽・風ぬ想い~」(2002/9)「空の風景」(2003/3)
と順調にALBUMをリリース。これら初期の作品はPopsと沖縄民謡のバランスがとれたなかなかの内容だった。とくに「てぃだ~太陽・風ぬ想い~」収録の『島唄』『月のかほり』などは彼女のたおやかにのびる高音がうまく活かされた佳作といえる。

その後、「風の道」(2004/9)、「彩風の音」(2005/11)、「想い風」(2007/3)とリリースを重ねたがこれらのALBUM はどうも不完全燃焼な感を拭えなかった。初期のさらっと明るい曲風は姿を消し、重厚なバラード主体の楽曲が増えた。
プロダクション側の思惑としては、たぶん彼女をバラードを唄い上げる本格派歌手にしたかったと思われるが、彼女の魅力は淡々とした曲調から一気にハイトーンに展開するときの一種独特の高揚感にあると思うので、徐々に盛り上げ唄い上げていくような正統派バラードは本質的にあっていない感じがするし、彼女の歌声もこころなしか艶を失って苦しそうに聞こえてならなかった。
「想い風」では槇原敬之の楽曲もとりあげられたが、彼女は言葉かずの少ない(声の伸びを生かせる)曲があっていると思うので、やたら言葉かずの多い槇原の曲はどうにも違和感があった。
このあたりの曲折は、Wikipediaでも「天性の歌声と実力がありながら、リリース曲の多さの割にそれらが生かされた曲にそれほど恵まれてはいない、という評価も多い」と指摘されている。

こうしてみると、どうもプロダクションと夏川りみ本人の間にある種の確執があるような気がしてならなかった。それをうかがわせるかのように2007年1月、契約満了を期に活動停止。しかし、数ヶ月後にはプロダクションを移籍して復活。「曲に恵まれていない」という評価をみずからうらづけるように「夏川りみ 歌さがし」と称して彼女に歌ってほしい曲をリクエストで募り、リリースする企画を打ち上げている。

いまのところリクエスト曲はPopsが多く第1弾として「時代」のリリースが決定している。正直、彼女が正統派Popsの領域でどこまで勝負できるかは未知数(デュエットALBUM「RIMITs ~ベスト・デュエット・ソングス~」ではPops系の曲で共演した黒沢 薫や辛島美登里に喰われている。逆に三線をまじえた「涙そうそう」では圧倒的な存在感を示し、一転、森山良子を喰っている。)だが、天賦の才能の持ち主なので今後に期待したい。
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