アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

今の「救う会」に果たして人権を語る資格が在るのか?

2009年05月31日 16時03分37秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 高田純という人物がいます。札幌医科大学教授・物理学者で、かつて広島大学原爆放射能医学研究所に在職していた事もありました。核物理学・放射線防護学の専門家で、「核爆発災害 そのとき何が起こるのか」(中公新書)などの著作があります。また、NGO・放射線防護情報センターの代表として、中国・ロプノール核実験場周辺の核被害・核汚染の実態を告発してきました(下記参照)。

・中国の核実験 シルクロードで発生した地表核爆発災害(放射線防護情報センター)
>中国は地下核実験を1990年代に11回を実施した。その1回は、1メガトンと大型だった。特に、一部の浅い地下実験は、地表実験と同様に分類されるべき、危険な実験である。これらが、胎児影響による奇形の発生や、若い世代の白血病発生を引き起こしている可能性がある。現在進行形のこうした健康被害が多数、シルクロードの地にあると考えられる。
 http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/NEDonSilkRoadJap1.html

 しかし、その同じ口で、日本の靖国右翼や米国のネオコンを露骨に擁護し、日本の再軍備・核武装を主張しているのですから、開いた口が塞がりません(同上)。

・どうする日本!「核と刀」(放射線防護情報センター)
>現代の黒船は核武装している
核兵器の威力は、携帯型の1キロトン以下から大型のメガトン級まで色々
憲法9条により竹光以下との説もあるわが国の自衛隊
核兵器の拡散により、米国の核の傘の効果は低下している
>核爆発に対しても防護は可能!
諦めるな、知恵を持とう!
広島でも空襲警報後に防空壕退避さえしていれば、
半数近くは生存でたはずである。
 http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/DosuruNippon1.html

 「核戦争恐れるに足らず」「爆心地で戦闘を継続せよ」なぞと言っているのですから、お話になりません。万が一核爆発の熱線・爆風をやり過ごせたとしても、放射能でやがて全員死んでしまいます。アトミック・ソルジャーの悲劇も知らないとは、とんだ「核の専門家」です。
 これを荒唐無稽のトンデモ話と、一笑に付す事は簡単です。しかし、では次の例はどうでしょうか。

・[CML 000095] Fw:[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000092.html
・[CML 000096] Fw:★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000093.html
・[CML 000097] Fw:守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000094.html

 いずれも、RENK・「救う会」・「守る会」などの北朝鮮・拉致問題関連NGOの重複会員である原良一さんのCML投稿です。上記3本の投稿とも、CML運営委員会の判断で非表示扱いとされてしまいましたが、いずれの投稿とも、殆ど当該表題に掲げられた北朝鮮関連NGO団体ニュースからの転載です。転載元ニュースへのリンクも併せて表示しておきます。

・[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
 http://www.chosa-kai.jp/090525.html
・★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
 http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1901 
・守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
 http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00102

 原さんが上記3本の投稿をCMLで配信した動機は、以下の通りです。原稿自体は非表示で読めませんが、それに対する別の会員からの返信投稿に、その原文が残っていましたので、そこから引用します。

>北朝鮮の核実験から半日が経っても、こちらでは広島在住の伊達 純氏のコメント一本のみ(呆)。
>CMLに変わっても、護金派どものお花畑に変わりはないようで、当方もこのテーマでは、敵対的な関与を続けることにします。
>暴金膺懲!
>○○○○に刃物、麻原にサリン、金正日に核兵器はあってはならない悪夢です。
>北朝鮮とは「核兵器を持ったポルポト派」です。
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000095.html

 要するに、「北朝鮮では、政治犯強制収容所に囚われた良心の囚人が、核実験の人身御供にまでされたというのに、お前ら左派リベラルの無関心ぶりは一体何だ!」と言いたいのでしょう。しかし、その後に続いて「非核三原則の見直し」や「日本核武装」を主張している「家族会・救う会声明」も一緒に投稿するに至っては、もう何をか況やです。これでは、前述の高田純の立場とも、そう変わらないではないですか。
 原さんは、おそらく「家族会・救う会はこれだけ怒っているのだ」と言うつもりで、この投稿を配信したのでしょうが、これでは逆効果にしかなりません。只管「目には目を、歯には歯を」と、北朝鮮に対する復仇感情を煽っているだけなのですから。実際に核戦争にでもなれば、単に拉致被害者だけでなく、多数の朝鮮半島の人々が犠牲になると言うのに。これでは、それをごり押しする為に、徒に拉致被害者や脱北者を踏み絵に利用しているだけと、言われても仕方ないでしょう。
 しかも、その腹いせに、場違いな場で「八つ当たり」に及ぶに至っては、お門違いも甚だしいと言わざるを得ません。一体全体、これが「救う会」の活動スタイルなのでしょうか。

 そんな一見勇ましい「非核三原則見直し」「日本核武装」論ですが、それが実際には、どれだけ非現実的な空論であるか、冷静に国際政治の現実に照らし合わせてみれば、直ぐに分かります。
 まず、「核武装」を主張するからには、当然NPT(核拡散防止条約)脱退も織り込み済でしょうが、そうなれば、米国も含め現在の核保有国全てを敵に回す事になります。かと言って、イランの様に「米帝やイスラエルの蛮行を非難する」のでもなく、引き続き米国の属国に止まり、アフガン・イラク戦争にも加担していくのでしょうから、非核保有国や第三世界諸国も、敵に回りこそすれ、味方になる事はまず在り得ない。
 斯様に、核兵器は、実際の戦争には事実上使えないのですから、幾ら持っていても意味がありません。下手に戦略核を使おうものなら地球滅亡、たとえそれが戦術核・小型核であったとしても、使ったが最後、その国は「核戦争の引き金を引いた戦争犯罪人」として、世界から完全に孤立してしまいます。そんな「無用の長物」の為に、国民生活は全て犠牲にされる。消費税も10%位の増税では済まなくなる。旧ソ連が崩壊し米国経済がガタガタになったのも、偏にこの軍拡の所為では無かったのか。

 そもそも、それ以前の問題として、「そんな主張が人権問題解決の手段として、果たして成り立つのかどうか」という疑問も在ります。
 広島・長崎の原爆被爆者や沖縄集団自決の遺族が、果たして同じ様な事を口にするでしょうか。また、それらの犠牲者・遺族に対しても、「また同じ目に遭え」と、果たして口に出来るでしょうか。
 こんな主張は、かつての「米国の核は汚いが、ソ連の核は清い」の、全く裏返しでしかありません。「北朝鮮の核は汚いが、米国・イスラエルの核は清い」という、ダブル・スタンダードの際たるものです。
 それはまた、「欧米のアジア侵略は悪だが、日本のアジア侵略は善だった」とする、安倍・靖国派の主張とも重なります。なるほど、原さんは、一方では「日本の戦争責任資料センター」会員の顔も併せ持ち、そういう意味では、他の「救う会」会員とは異色の立場に在りますが、これではもう靖国派と全く同じではないですか。

 そして、忘れてはならないのは、これは別に過去の話でもなければ、単に「戦争と平和」に限った話でもないという事です。軍拡論者は「財源は消費税で」位に考えているのかも知れませんが、その消費税の負担に、庶民がどれだけ汲々としているのか、これらの政治家は考えた事があるのでしょうか。今のワーキングプアや「派遣切り」の実状を、果たしてどれだけ知っているのでしょうか。
 知っていたら、国民には偉そうに道徳や愛国心の説教を垂れながら、自分は平気で公務中に泥酔したり、公舎に愛人を住まわせたりなぞ、出来ない筈です。そんな自民党政治を、幾ら「拉致被害者救出の為だから」と言われても、そう簡単に支持なぞ出来ない筈です。国民の人権・生存権要求に対して、上から目線で「生活よりも国防」だの「奴隷の平和」だのと、一方的に貶める様な真似なぞ、出来ない筈です。

 しかし、それが出来るという事は、これらのうちの少なくない部分が、実際は「平和」でも「人権」でも「正義」でもなく、「戦争」と「搾取」を望んでいるからに他なりません。だから、かつての被爆者や今の劣化ウラン弾被災者も含めて、全国民に対して、「再び同じ目に遭え、それでも戦え」と、平然と言ってのける事が出来るのです。また、自分の気に入らない者は全て「反日分子」「北朝鮮工作員」と看做しているので、北朝鮮・拉致問題とは何の関係も無いカルデロンさん一家やDV被害者への嫌がらせなぞと言う、ファッショ紛いの行為に及んだりも平気で出来るのです。「北朝鮮・拉致問題に冷淡な左派リベラル」よりも、寧ろこちらの主張の方が、よっぽど冷淡で非人間的ではないでしょうか。
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軽率な行動でしたが (原 良一)
2009-05-31 22:47:33
 プレカリアート様

 小生は、現在(CML投稿時も)アジア人権人道学会の起こしを期限付きで依頼されていて時間が取れず、最小限のレスしかできませんがご容赦ください(拙コメントに意見をいただいても当面即応の目処は立ちません。

 問題になったCMLへの投稿は、未明の睡眠不足の中感情的になって書き込んだもので思慮を欠く行為でした。しかしながら、当該稿での救う会の声明には核武装云々などの不穏当な文言はなく、CML運営委員会もそのことを問題にしているわけではありません。

 もちろん私も、救う会やそれと重なるつくる会右翼の主張のすべてに賛同などしていないどころか、対立点の方が多く異端派の扱いですが、彼らの声明を転載するにあたって逐一その旨の確認を付記するのも煩雑にすぎるし、それをしないことを以って、救う会の核武装支持路線までマンセーしていると見做されてはたまりません。

 拙稿が問題になったのは、付加したコメントの中の「○○に刃物」の表現に、本物の精神病罹患者を含む批判の投稿や抗議が多数寄せられたからです。保存書庫では、その最初の抗議稿も削除されていますが、この部分に関しては完全に私に非があり(「チンピラに刃物」、「暴力団員に拳銃」などの候補の中から「よりインパクトの強い表現を」と選んだ結果なのだから余計にタチが悪いし、言論テロ=罵倒表現をする時の自身の基準にも反しています)、削除も投稿規制も当然の処分です。

 ただし保存書庫では、私の処分に対する運営委員会の見解や、拙稿の削除理由が転載禁止となって表示されておらず、Webでの閲覧者には事情がわからず、削除稿へのコメント稿はそのままで削除稿が閲覧可能なのも辻褄があいません。

最初の抗議稿を含んだ投稿
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000110.html
(これでは頭隠して尻隠さずではないか-呆-)


 伏せられているCML運営委員会の見解では、私の付記したコメントが

>「民族差別やナショナリズムを煽ったり、人々の人権を侵害するような
>情報発信に場を提供しようとするものではありません」

に抵触するとされました。~刃物発言はそう指弾されて当然(伏せ字にすればいいというものではない)と思いますが、守る会の声明に付けたコメント


>彡☆帰国者の救済は、日本の左翼に課せられた責任です☆ミ

大日本帝国の植民地支配の下で幾多の辛酸を嘗めた朝鮮、
その中でもとりわけ多くの苦難に直面させられ、それ故にこそ
日本の左翼運動、反帝国主義、反植民地主義の戦いの第一線に立ち、
日本人以上の熱意で重要な担い手となっていたのが、在日朝鮮人の人々でした。
日本から北朝鮮に「帰国」した「帰国者」には、日本共産党を中心に
日本の左翼運動に多大の貢献したそのような人々が多数含まれています。
日本の左翼・革新・進歩派に属するすべての人々は、彼ら帰国者と日本国籍の
配偶者の救済に取り組む政治的・道義的責任を誰よりも重く負っています。<


までが削除の対象になったのには大いに不満があります。

 野原燐さんという方が、これに疑問を呈し、委員会に質問も発していますが、まだ返事がなされていません。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000149.html


 そしてこれこそが、CMLの政治的立場を明示するものであり、私が見るところの「最も質の悪い護金派」=北朝鮮独裁体制への無批判な支持または擁護者とその政策を採る政党に阿る人士を呼びかけ人(運営委員会はその中から選ばれていると見るべき)に含み、その影響力下にある実態が炙り出されたと考えています。

 おそらくCML委員会は、野原さんの質問にまともに答えられないでしょう。回答がなされたなら(どんな内容であれ)評価するし、その上で拙稿が復活されたなら我が不明をお詫びしますが…。

 いずれにせよ今回私が、後刻の編集・推敲の効かないMリストで取り返しのつかない誤りを犯したことに変わりはなく、入力を終えて推敲に充分に時間が割けるまでは、CMLへの投稿は自粛します。ですが、不快な思いをさせ、にもかかわらず拙稿を読み直しては複数回のレスを送ってくれた関口氏には、返事を出すとの約束もしており必ず返信を送ります。

 で、再度の確認
 私は、救う会主流の核武装発言には反対しています。それ以外の部分でも不満な点が多く、口先だけでは実効がないので拉致問題では、反主流派(にされてしまった)の蒼星板の人たちと一緒に行動しています。

東京ブルーリボンの会
http://blog.livedoor.jp/tokyo_ribbon/

直接関係はないが関連する投稿
http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=7960
返信する
一応事実確認を (三浦小太郎)
2009-06-01 09:29:40
一応事実確認をして起きますと、私も救う会ニュースとかは、いつでもというわけじゃないけど、「参考情報」として、特に救う会に関心がない人、抵抗感がある人に、救う会はこういう考えを持ってます、という意味で転送してます。ですから、原さんがそのレベルで行ったのならそれはそれで構わないと思いますよ。

ただ、私はCMLにはいってないから分からないけど、そのメーリングリストって、簡単に言えば、今の日本社会の矛盾を批判し、かつ、あえて言えば左派的、憲法9条擁護、かつ改憲派や右派を批判するスタンスで情報交換をして運動や意識を盛り上げていこうという所でしょ(だから私は入会は遠慮してます)?そこで書き込むときにはさ、単に知人に紹介するよりも気を使ったほうがいいと思いますよ。

別にその人たちが、まあ一部にはいるかもわからないけど、今の北体制を擁護しているわけじゃないと思うんですよ。ただ、やっぱり僕のような右派的言論に口を合わせて、改憲論や核武装論を唱えるようなグループに近づいているかのように見られるのは嫌だとか、彼らに力を貸したくないとか、そういうことじゃないかと思う。私はもうそういう意識は脱却すべきだと個人としては思いますよ。ただ、原さん自身、例えば僕と運動していて色んな矛盾を感じることもあるんだから、彼らの気持ちや立場ももっと分かってあげて、実りのある議論をして欲しいと思う。「護金派お花畑」とかさ、そういう言葉は原さんを誤解させるからさ、注意したほうがいいですよ。

それとさ、今回は救う会もよくない。
国家基本研究所が彼らの信念で声明を出すのはいいです。ただ、それを何で救う会ニュースで流すのか。プレカリアートさんにも一応お断りしておきますが、家族会は別にあの非核三原則見直しを主張しているわけではないです。前半の、北朝鮮への制裁強化を求めている点までが家族会・救う会声明で、後半部は国家基本研究所の者で一応別の声明。しかし、こうやって同列に並べて配信すれば、全てが救う会・家族会の意志だって事に見えちゃう。こういう配信はすべきではない。

返信する
Re:軽率な行動でしたが (プレカリアート)
2009-06-01 22:28:54
 原さんの真意は分かりました。
 要するに、原さんが言いたかったのは、「>彡☆帰国者の救済は、日本の左翼に課せられた責任です☆ミ」以下の文章が全てであって、「救う会」の「非核三原則見直し=日本核武装肯定」路線には寧ろ反対するものである、という事ですね。

 それならば、私と原さんとの間には、基本的な意見の対立はもはや在りませんから、この「救う会」路線への評価を巡る議論については、ここで一旦終了したいと思います。
 CMLへも、本エントリーと全く同じ文章を、既にメール稿として送ってしまっていましたが、こちらも先程、改めて削除依頼を出しました。ただ、入れ違いに、CML保存書庫に既にアップされてしまっていたら、その時はもうご容赦願います。MLは、掲示板とは違い、一旦配信されたメールの編集・削除は、基本的には出来ないシステムになっているそうなので。

 ただ、原さんのあの投稿では、誰が見ても、単なる「救う会」擁護にしか見えませんよ。投稿文の大半が「救う会」声明からの転載で、コメントは最後に少し愚痴みたいな形で付け足してあっただけなのですから。
 今回の場合で言えば、本来の自説である「>彡☆帰国者の救済は、日本の左翼に課せられた責任です☆ミ」以下の部分こそメーンに据えて、補足資料でしかない「救う会」声明の方は、リンク貼付か、せいぜい引用までに止めるべきだったでしょう。

 あと、今回の件も含めて、「救う会」については、あともう少し言いたい事が在るのですが、それは明日以降で書く事にします。
返信する
まず自らの出直しの方が先だろう (プレカリアート)
2009-06-02 22:43:33
 私が本エントリーで言いたかった事は、標記のコメント・タイトルに尽きます。つまり、下記の如くです。

>「4・11蕨市デモ」など、カルデロン一家を狙った行動を再三起こしていた勢力が「行動する保守」である。
>「行動する保守」とは何か。「せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』」の主宰者瀬戸弘幸氏によれば、それを構成する組織は「主権回復を目指す会(代表:西村修平氏)」、「在日特権を許さない市民の会(桜井誠氏)」、「外国人参政権に反対する会(村田春樹氏)」、「せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』(瀬戸弘幸氏)」、「日本を護る市民の会(黒田大輔氏)」、「日本の自存自衛を取り戻す会(金子吉晴氏)」などである(※1)。
>一見、これらの団体は個々に独立し、横のつながりだけのように見える。だが、化けの皮を剥がす必要がある。以下は、上記の「運動家」やその関係者たちの持つ、別の肩書きである。
>「維新政党・新風」副代表瀬戸弘幸氏/「維新政党・新風」国民運動推進委員村田春樹氏/「維新政党・新風」東京都本部広報委員長有門大輔氏/「維新政党・新風」神奈川本部青年部長中村寿徳氏。
>これだけではない。「在特会」副会長八木康洋氏は、「維新政党・新風」茨城本部青年部長である。また、西村修平氏は、「維新政党・新風」元千葉県本部長である。
>また右翼市民運動を担う「運動家」たちの多くは、拉致被害者救出運動にコミットしている。村田春樹氏は「救う会埼玉」の会員である。「在特会」元関西支部長増木重夫氏は「救う会大阪」の元事務局長である。西村修平氏は「救う会千葉」の元幹事である。八木康洋氏は「救う会いばらき」で活動をしている。また、拉致問題を扱う集会(家族会幹部も登壇したもの)で、「在特会」主催イベントの参加呼び掛けがされていることもあった。
>つまり、「産経新聞」など、保守論調を好み、「拉致被害者救出運動」などに関わっていくなかで、思想形成がされている構図を確認しておきたい。実際に、彼らは「真の保守」「最右派」を自認している。
 http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200905111500151

>「入学式の日に街宣車で来る」などと小学校の校長を脅したとして、兵庫県警公安2課などは4日、暴力行為法違反容疑で自称学習塾経営、増木重夫(56)=大阪府豊中市=と自称進学塾講師、遠藤健太郎(36)=大阪市北区=の両容疑者を逮捕した。
>同課の調べでは、両容疑者は昨年12月19日と今年1月15日、兵庫県西宮市内の市立小を訪れ、「(同校の)教員がストライキを計画している。処分しなければ、入学式で街宣活動などを行う」などと女性校長(56)を脅した疑い。増木容疑者は多くの国会や地方議員が名を連ねる市民団体「教育再生・地方議員百人と市民の会」(大阪府吹田市)の事務局長を務めており、「教育に不満があった」と供述。遠藤容疑者は会員だった。
>記事では触れられていないが、「救う会大阪代表」でもある。
 http://nyt.trycomp.net/modules/weblog/details.php?blog_id=327

>言い訳に回り始めたネオナチ在特会
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/364d3c5236fc748019061aaf2fea09f9

 自分たちのこういう体質を棚に上げておいて、幾ら「左翼”リベラル”は何故北朝鮮の人権侵害に及び腰なのか?」(「守る会」理論誌「光射せ!」創刊号)とか、「アジアの人権・人道」とか、「護金派お花畑」とか言われても、全然説得力が無いのですよ。
 勿論、そんな人ばかりではないし、そんな体質には寧ろ批判的な人も少なくない事ぐらい、私も先刻承知の上です。

 しかし、その一方で、増木も西村も八木も、元・現「救う会」地方幹部ではないですか。決して「一部個人会員レベルでの跳ね上がり」なんかではありません。そんな人物を、「拉致被害者想いで運動熱心だから」という情緒的な理由だけで、前述の当該「体質には寧ろ批判的」な人たちも含めて、大目に見てきた(黙認・甘やかしてきた)というのが、実態ではなかったのですか。
 それどころか、島田洋一氏や荒木和博氏を始めとした「救う会」系人士の多くが、「維新政党・新風」の支持者ではないですか。

 また、私は、こんな「在特会」や「維新政党・新風」みたいな潮流とは、絶対に同じ立場には立ちたくないと思っていますが、これは果たして「イデオロギー排外主義」として、指弾されなければならない行為なのでしょうか。
 寧ろ事実は逆で、彼のネオナチ・レイシスト・ヘイトスピーカーこそが、「人民の敵」「人権・人道の敵」として、指弾されなければならないのではありませんか。これは「イデオロギー排外主義」どころか、人権運動の根幹にも関わる問題ではないでしょうか。こんな、欧州では刑事犯として逮捕される様なネオナチ・レイシスト・ヘイトスピーカーを黙認しておいて、「人権」もクソもないと思います。

 同じ事は、本エントリーの主要論点である、「核武装」論の是非についても言えます。確かに、「非核三原則見直し・核武装」が「救う会・家族会」の公式方針ではないかも知れません。しかし、その方向を是とする人々が、会の多数派である事も、ほぼ間違い無いでしょう。その意見の中には、「今の平和憲法は、広島・長崎の原爆被爆の上に咲いた仇花だ」というものもあるそうです。
 しかし、私に言わせると、こういう意見こそ、被爆者や戦争犠牲者に対する侮辱以外の何物でもありません。これではまるで、「お前ら被爆者が、もう戦争はコリゴリだと泣き言を言うから、日本は戦争に負けちゃったではないか」と、言っているのと同じではないですか。一体全体、人の命を一体何だと思っているのか。

 こういう一見何気ない言葉の中にこそ、その運動の倫理観・品格・本質が、はからずも滲み出てくるのではないでしょうか。
 原良一さんや野原燐さんからの指摘は、なるほど大変重要です。「北朝鮮に及び腰」的な体質は、絶対に克服されなければならないと、私も考えます。それが人権運動としてあろうとする限り。しかし、その運動は、決して「レイシズムにも及び腰」であってはいけないと思います。「北朝鮮」的なものも「レイシズム」的なものも、そのどちらもが、絶対に人権とは相容れない存在なのですから。
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週刊金曜日 月刊日本合同集会 (三浦小太郎)
2009-06-23 17:33:25
とりあえずコメントではなく、こういう集会があることをお知らせします。私個人は余り評価したくないものですが、このブログを読む人の中には週刊金曜日の愛読者もいると思い、まず情報のみを伝えます

『月刊日本』『週刊金曜日』第2回共同講演会
開催日時 2009年 7月 1日 (水) 19時~21時(開場18時半)
【場所】 ちよだプラットフォームスクウェア会議室504+505(東京・神田錦町3-21)

【討論】 佐藤優(起訴休職外務事務官)、菅沼光弘(元公安調査庁調査第二部長)、蓮池透(元「家族会」副代表)、山浦嘉久(『月刊日本』論説委員)、和田春樹(東京大学名誉教授)
【司会】 青木理(ジャーナリスト)

【申込み】 申し込みは『月刊日本』か『週刊金曜日』の定期購読者であることが原則必要。予約制(定員60人、1000円)。小社への申し込みは、氏名・小誌定期購読者番号・電話番号を明記して、小誌共同講演会係までファクス(03-3221-8532)か電子メール(henshubu@kinyobi.co.jp)、はがきで。6月25日必着。抽選のうえ、参加可能になった方には、小社からはがきをお送りします。

http://www.kinyobi.co.jp/event/event_detail.php?no=660
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